「おかれましては」の意味とは?正しい使い方と注意点

ビジネス文書でよく見かける「おかれましては」という表現。決まり文句としてなんとなく使っている方も、多いのではないでしょうか。実は「おかれましては」は、使い方に注意が必要な表現です。今回は「おかれましては」の意味と正しい使い方を紹介します。知らずに間違って使わないように使い方を知っておきましょう。



「おかれましては」の意味とは

「おかれましては」は「関しては」を丁寧にした表現

「おかれましては」は、「関しては」という意味の「おいては」を丁寧にした表現です。「お客様におかれましては」のように、目上の人を前につけて使われる表現です。「お客様に関することを話します」ということを伝えています。意味がわかりにくいときは、「には」や「が」におきかえて読んでみるとわかりやすいでしょう。

「おかれましては」には尊敬の意味も含まれます。分解すると、「おいては」は動詞の「おく」を活用した「おい」に、助詞の「て」と「は」がついています。「おく」を丁寧にすると「おきます」になり、「おきましては」と使われることもあります。さらに、「おきます」を尊敬語にした「おかれます」に助詞をつけたのが、「おかれましては」です。

「皆様におかれましてはますますご活躍のことと」の意味

ビジネス文書では活躍のことと、お喜び申し上げます。」などと使われています。「おかれましては」の前についている「皆様」がより一層活躍していることを喜んでいると伝える表現です。ビジネス文書の冒頭や、時候の挨拶の次の挨拶文として多く利用されています。

「おかれましては」の使い方と注意点

個人名や団体名などを前にいれる

「おかれましては」の前には、個人や団体などの「人」がはいります。「おかれましては」には尊敬語の意味が含まれていますので、尊敬するべき目上の人の後ろにつけましょう。「鈴木様におかれましては」などのように個人名を使うこともありますし、「貴殿におかれましては」や「貴社におかれましては」のように、「あなた」を丁寧にした言葉がはいることもあります。

「人」以外の言葉をいれた表現は誤用です。例えば「貴社のパソコンにおかれましては」というのは、「貴社のパソコン」を尊敬の対象にしている間違った表現です。

ビジネス文書の挨拶文で多く使われる

ビジネス文書の冒頭には、挨拶文を載せるのがマナーです。例えば「貴社におかれましては、ますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。」などが一般的です。「貴社」の部分には「貴店」「皆様」など、相手を表す言葉がはいります。また、「ご盛栄」には「ご清栄」「ご清祥」「ご活躍」などの言葉がはいります。

ビジネスメールで使うことは少ない

ビジネスメールの冒頭にも挨拶文を載せるのがマナーですが、ビジネス文書で使われている「おかれましては」を使った挨拶文を載せるのは一般的ではありません。ビジネスメールでよく利用されている挨拶文は「いつもお世話になっております」や「ご連絡ありがとうございます」などです。

「おかれましては」はかなり丁寧な表現ですので、手軽に済ませられるメールよりも手紙などの文書に向いています。使ってはいけない表現ではありませんが、ビジネス文書に比べると使われることは少ない表現です。

お礼や感謝の文を続けるとよい

ビジネス文書の冒頭で「おかれましては」を使った挨拶文の次に、お礼や感謝の文を続けると、さらに印象がよくなります。例えば「貴社におかれましてはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。いつも格別のご愛顧を賜り、心よりお礼申し上げます。」などです。

お願いには「皆様におかれましても」を使う

目上の方にお願いをするときには、「おかれましては」よりも「おかれましても」を使うことが一般的です。市役所からのお知らせを例にすると「市役所ではこのような対策を行っていますので、市民の皆様におかれましても、ご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。」と使われています。

「おかれましても」の「も」は並列の意味で、「私も、あなたも」と自分と相手の両方を指すことが多いです。お願いをするときに、ただ何かをして欲しいと伝えるよりも、自分も何かをしているので、あなたにもお願いしたいと伝える方が丁寧な印象になります。

「おかれまして」をお願いの文で使う場合には、「おかれましても」を使った方が失礼な対応にならず、よいでしょう。

「おかれましては」の例文

「皆様におかれましては」を使った例文

  • 皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
    ビジネス文書の冒頭などで使う一般的な挨拶文です。
  • 皆様におかれましては、今後一層の活躍をお祈り申し上げます。
    ビジネス文書や手紙の最後に使う結びの言葉です。

「お客様におかれましては」を使った例文

  • お客様におかれましては、ますますご健勝のほどお喜び申し上げます。
    「皆様におかれましては」と同じく、ビジネス文書の冒頭などで使う一般的な挨拶文です。
  • お客様におかれましては、ご不便をおかけし誠に申し訳ございません。
    謝罪の気持ちを伝える例文です。お客様を敬っている気持ちを表しています。

「おかれましては」の使い分け

「おきましては」との違いは尊敬語と丁寧語

「おきましては」を尊敬語にした表現が「おかれましては」です。「おかれましては」の前は、尊敬するべき目上の人になります。へりくだるべき自分や、自社などを前にいれることはできません。しかし、「おきましては」は尊敬語の意味を含んでいませんので、幅広く使うことができます。

例えば「一部サービスにおきましては、土日にお休みをいただいております。」のように、「人」ではない言葉の後に使うこともできます。また「営業部におきましては、他部署とは違う運用をいたしております。」など、自分や自社をいれて使うことも可能です。

「つきましては」との違いは人と物事

「おかれましては」と「つきましては」には、どちらも「~に関しては」という意味があります。しかし使える場面は異なっており、人に関して使うのが「おかれましては」、物事に関して使うのが「つきましては」です。

例えば「鈴木様におかれましては」のように、「おかれましては」の前には「人」がはいります。これに対して「つきましては」の前には、「物事」がはいります。「その件につきましては」や「日程につきましては」などです。間違って使われることも多い表現ですので、気をつけて使いましょう。

まとめ

「おかれましては」は、助詞や敬語が複雑に絡んだ表現です。使える場面も目上の方など限られてきますので、本記事を参考にして正しい使い方を身に着けましょう。ビジネス文書の挨拶文など、日常でも使うことが多い表現です。使いこなして今後のコミュニケーションに活かしていただければ幸いです。

ABOUTこの記事をかいた人

kingyo120

国立大学法学部卒。事務職、コールセンターでの勤務経験あり。現在は2児の育児をしながらフリーランスとして活動しています。趣味は料理と裁縫。健康のためにウォーキングに挑戦中です。