「矛盾」の意味と使い方とは?語源になった話も紹介【例文つき】

漢文の授業で習う「矛盾」という言葉。日常でも使うのでなんとなく意味を理解している人は多いですが、正しく使えているでしょうか。実は「矛盾」には、複数の意味があります。今回は「矛盾」の正しい意味や使い方を紹介します。「矛盾」の語源となった話も紹介していますので、学生時代を思い出しつつ読んでみてください。

「矛盾」の意味とは?

「矛盾」とは「つじつまが合わないこと」

「矛盾」とは、片方では肯定しているのに、もう片方では否定しているなど、話のつじつまが合わないことを意味する言葉です。

例えば、「Aさんは今北海道にいます」と「Aさんは今沖縄にいます」という2つの文は、話が食い違っており、つじつまが合っていないため、「矛盾している」と言います。

「矛盾」は論理学の用語でもある

論理学の用語でも「矛盾」という言葉があります。伝統的論理学では、2つの概念が、同じ物事を同じ視点と同じタイミングで見ているにも関わらず、片方の概念では肯定し、もう片方の概念では否定する場合の、2つの概念の関係性を言います。

この他にも「矛盾」には、「矛(ほこ)と盾(たて)」という意味もあります。

「矛盾」の語源

矛盾は「韓非子」に書かれた話が元になった故事成語

「矛盾」の語源となった話は、中国の戦国時代の文献である「韓非子」に書かれています。「韓非子」は、「韓非」という人が権力の扱い方や、「法」の必要性を説いたものです。

「韓非」は、「矛盾」の話をしながら、儒教の考え方で国を統治しようとしている人々の主張が、つじつまが合っていないことを説明しました。

中国で起きた出来事から生まれた教訓のことを故事成語といい、「矛盾」は代表的な故事成語の1つです。

「矛盾」の語源となった物語

楚という国に、矛と盾を売るものがいました。売り物の盾を褒めて「この盾はとても堅いので、貫くことができるものはありません。」と言いました。そしてまた、売り物の矛も褒めて「この矛は鋭くて、貫けないものはありません。」と言いました。

それを聞いたある人が言いました。「では、その矛でその盾をついたら、どうなるのですか?」矛と盾を売っていた人は答えられませんでした。

「矛盾」の使い方と例文

「矛盾」は結果が出る前に使うのが一般的

「矛盾」は、仮定や予想で話をしている場面で起きることが多いです。「どんなものでも貫く矛」というのは、世界中のものを貫いてみて確認したわけではなく、そのくらい鋭い矛だろうと予想したものです。

矛と盾で言えば、実際に矛で盾を貫いてみれば、結果が出ます。結果が出れば、「どんなものでも貫く矛」と「どんなものでも貫けない盾」のどちらかが間違っていることがわかります。

結果が出た後は、つじつまが合っていない「矛盾」というよりも、片方が間違っていたと言うべき場面になります。このように、「矛盾」は結果が出ていない場面で使うことが一般的です。

「矛盾」は日常の食い違いでも使う

「矛盾」は論理的につじつまが合っていない時に使う言葉ではありますが、日常のちょっとした食い違いにも使われています。例えば、「彼はいつも暑いと言っているのに、いつもジャケットを着ていて、矛盾している。」という場合です。

この例文では、「暑い」のに「厚着をしている」という点が食い違っています。矛と盾は、結果が出れば、どちらかが間違っている文でしたが、この例文では必ずしもどちらかが間違っているわけではありません。もしかしたら、仕事でジャケットを着なければならないから、いつも暑いと言っているのかもしれません。

このように、ちょっとおかしいと感じたことを「矛盾している」と表現する使い方もあります。

「矛盾」の例文

  • 今朝は、夜に予定があると言っていたのに、夕方になると暇だと言っていて矛盾している。
  • 上司がよく、「丁寧に急いで仕事をしなさい」というが、私には矛盾しているように感じる。
  • 寒いと言いながら薄着をするなんて、発言と服装が矛盾している。

「矛盾」の類語は?

「矛盾」の類語は「撞着」「背反」

「矛盾」の類語に「撞着」があります。「撞着」は「どうちゃく」と読み、「つじつまが合わない」という意味と、「突き当たる、ぶつかる」という意味があります。

また、「背反」も「矛盾」の類語です。「はいはん」と読み、「食い違う、相容れない」という意味と、「従わなければならないものに背く」という意味があります。

「矛盾」を英語で表現すると?

「矛盾」は英語で「contradiction」

「矛盾」は英語で、「相反する」という意味の「contradiction」です。また、「矛盾している」という動詞の場合は「contradict」になります。

この他にも、「一貫性がない」という意味の「inconsistency」や、「対立している」という意味の「conflict」を使うこともできます。「矛盾」という状況に応じて使い分けましょう。

まとめ

「矛盾」とは、つじつまが合わないことを意味する故事成語です。中国の「韓非子」に書かれた「どんなものでも貫けない盾」と「どんなものでも貫ける矛」の話が由来と言われています。日常のちょっと食い違った場面でも使われることもありますので、ぜひ意味を覚えておきましょう。