「首が回らない」の意味とは?語源や例文を紹介!類語・英語も

仕事が忙しくてどうにもならないときに「首が回らない」と言う言葉を使っていないでしょうか?「首が回らない」を仕事が忙しいときに使うのは間違った使い方。借金などお金に関してのみ使う言葉です。今回は「首が回らない」の慣用句について意味と語源を紹介します。また、例文と類語・英語表現についても紹介します。

「首が回らない」の意味や語源とは?

「首が回らない」の意味は”お金のやりくりがつかない”

「首が回らない」の意味は、“お金のやりくりがつかない”です。言葉の意味そのままに「首が痛い・寝違えて首の痛みが治らない」といった首の不調や病気を表すときに使うことがあります。しかし、慣用句としての「首が回らない」と言う言葉は、借金や支払いの金額が多く「どうやってもお金のやりくりがつかない」状態を指します。

「首が回らない」は”忙しい”の意味は持たない

「首が回らない」と言う言葉は、借金や出費が多くお金のやりくりに苦しんでいる場合にのみ使う言葉です。仕事やプライベートなどで忙しい状態を「忙しくて首が回らない」と使っている場合も見受けられますが、誤った使い方となります。

語源は「借金で首の筋肉が固くなること」など

「首が回らない」と言う言葉の語源については、いくつかの説が見受けられます。

1つは借金によるストレスによって、首の筋肉が固くなり正常に動かなくなるという説です。また、体の中でも大切な部分である「首」を「借金」が締め付けていることで、正常に動かせないという説もあります。他には、街中で借金取りとばったり顔を合わせないように周囲を見回すことができないという状況を「首が回らない」の由来としている説もあります。

いずれにしても、本来首は自分の意思で自由に回せるものなので、「首が回らない」というのは異常な状態にあると言えるでしょう。

「首が回らない」の使い方や例文とは?

「お金のやりくりができない状態」に使う

「首が回らない」を使うのは、借金があるのにお金のやりくりができない・出費が多くてお金が足りないと言う場合です。

先ほどもご紹介しましたが、仕事が忙しい場合に「首が回らない」を使うのは間違った使い方となります。どうにもならないほど仕事が忙しい場合には、「忙しさに追われる」や「目が回る忙しさ」など、仕事が忙しいことを表す言葉を使うようにしましょう。

「首が回らない」を使った例文

「首が回らない」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 契約の終了が続き、とうとう我が社も首が回らない状態となってしまった。しかし、こんな時こそ落ち着いて平常通りに対応することが大事だ。
  • 借金で首が回らない状態につけ込んで、偽の儲け話をつかまされてしまった。
  • 今月はただでさえ収入が少ないのに急な結婚祝いや出産祝いまで重なってしまい、どうにもこうにも首が回らない状態だよ。

「首が回らない」の類語とは?

ことわざ「火の車」は”家計が非常に苦しい状態”の意味

「火の車」(ひのくるま)は、もとは地獄にある「火が燃えている車」を意味する言葉ですが、「家計が非常に苦しい状態」「やりくりが苦しい状態」の意味として使うことができます。したがって「首が回らない」と同じ意味を持つ言葉となります。

「自転車操業」は”借金を繰り返す”の意味

「自転車操業」(じてんしゃそうぎょう)とは、借金を返すためにお金を借り、次から次へと借金を繰り返していくことを意味する言葉です。自転車が漕ぐのをやめたときに倒れてしまうことを例えた言葉となります。「首が回らない」が「やりくりがつかない」の意味を表しているのに対して、「自転車操業」は借金を返すための「やりくり」の方法を意味する言葉となります。

「金詰まり・借金地獄・金欠」も類義語

「金詰まり」の意味

「金詰まり」(かねづまり)と言う言葉は「事業などの資金がなくなること」や「やりくりがつかないこと」を意味しますが、「首が回らない」の持つ「やりくりしようがない」と言う追い詰められた気持ちではなく、お金が「ない」「やりくりつかない」という状態を表す言葉として使われます。

「借金地獄」の意味

「借金地獄」(しゃっきんじごく)と言う言葉は、耳にするとぎょっとさせられますが、多くの借金がありどうしようもなく「苦しんでいる」状態を表しています。「首が回らない」と同じほど、もしくはさらに苦しい状態を表す言葉と言えるでしょう。

「金欠」の意味

「金欠」は「手元にお金がない」ことを意味し、大人から子供までが気軽に使う言葉です。「今月は金欠で苦しい」といった使い方をしますが、「首が回らない」のように「やりくりがつかずどうしようもない」と追い詰められて苦しんでいるニュアンスまでは含んでいません。

「首が回らない」の英語表現とは?

「up to one’s ears」は”首が回らない”の意味

英語で「首が回らない」を表現する場合は、“up to one’s ears”を使うのが適しています。

「up to one’s ears」は「深みにはまる」「身動きが取れない」の意味をもちますが、慣用句の「首が回らない」とは違い、借金だけでなく仕事や宿題などで忙しい場合にも使うことができるフレーズです。「up to one’s ears」だけでも「借金で首が回らない」の意味として使うことができますが、「借金」を表す名詞である「dept」を後ろにつけ「up to one’s ears with debt」と使うのがよいでしょう。

「be deep in debt」は”借金で首が回らない”の意味

「be deep in debt」は、”借金で首が回らない”を意味する英語です。

「be deep in」は「浸る」(ひたる)の意味を持ちます。「be deep in dept」を直訳すると「借金に浸る」となり、「首が回らない」と同じ「借金があってどうしようもない」の意味として使うことができます。

まとめ

「首が回らない」は、借金などで「お金のやりくりがこれ以上できない」と言う状態を表すネガティブな言葉です。「首が回らない」の言葉を使わずに済むように、必要以上にお金を使いすぎないことや、支出の計画を立てる・貯蓄をするといったことを日頃から心がけておきたいものです。