「末裔」の意味とは?類語「子孫」との違いや英語表現も解説

芸能人や有名人がテレビで「○○の末裔」と紹介されることがありますが、「末裔」という言葉の意味を知っていますか?今回は「末裔」について解説します。「末裔」の意味や読み方、類語「子孫」との違いや対義語などについてもご紹介します。自分の家系にとって現在の末裔とは誰なのか?など考えながら読んでみてください。



「末裔」の意味と読み方

「末裔」は「まつえい」「ばつえい」

「末裔」には2つの読み方があります。「まつえい」と「ばつえい」です。どちらの読み方でも間違いではありません。

一般的には「まつえい」と読まれることが多く、テレビなどでも「まつえい」と発音されることがほとんどです。

「末裔」とは「血筋の末の者」という意味

「末裔」は血筋を表す言葉の一つです。先祖から代々続く、血筋を持つ者の中でも、現時点でいちばん最後の、末の者を「末裔」といいます。

「末裔」は、何代続いていなくてはならない、という決まりはありませんし、先祖が有名な人でなくてはならない、ということもありません。どんな血筋であっても、先祖がいることに違いはなく、その血筋をたどっていちばん最後の行き着いたところにいる人が「末裔」です。

そのため、「現在の末裔」に子供が生まれれば、その子供が「末裔」となります。このように「末裔」は、その血筋が続く限り、次々に移り変わっていくものです。

「末裔」の使い方と例文

「末裔」は目上の人にも使える名詞

「末裔」という言葉は、独立した一つの名詞です。トマトや太陽、ボールペンなど、他の名詞と同じように、そのままの形で目上の人に使うことができます。名詞の中には、花や飯のように、「お」や「ご」をつけて丁寧な言い方にできるものもありますが、「末裔」はそれには当たりません。

目上の人との会話で「末裔」を使う場合は、「末裔」の前後の言葉を敬語や丁寧語にして使うと良いでしょう。

  • 「私は織田信長の末裔です」
  • 「田中君は、有名な書道家の末裔で、師範の資格も持っています」
  • 「彼は有名武将の末裔と言われています」
  • 「さすがは、徳川家康の末裔でいらっしゃいますね」
  • 「藤原部長は、藤原鎌足の末裔と伺っております」

他の呼び名がある場合は「末裔」よりも優先する

「末裔」は、基本的には該当する呼び名がない、またはわかりにくい場合の、理解しやすい総称の役割をします。そのため、現時点で「末裔」であっても、他に通じやすい呼び名がある場合はそちらを優先するのが一般的です。

自分の子供は「子」、子の子は「孫」、孫の子は「ひ孫」、ひ孫の子は「玄孫(やしゃご)」、玄孫の子は「来孫(らいそん)」、来孫の子は「昆孫(こんそん)」、昆孫の子は「仍孫(じょうそん)」、仍孫の子は「雲孫(うんそん)」と言います。

ちなみに、自分の親は「父・母」、父・母の親は「祖父・祖母」、祖父・祖母の親は「曾祖父・曾祖母(そうそふ・そうそぼ)」、曾祖父・曾祖母の親は「高祖父・高祖母(こうそふ・こうそぼ)」です。

  • 「私は有名作家の玄孫で、今のところ末裔でもあります」
  • 「私の高祖父は森鴎外です、私は森鴎外の末裔でもあります」
  • 「彼は湯川秀樹の末裔です、詳しくは昆孫にあたると聞いています」
  • 「課長の曾祖父は政治家だったらしい、現時点では末裔ということだ」
  • 「あなたの家系では、今の末裔はあなたということですね」

「末裔」の類語と対義語

類語「子孫」との違いは「末」かどうか

「末裔」と混同されやすいのが「子孫(しそん)」です。「子孫」も、先祖の血を引く者という点では「末裔」と同じと言えます。

しかし、「子孫」は血筋の末の者であるとは限りません。その血筋の始まりとなった人の子供以降は全員「子孫」です。「子孫」は「子・孫」と書くように、誰かの子供や孫を指します。血筋の中で見てみると、誰もがその前の先祖の子供や孫であるため、その血筋にかかわるすべての人が「子孫」です。

「末裔」は現時点で血筋の末にいる者だけを指すため、基本的には1人しかいません。この点が「末裔」と「子孫」の違いです。

「末裔」の対義語は「始祖」

「末裔」は血筋の末の者を指すため、対義語には、その血筋の始まりとなった人を表す言葉となります。それが「始祖(しそ)」です。「末裔」や「子孫」を過去にさかのぼると、その血筋の最初の人に行き当たり、その人を「始祖」と言います。

しかし、血筋の「始祖」は突き止められないことも多く、自分より前の血筋の人のことは「先祖」と表すことがほとんどです。「先祖」は「子孫」の対義語で、ある時点よりも前の血筋を持つ人を表します。

「始祖」はその血筋の始まり、という意味だけでなく、何かの流儀などを最初に始めた人のことを表すこともあります。そのため、現代では主に「何か受け継がれているものを最初に始めた人」という意味で使われることが多いでしょう。

「末裔」の英語表現

「末裔」は英語で「descendant」「descendent」

「末裔」という概念は、英語圏にもあります。日本語の「末裔」にあたるのは「descendant」です。「descendant」が形容詞になると「descendent」と綴りが変化します。

英語の「descendant」は子や孫を含まない、遠い子孫のことを指します。特に血筋の末というニュアンスはなく、先祖から遠い血筋にある者であれば「descendant」で表すことができます。

また「descendant」には、遠い子孫という意味以外にも「門下生」「研究生」という意味もあります。芸術や学問などで、師とする人に付いて学んでいる人のことを表す場合もあるので、前後の言葉でどちらの意味で使われているのかを判断する必要があります。

まとめ

誰もが誰かの子孫であり、誰にでも「末裔」となる瞬間はあるはずです。過去を振り返ったときに「あのときは自分が末裔だった」と気がついたり、「今は自分が末裔だ」と確認できたりすることもあるでしょう。「末裔」の意味を正しく理解して、改めて自分の家系を見直してみるのもおもしろいかもしれませんね。