「御用納め」の意味と由来とは?「仕事納め」との違いや挨拶文例も

年末が近づくと「御用納め」という言葉を耳にすることがありますが、「御用納め」とは一体何なのかよくわからないという人は意外と多いのではないでしょうか。

ここでは「御用納め」について「仕事納め」との違いや言葉の由来を中心に挨拶例文を用いて解説しています。忙しい師走が訪れる前にぜひ理解を深めてみて下さい。

「御用納め」・「御用始め」とは?

「御用納め」は仕事の最終日

「御用納め」の意味は、「行政機関の最終営業日」です。その年のすべての仕事を片づける日「仕事の最終日」のこと。

「御用納め」は「官庁御用納め」とも呼び、「御用」は役所や官公庁などの行政機関や宮中での仕事や公務を指し「納める」は「片づける」を表しています。

「御用納め」は昭和63年12月に制定された「行政機関の休日に関する法律」により、年末年始の休日を毎年12月29日~1月3日までとするものと関係しています。この期間は仕事をせず公務を行わないものとしているため、「御用納め」は前日の12月28日となります。

ただし12月28日が土曜日の場合は「御用納め」が12月27日に、また12月27日が土曜日の場合は12月26日とそれぞれ前倒しになります。

「御用始め」は仕事を始める日

「御用納め」で仕事を終える日があるのに対して、年明けに仕事を始める日を「御用始め」と呼びます。「納める」の対義語が「始める」であるため、言葉としても理にかなっているといえるでしょう。

「御用納め」は具体的にはいつ?

2017年・2018年・2019年の「御用納め」「御用始め」

2017年と2018年ともに御用納めは12月28日、御用始めは翌年の1月4日となります。

2019年については12月28日が土曜日になるため「御用納め」は12月27日、御用始めは翌年2020年1月4日が土曜日になるため1月6日となります。この年は年末年始の休日が9日間になるため、心待ちにしている人も多いのではないでしょうか。

「御用納め」と「仕事納め」の意味と違い

「御用納め」と似た言葉に「仕事納め」があります。この2つの言葉の違いについて説明します。

「仕事納め」は一般の民間企業で使われる言葉

官公庁や役所などの行政機関や宮中では日本の法律で年末年始の休日が決まっていますが、一般の民間企業にはそのような決まりはありません。

行政機関が休みに入り業務に差支えが出てくる場合があるため官公庁と休みを合わせる民間企業は多くありますが、日にちが大幅に前後することは少ないようです。

「御用納め」と「仕事納め」の違いは対象の団体

「仕事納め」は一般の民間企業で「その年の最後の営業日」を指すため仕事の最終日であるという点では「御用納め」と変わりはありません。官公庁や役所などの行政機関か一般の民間企業かによるということです。

サービス業には「仕事納め」がないことも

近年では銀行でも12月30日まで営業しているところがほとんどですが、飲食業や旅行業などのサービス業に関しては仕事納めがないという場合も少なくありません。

仕事納めがない場合でもローテーションを組み交代で年末年始の休日を取得する場合もあります。仕事をする人なら誰でも年末年始に休日をとりたいものですが、企業の運営体制が24時間365日でありながら「仕事納め」をしてしまうのは現実的に厳しいと言えるでしょう。

「御用納め」挨拶文のポイントと例文

「御用納め」ではお世話になった職場や取引先の人に「御用納め挨拶文」を送りましょう。ここでは御用納めの挨拶文のポイントと例文紹介します。

挨拶文のポイントは「労いの気持ち」

「御用納めの挨拶文」は一年の仕事の締めくくりとして送るだけはなく、来年に向けて心地よい付き合いを続けていくための大切なコミュニケーションツールです。

「御用納めの挨拶文」を送るのはビジネスマンとしても最低のマナーです。職場の上司や取引先の関係者など、仕事でお世話になった人には必ず送るようにしましょう。

御用納めの挨拶文のポイントは一年を振り返り相手の労を心からねぎらうことです。「お世話になりました」という気持ちをベースに「来年もより良好な関係でいたい」という思いを伝えるのです。定型的な挨拶分に加え、苦労をした経験から学んだことや来年に向けての意気込みなどを足してもよいでしょう。

「御用納め」の挨拶例文

■取引先への挨拶例文

2018年も残りあと少しとなりました。

今年は長引く不景気から脱却し、受注数や売り上げに大きな回復が見られた年でした。今年一年を無事過ごすことができたのも、XX様から多大な支援を頂いたおかげだと思っております。

来年も色々とご迷惑をおかけすることもあると思いますが、今年以上に努力をする所存でございますので、何卒ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。

どうぞよいお年をお迎え下さい。

■上司から部下への挨拶例文

みなさん、今年も一年本当にありがとうございました。

新人も入りにも活気が出た年となりましたが、チーム一丸となりやる気と根性のあふれる姿が多く見られた素晴らしい年であったと感謝しています。

来年も我がチームが会社を引っ張っていくような心づもりで頑張っていければと心から思っています。休日はゆっくりと休み、新しい年に向けてしっかり充電するようにして下さい。

体に気を付けて、良いお年を迎えて下さい。

まとめ

「官庁御用納め」は年末よく目にするニュースのタイトルでもありますね。

今回は「御用納め」について紹介しましたが、年内の最終営業日の呼び方は行政機関に勤務しているか、一般の民間企業で働いているかで異なるため上手に使い分けをするようにして下さい。

御用納めの挨拶文は来年も友好的なお付き合いや取引を続けるためにも大切なコミュニケーションの一つです。ビジネスにおいては必須のツールであるため社会人には必須項目です。心を込めた労いの気持ちを自分の言葉で伝えるようにしましょう。