「取り急ぎご報告まで」の意味と使い方!言い換えや英語表現も解説

ビジネスメールでよく見られる「取り急ぎご報告まで」というフレーズは、大切な事柄を急いで伝えるメールの文末に用いられます。尊敬語が使われているものの簡略的な表現なので、その使い方には注意が必要です。そこで今回は、ビジネスでの「取り急ぎご報告まで」というフレーズの正しい使い方について解説します。

「取り急ぎご報告まで」の意味と使い方

意味は「緊急に相手に何かを告げ知らせる」

「取り急ぎご報告まで」の「報告」とは、何かを告げ知らせるという意味です。ビジネスでは「報告」を「ご報告」という敬語表現にして、部下から上司、または後輩から先輩に対して、ある業務が終えたときにその事項の経過や結果を伝えるときに使われます。

メールの文末に使われる

「取り急ぎご報告まで」というフレーズは、緊急に相手に伝えるべき事項を報告するメールなどの文末に使われます。細かな詳細は後回しにしても、とりあえずある事柄だけは相手に伝えたいというときに、「取り急ぎご報告まで」を使います。

使い方の3つのポイント

ビジネスメールの文末に「取り急ぎご報告まで」はよく使われるフレーズですが、使うときは注意が必要です。

急ぎの連絡のときに使う

急いで連絡を取るべき状況のときに、「取り急ぎご報告まで」のフレーズが使われます。たとえば、受け取ったメールを全部読むことはすぐにはできないけれども、受け取ったということを確認のため返信するときなどに、文末に「取り急ぎご報告まで」と記します。

目上や取引先への敬語としてはNG

「取り急ぎご報告まで」という表現は、「取り急ぎ、ご報告させていただきます」や「取り急ぎご報告いたします」という敬語表現を簡略した言い方です。そのため、「取り急ぎご報告まで」を敬意を表すべき上司や顧客に使うべきではありません。上司によっても親しい間柄で、多少な無礼ならかまわないという関係が築かれているのなら使ってもいいのですが、粗雑なフレーズであるということは知っておくべきでしょう。

後で連絡をすることを前提に使う

「取り急ぎご報告まで」のフレーズは、必要な事項を急いで伝えるときにのみ使われます。そのため詳細の確認はこの時点ではできていませんから、後日、その案件について連絡を入れることを前提として使うようにしましょう。

「取り急ぎご報告まで」の例文

「取り急ぎご報告まで」を使った例文

「取り急ぎご報告まで」を使った例文をいくつかご紹介します。いくら急ぎの返信であり、返信の相手が親しい上司や先輩であったとしても、相手への気配りや適切な言葉遣いを忘れずに連絡をするようにしましょう。

  • 「メールにて失礼いたしますが、取り急ぎご報告まで」
  • 「明日のミーティングが13時からになりました。取り急ぎご報告まで」

「取り急ぎご報告まで」の言い換え

「取り急ぎご報告まで」と似たような意味で使われるフレーズはいくつかあります。それらの類似表現は相手によって変わります。相手別に類似表現をご紹介します。

親しい上司や先輩などに使える類語表現

  • 「念のためご報告まで」
  • 「ご報告までに」
  • 「ご連絡まで」

どのフレーズも「取り急ぎご報告まで」のように簡略的な表現ですので、親しい上司や先輩などに使わられる表現です。急ぎの用件を報告したい場合で、結びの言葉で適当なフレーズが見つからないときには、使いやすい表現とも言えるでしょう。

顧客や取引き先に使える類似表現

  • 「まずはご報告まで申し上げます」
  • 「以上、取り急ぎご連絡申し上げます」
  • 「取り急ぎご報告いたしますが、後日改めてご連絡いたしますのでよろしくお願いします」
  • 「要件のみのご報告で大変恐縮ですが、よろしくお取り計らいのほどお願い申し上げます」

「取り急ぎご報告まで」のような省略された表現を好まれない相手、たとえば顧客や取引先、または距離感のある上司や先輩に対しては、上記のように最後まで言い切った言い方を使うべきでしょう。相手への気遣いを感じられて、丁寧な表現になります。

「取り急ぎご報告まで」の英語表現

直訳と呼べる英語表現はない

「取り急ぎご報告まで」の直訳と呼べる英語表現はありませんが、そのニュアンスを伝える表現としては次のようなものがあります。

  • This is just a short note to inform you.

このように言うと、「この件についてちょうど申し伝えたかったところでした」というような意味になります。

Justを使って急ぐというニュアンスを出す

  • Just a head up to you the topic.
  • Just a quick note to let you know the topic.

このような英語表現は、「この案件についてお知らせします」という意味の文章に「just」が効いているので、急いでいるといったニュアンスが伝えられます。

  • I just wanted to tell you that I have received your email.

「取り急ぎあなたからのメールを受け取ったことを報告します」という意味の英語表現です。この文章も「just」があることで急いでいるとかとりあえずといった雰囲気が出ています。

まとめ

なんとなくよく使われるから、便利だからとつい使ってしまう「取り急ぎご報告まで」というフレーズですが、使うべき相手を間違えると失礼にあたります。「取り急ぎご報告まで」というフレーズはあくまで簡略的な表現なので親しい上司や先輩のみに使うようにします。その他の相手に対しては、省略されている部分を補うようにして、一文を最後まで言い切るようにしましょう。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。