「藍より青し」の意味と使い方とは?語源と中国語・英語表現も解説

社会人としてキャリアを積んでいくと、たくさんの部下を持つようになりますが、中には素晴らしい資質と努力を重ね、先輩や上司を超える人もいるでしょう。まさに「藍より青し」と言ったところでしょうか?

早速「藍より青し」の語源と意味をはじめ、言葉の使い方と例文、また中国語と英語表現について解説しましょう。

「藍より青し」の語源と意味は?

「藍より青し」の意味は”弟子が師匠の才能を超えること”

「藍より青し」の意味は、“弟子が師匠の才能を超える・教え子が先生より優れる”です。

「藍より青し」はものごとを教える立場にある師匠の技量や学識などの力量を超えることをたとえたことわざですが、語源の「青は藍より出でて藍より青し」の意味である「染料に用いる藍草は、布に染めると、原料の藍草より鮮明な青になる」ことになぞらえたものです。

加えて、弟子が鍛錬し師匠を超越することは、恥ずべきことではなく、むしろ望ましく誇りであるという意味も持ち合わせています。

「藍より青し」の語源は名言”青は藍より出でて藍より青し”

「藍より青し」の語源は勧学篇の言葉青は藍より出でて藍より青し”です。「勧学」は中国・戦国時代の有名な儒学者である「荀子(じゅんし)」が説いた学問で、おもに「学びと努力の偉大さ」についてまとめたものです。

荀子は歴史の残る多くの成語を残しましたが、中でも「青は藍より出でて藍より青し。氷は水これをなして水より寒し」は有名でしょう。

また、荀子は「人は終生に渡り学び続けることで、自己の改善をしなければならない」と説いた上で「信頼のおける師匠の下で学ぶことは重要であり、かつ正しい礼儀を知る弟子でなければならない」と加えています。

「藍より青し」の使い方と例文とは?

「藍より青し」の使い方と例文をみてみましょう。

「藍より青し」は教え子や部下を誇らしく思うことでもある

上司である限り「部下には超えられたくない」また「超えられたら恥ずかしい」と心のどこかで思うことも正直あるでしょう。もちろん、部下の方が優れている場合、上司の立場や権限が危うくなってしまうと心配すらしてしまうこともあるかもしれません。

「藍より青し」は弟子が師匠より優れていることを表す言葉ですが、職場で「藍より青し」を使う時は「恥」ではなく、「部下に越されたことを誇りに思うくらいの気持ち」をもって使いましょう。

部下が自分を超えてくれたのは「良き師匠ありき」であったからである認識すれば、「部下に越されたこと」は喜ばしいことでもあるのです。

「藍より青し」を使った例文

「藍より青し」を使った例文を挙げてみます。

  • 部下のAはひよっこだったが、今では「藍より青し」で私を超える勢いだ。
  • 「藍より青し」と言うが、先生を超えるのは相当な努力が必要ではないか?
  • 教え子の多くが「藍より青し」で、私の技術力を超えるレベルに達している。

「藍より青し」の中国語や英語とは?

語源でもある荀子の母国語「中国語」での表現と、国際化を意識して「英語」での表現を見てみましょう。

「藍より青し」の中国語は”青出於藍”または”青出于蓝”

中国語で「藍より青し」は「青出於藍」または「青出于蓝」と表記し、どちらも「青は藍より出でて藍より青し」の意味で日常的に使われています。現在でも、中国で最も知られる思想家の教えはしっかりと生活やビジネスシーンで根付いているのでしょう。

「藍より青し」の英語表現はおもに2つ

「藍より青し」を表す英語表現は、生徒が先生より優れるという意味の「The student might surpass the teacher」や、いつの日か生徒は先生になる(教え子が教える立場になる)ことを表す「The student will become the teacher one day」などが最もわかりやすいでしょう。

もし、「藍より青し(青は藍より出でて藍より青し)」をそのまま直訳し、比喩的に会話や文章に用いたい時は「Blue dye comes from the indigo plant, and it comes out bluer than indigo」となります。文学的な雰囲気のある場面では、この文章を用いた上で、「One of my subordinates has surpassed me(部下が上司である私を超えたよ)」などのように加えてみて下さい。

まとめ

「藍より青し」は中国の儒教学者・思想家である「荀子」の勧学における名言の一つで「青は藍より出でて藍より青し」から「弟子が師匠の才能を超えること」を意味する言葉として確立したことわざです。

「荀子」の「自己を改善する学びは一生涯をかけ、正しい礼儀をもって師匠から教わるべき」という教えに通じるのが「藍より青し」とも言えます。

職場では上司と部下、また先輩と新入社員などの「師弟関係」において使うことができますが、教える側としては弟子が「藍より青し」となるように、情熱を傾けていきたいですね。