「天衣無縫」の意味とは?使い方や由来・類語を解説【例文つき】

タオルの商品名としても使われる「天衣無縫」という四字熟語は、どこかロマンチックな響きがある言葉です。ですがこの言葉の意味は、本当にロマンチックなのでしょうか。

そこで今回は「天衣無縫」の意味や由来、それから類語や英語での表現の仕方に「天衣無縫」の使い方を例文とともに紹介します。

「天衣無縫」の意味と由来

「天衣無縫」の読み方と2つの意味

「天衣無縫」とは「てんいむほう」と読みます。

そして「天衣無縫」には2つの意味があります。その意味とは次の通りです。

  1. 性格が無邪気で飾り気がなく自然なさま。
  2. 詩や文章などにわざとらしい技巧のあとが見えず、自然でありながら完全に美しいこと。

①の意味が人の飾らない自然な性格を指すのに対して、②は詩歌などの文学において自然であって美しいことを指します。

どちらにも美しさがあるのですが、決して人工的または技巧的な美しさではなく自然な美しさだということがポイントです。

そのためいい意味の言葉として使われるのが一般的です。

「天衣無縫」の由来は人間の能力を超えた天女のエピソード

「天衣無縫」という言葉の由来は、中国の古典である『霊怪録』(れいかいろく)に残された話のひとつにあります。

この話によると、郭翰(かくはん)という名の青年が、ある夏の日に庭で寝ていると空から天女が舞い降りました。そして郭翰は天女の衣服に縫い目がないことを不思議に思い訪ねると、天女は「天人の着物には針や糸は使わない」と言いました。

この天女の発言の意味は、天人の衣服は私たちの衣服とは違うという比喩から、天人は人間の能力を超えた特別な能力を持っていることを伝えています。

このことから、超人的と思えるような技術や見え方で特に美しい場合に「天衣無縫」という言葉が使われるようになりました。

「天衣無縫」の使い方と例文

座右の銘として使う「天衣無縫」

座右の銘にしたい言葉のひとつに「天衣無縫」が挙げられることがあります。

それはセオリーや外部からの噂などに左右されずに、自分を信じて自然に振舞おうという意思の表すという意味で、この四字熟語が選ばれます。

例文:「私の座右の銘は「天衣無縫」。己を信じて前に進むぞ」

自然なふるまいの人の形容として使う「天衣無縫」

わざとらしさがなくて自然なままの人の立ち振る舞いの形容として「天衣無縫」が使われます。自然な素振りを見せる子供や、まるで子供のように無邪気さが残り純粋で飾り気のない大人に対しても使われることがあります。

決して嫌味ではなく、「天衣無縫」とは誉め言葉として使われます。

例文:
「天衣無縫な人柄」
「天衣無縫な子供」
「天衣無縫な振る舞いが魅力的だ」
「彼女はしっかり大人になったというのに今でも天衣無縫な振舞い方だ。ああも自然にしていられることに、羨ましく思える」

美しい詩や文章のたとえとして使う「天衣無縫」

主に詩や文章などの文学で「まるで技巧のあとが見えず、自然でいて完ぺきな美しさを持っているもののたとえ」として「天衣無縫」が使われます。

例文:
「天衣無縫な傑作」または「天衣無縫の傑作」
「彼の書く文章は繊細で天衣無縫。真似ることはできないな」
「人間国宝の作品だけのことはある。天衣無縫とはこのような秀作のことを指すのだろう」
「彼の作品には天衣無縫さが備わっている」

「天衣無縫」の類語と対義語

自然なままな性格という意味の「天衣無縫」の6つの類語

「天衣無縫」の類語1「純真」

汚れのないことで、邪念や私欲のないこと。
例文:「世俗に染まらない少年」

「天衣無縫」の類語2「純情」

自然のままで飾り気のない人柄。
例文:
「純情な少女」
「彼は純情で一途なところがある」

「天衣無縫」の類語3「清純」

世俗に染まらずに清く、汚れていないさま。
例文:「清純な乙女」

「天衣無縫」の類語4「天真爛漫(てんしんらんまん)」

飾ることなく、心の思うがままに話したり行動したりすること。
例文:「天真爛漫な子供」

「天衣無縫」の類語5「純真無垢(じゅんしんむく)」

よこしまな気持ちが全くない純粋な心。
例文:「純粋無垢な笑顔」

「天衣無縫」の類語6「醇正(じゅんせい)」

主に書き言葉として使われる混じり気がなく正しいこと。
例文:「彼の醇正な人柄が好まれる」

「天衣無縫」に対義語はない

「天衣無縫な人柄」という意味で使われるときの「天衣無縫」にはたくさんの類義語がありますが、文章が優れて完璧で美しいという意味の類義語はありません。

また「天衣無縫」の対義語もありません。

「天衣無縫」の英語表現

「天衣無縫な人」は英語で「to be natural and flawless」

「天衣無縫な人」を英訳するならば、「to be natural and flawless」という表現がいいでしょう。

「natural」が自然なという意味で、「flawless」とは傷という意味の「flaw」を「less」で打ち消し「傷のない」または「完全な」という意味になります。

その二つの形容詞を合わせて「天衣無縫」を「to be natural and flawless」と英訳します。

例文:“She is natural and flawless.”「彼女は天衣無縫な人だ」

「天衣無縫」の自然な振る舞いを表したいなら「naturally」

自然な振る舞いなら「natural」の副詞形である「naturally」を使うとうまく訳せるでしょう。

例文:”She behaves naturally.”「彼女は自然に振舞う」

文章の完璧さに対する「天衣無縫」の類語は「flawless」

また詩や文章が完璧であるといった意味で「flawless」を使うこともできます。

例文:”His poem is flawless.”「彼の詩は天衣無縫で完璧だ」

まとめ

「天衣無縫」とは「詩や文章が自然であって美しいこと」、または「飾り気がなく自然な振る舞いをするさま」という意味があります。無邪気な人柄ゆえに誉め言葉として使われたり、文学での完全な美しさのたとえゆえ、麻雀でも大変難しい役の名称としても使われています。