「乾坤一擲」の意味や由来とは?使い方の例文や類語・英語も解説

「乾坤一擲(けんこんいってき)」とは、ここぞという時の大勝負というときに使われる四字熟語です。由来は漢詩によるもので、劉邦と項羽のある大勝負から生まれた言葉でした。

今回は、この「乾坤一擲」意味、そして由来や使い方などを例文と併せて解説します。

「乾坤一擲」の意味とは?

「乾坤一擲」の意味は「運を天にまかせて大勝負をすること」

「乾坤一擲」の読み方は「けんこんいってき」で、「運を天にまかせて大勝負をすること」という意味です。イチかバチか、当たりと出るかダメなのか、どちらかわからない、そんな状況下で勝負に出るときに使われる表現です。

また最初の二字と終わりの二字を入れ替えた「一擲乾坤」も使われます。

「乾坤一擲」の漢字の意味

「乾」は「天」を、「坤」は「地」表して、ちょうど対となっています。この「乾坤」を「陰と陽」または「サイコロの偶数目と奇数目」という意味で解釈することもできます。そして「一擲」は「一投げする」という意味です。

これらの漢字を連ねた「乾坤一擲」から「サイコロの人投げで決める大勝負」という意味が生まれました。

「乾坤一擲」の由来

「乾坤一擲」の由来は漢詩『韓愈(かんゆ:768-824)』

「乾坤一擲」は漢と楚の戦いを謳った韓愈(かんゆ:768-824)の漢詩が由来です。韓愈が『鴻溝(こうこう)を過ぎるの詩』のなかで、次のように書いています。

誰か君王に勧めて馬首を回(かえ)さしむ
真成(しんせい)に一擲乾坤を賭(と)す

この詩の背景にあるのは、前漢の皇帝である「劉邦(りゅうほう)」が楚の皇帝「項羽(こうう)」との和睦を反故して、楚に戦いを挑んだ歴史があります。

劉邦と項羽の勝負から「乾坤一擲」は誕生

劉邦と項羽は協力して秦王朝を破ったのですが、その後どちらが皇帝になるのかと譲りませんでした。国土を「鴻溝」と呼ばれる大河を境界線にして二つに分けて、以西を劉邦の領土で「漢」とし、以東は項羽の領土で「楚」としました。

しかし楚の兵は疲れていて食料も乏しいため、今なら楚を打てると漢の諸侯は劉邦に勧めます。そこで劉邦は諸侯の意見を聞き入れて、漢の地に行こうとしてたのもつかの間、馬首を楚へとむけて一石を投じることにしたのです。

これが天地を掛けた大勝負であったことから「乾坤一擲」という言葉が生まれました。

「乾坤一擲」の使い方と例文

「乾坤一擲」は何か大勝負をするときに使う

何かの大勝負をしようとするとき、その覚悟の大きさを示そうとする状況で、この「乾坤一擲」は使われます。

「乾坤一擲の大勝負」はやってみないとわからない勝負を表す

どうなるかやってみないとわからないが勝負に挑む、そんな状況で使われます。

  • 「プロ10年の○○選手と、今季とても調子のいい先鋭の△△選手との戦い。乾坤一擲の大勝負になりそうだ。」
  • 「この勝負は乾坤一擲。勝てるかどうかわからないけれど、賭けてみよう」

「乾坤一擲の大事業」はビジネスで勝負をしかけるときに

ビジネスシーンでも「乾坤一擲」が使われることがあります。

それは実際にその事業を始められるかわからないけれど、伸るか反るかでやってみようといった賭けのような心情で事業や計画を始めるようなときに「乾坤一擲」は使われます。

  • 「準備は十分にしてきたつもりだ。とはいえ、これは乾坤一擲の大事業。気合を入れてかかろう」
  • 「今回の企画が通るかわからないが、ともかく企画書をあげてみよう。これは乾坤一擲の企画と言える」

「乾坤一擲」の類語

「乾坤一擲」の類語は「一か八か」「伸るか反るか」

「乾坤一擲」の類語に「一か八か」があります。これは運を天にまかせて冒険をすることを意味する表現です。「一か八かやってみよう」などの使い方をします。

「一か八か」の同義には「伸るか反るか」もあります。成功するか失敗するかわからないという状態に使えます。

「一六勝負」も似た意味の四字熟語

「乾坤一擲」と似た意味の四字熟語は「一六勝負(いちろくしょうぶ)」です。これは「博打でさいの目が一と出るか六と出るか賭けて勝負をすること」、または「運にまかせて冒険をすること」を意味しています。

例文

「一六勝負で試した事業だったが、なんとかうまくいった」

「当たって砕けろ」「賽は投げられた」も類似表現

「どうなるかわからない」「後戻りはできない」という意味では、「当たって砕けろ」「賽は投げられた」が類似表現です。覚悟を持って行動することのニュアンスで使えます。

例文
  • 「どうなるかはわからない。ともかく当たって砕けろだ。」
  • 「賽は投げられた。もう後戻りはできない」

「乾坤一擲」の英語表現

「乾坤一擲」は英語で「stake everything on」

「乾坤一擲」は「運を天にまかせての大勝負」という意味ですが、この「大勝負」にはすべてを投げ捨ててこの勝負に賭けるという思いがあります。

この「すべてを投げ捨てて勝負をする」という意味を英訳すると「乾坤一擲」の英訳は「stake everything on」、つまり金や名誉、生命などを「すべてを賭ける」という表現になります。

例文:“We stake everything on this project.”「このプロジェクトに乾坤一擲だ」

「all or nothing」で「一か八か」という意味

また一か八かの大勝負という意味で「乾坤一擲」を使うなら、「all or nothing」を使うこともできます。

「すべてか無か」つまり「妥協のない」という意味の「all or nothing」なら、もう引くことができない絶体絶命といった緊迫した状況を表せます。

例文:
“all or nothing struggle”「一か八かの争い」
“all or nothing approach”「妥協を許さない方法」

まとめ

「乾坤一擲」とは「天を運にまかせてする大勝負」という意味の四字熟語です。スポーツや賭け事などこれから大勝負をしようというときによく使われます。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。