「破天荒」の意味とは?由来や正しい使い方・類語表現も解説

「破天荒な生き方」や「破天荒な性格」などのように使われる「破天荒」という言葉。一般的には大胆で型破りという意味で使われていますが、本来の使い方として正しいのでしょうか?

ここでは「破天荒」について言葉の由来と意味を中心に、使い方と例文、類語と対義語、また英語表現について解説しています。果たして「破天荒」の本来の意味は?



「破天荒」の意味と由来は?

まず「破天荒」の意味と由来から紹介します。

「破天荒」の本来の意味は「前代未聞」「未曽有」

「破天荒」の意味は「前代未聞」「未曽有」です。上記でお話ししたように「天荒を破った」ことが、今まで誰もなしえなかったことだと称され、前人が達成できなかった偉業であったことが語源です。そこから「破天荒の」の意味は幅を広げ「前代未聞」や「未曽有」、また「誰もがなしえなかった」などとなります。

「破天荒」を「無鉄砲」「大胆」の意味で使うのは誤用

「破天荒」は「破天荒な人」や「破天荒な人生」のように、現代の会話の中では「無鉄砲」や「大胆」などという荒々しく無茶であるイメージで使われています。テレビや新聞などでもこのように使われているため、何の疑問もなく言葉の意味が独り歩きをしているのが現状です。

しかし、「破天荒」を「豪快」や「大胆」の意味で用いるのは、本来の意味から考えると間違いになります。

「破天荒」の語源にもあるように「天荒を破る」ことは「豪快」で「大胆」なことですが、言葉の使い方としては間違いとなるため、使い方には注意が必要です。

「破天荒」の由来は中国の「北夢瑣言」

「破天荒」という言葉は中国・宋が書き記した孫光憲の古書「北夢瑣言(ほくむさげん)」にある内容の一部が由来となっています。

中国で難易度の極めて高い「高等官資格試験」について、荊州(けいしゅう)で合格したものがおらず、周囲から「天荒(未開の荒れ地)のようだ」と言われていましたが、「劉蛻(りゅうぜい)」という人物が試験に合格し、「天荒を破った」と言われたという話です。

ちなみに「北夢瑣言」は全20巻から成る逸話集で、孫光憲がかつて住んでいた夢沢(ぼうたく)北方にちなんで「北夢」と名づけられました。

「破天荒」の正しい使い方と例文

続いて「破天荒」の正しい使い方と例文を紹介します。「破天荒」は誤用が多い言葉の一つであるため、正しい意味と使い方を把握しておくことが大切です。

「破天荒」を使った例文

それでは実際に「破天荒」を使った例文をみてみましょう。

  • 日本人の科学者が世界で初めて新たな細胞を発見し、破天荒な偉業に驚いた。
  • 破天荒な事業とは、誰もが好まないビジネスをあえて選び挑戦することかもしれない。
  • 小さなバレー教室からプリマドンナが生まれたのは、破天荒な記録だと言えるだろう。
  • 破天荒な試みだとは言え、倒産の危機を生むような橋を渡るのはどうかと思う。

「破天荒」の類語と対義語

最後に「破天荒」の類語と対義語を紹介します。

「破天荒」の類語は「類のない」「前例のない」

「破天荒」の本来の意味「前人未到」「未曽有」で類語を考えると、「類のない」「前例のない」「無先例」などになります。

また、「前古未曽有」は未曽有であることをさらに「前古」という言葉で強調する表現です。未だかつてない何かを強くアピールしたい時に使いましょう。

「破天荒」の対義語は「踏襲」「準拠」

「破天荒」に対する正しい対義語は残念ながら見つかりません。しまし「破天荒」の意味でもある「前人未到」や「未曽有」、つまり「前例のない」という意味合いから解釈すると「今までのやり方やしきたりを変えずそのまま受け継ぐ」ことを指す「踏襲(とうしゅう)」や、「規則やものごとなど拠り所として従う」という意味の「準拠」が当てはまると考えられます。

しかし、これらの対義語は「破天荒」で誤用の多い「型破り」「無茶苦茶な」という意味での対義語に近くなるため、文脈における「対義語」としての使い方には気を付けるようにしましょう。

「破天荒」は英語で何という?

最後に「破天荒」の英語表現について解説します。ビジネスシーンでも「破天荒な企画」や「破天荒なプロジェクト」など、前人未到であるこのごとを指す時に使われることがあるでしょう。ぜひ、国際的な場面で使ってみて下さい。

「破天荒」は英語で「unprecedented」「unheard-of」

「破天荒」の英語表現は文脈や状況によって使う言葉が変ってきます。本来の「破天荒」の意味に最も近いのは、「空前の」「未曽有の」という意味の「unprecedented」です。この言葉は「今までに例のない」「かつてない」という状況を表す時に使われ、さらに新奇で驚きのというニュアンスが大きい時に好んで用いられます。

また、「聞いたこともない」「初めて聞く」というニュアンスが強い時は「unheard-of」でも良いでしょう。

「破天荒」を使った英語の例文

それでは「破天荒」を使った英語例文を挙げてみます。

  • 彼が掲げたアイデアは、まさに破天荒な企画そのものであった。
    The idea that he has suggested was nothing but unheard-of.
  • 日本人が体操で世界記録を破った。これは破天荒な記録である。
    A Japanese smashed a world record in Gymnastic. This is unprecedented.

まとめ

「破天荒」の本来の意味は「前人未到」や「未曽有」となり、一般的な解釈である「豪快」や「大胆」、また「型破り」という意味での使い方は誤用となります。

「破天荒」は今までなし得なかったこと、前人が達成することのなかった偉業を表す時に使うのが適切です。ビジネスでは「破天荒な企画」や「破天荒な記録」などのように使うことがありますが、無茶をする人という意味での「破天荒な人」や「破天荒な男性」という使い方は基本的には間違いとなります。本来の意味を理解して会話や文章で用いるようにしましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

アバター

某私立大経営学部卒、大手旅行会社、商社を経て、豪州へ移住。米国PCメーカーのカスタマー部に勤務後、カンガルーやエミューのいるNSW州の片田舎で生活を開始。田舎暮らしをきっかけにフリーランス(ライター・翻訳)に転身し現在に至る。趣味はゴルフ、料理、ローカルとのゴシップ、キャンプ。