「理不尽」の意味は?類語「不条理」との違いや対義語・英語表現も

「理不尽」という言葉は聞いたことはあっても使ったことはない、という人は多いかもしれません。今回は「理不尽」の意味や使い方どをわかりやすく解説します。「理不尽」の類語である「不条理」との違いや対義語、「理不尽な人」「理不尽極まりない」などの言い回しについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。



「理不尽」の意味と読み方

「理不尽」の意味とは「筋が通ってないこと」

「理不尽」という言葉は、物事の道理を「おかしい」と感じたときに使う言葉です。「理不尽」には「筋が通っていないこと」という意味があります。

人や企業などの考え方や対応に納得がいかず、その理由が「一般的に考えて筋道が通っていない」と感じたときに、「理不尽」という言葉が当てはまることが多いようです。

理は「筋道」、不は「~しない」、尽は「終わる」という意味で、「筋道を終えられない」という意味があり、日常では「筋道が通らない」と解釈して使われています。

「理不尽」の読み方は「りふじん」

「理不尽」はそれぞれの漢字を、そのまま音読みすれば正しく読むことができます。「理不尽」は「りふじん」です。

音読みとは、読んだだけでは意味が通じにくい読み方、訓読みとは、読んだだけでおおよその意味が通じる読み方です。

「理不尽」の使い方と言い回し

「理不尽」ネガティブな意味で使う言葉

「理不尽」という言葉は、日常生活やビジネスシーン、テレビやニュースなどさまざまな場面で使われていますが、いずれの場合も良い意味では使われません。「理不尽」は、ネガティブな意味でのみ使う言葉です。

人の言動に対して「理不尽」を使う場合は、その人の考え方ややり方、またはその人自体を非難する意味で使われます。企業や団体、国など個人以外に使う場合も、相手側の考え方ややり方に納得がいかず、非難する気持ちを表す手段の一つとして「理不尽」という言葉を使うことが多いでしょう。

人を指す場合は「理不尽な人・理不尽な上司」

「理不尽」という言葉を人に対して使う場合は「理不尽な○○」という形で使われることが多いようです。

「理不尽な人」とは、世間一般的な視点から見て、その人の言動が自分勝手または横暴など筋道が通っておらず、その人に賛同する人は極めて少ないだろう、と考えられる人のことを指します。

「理不尽な上司」も同様で、上司と言えども看過できない言動を繰り返す人や、自分に都合の良い考え方で部下を扱う人を指すことが多いでしょう。

物事を表す場合は「理不尽なクレーム・仕事」

「理不尽」は人以外の物事についても使うことができます。「理不尽なクレーム」「理不尽な仕事」など、「理不尽」のあとに物事の名詞を付け加えて、一つの言葉にする言い方です。

「理不尽なクレーム」とは、要望が度を越していたり、考え方が自己中心的で企業として対応しきれない、と感じるクレームのことです。企業側に非があったとしても、客の要望が筋違いであったり、常識を大きく逸脱している場合に使います。

「理不尽な仕事」とは、自分が納得がいかないだけでなく、さまざまな角度から考えてみても、どうしても理解ができない仕事のことです。誰の役にも立たない、意味がないと感じる仕事や、どう考えても自分の役割ではない仕事を押しつけられることも含まれます。

大きな不満を表す「理不尽極まりない」「理不尽すぎる」

「理不尽」という言葉自体が、納得がいかない、不満に感じる、という意味を持っているので、通常の不満であれば「理不尽」という言葉だけで足りるはずです。

しかし、相手の言動や、企業や団体のやり方が大きく筋道を外れており、「理不尽」と感じる気持ちが強い場合には「理不尽極まりない」または「理不尽すぎる」という表現をすることもあります。

「極まりない」とは、「最高点に達する」という意味です。そのため「理不尽極まりない」とは、「理不尽と感じる気持ちが最高点に達する」という意味で、大きな不満を表します。

もしくは、物事が過剰であることをしめす「~すぎる」を使って、「理不尽すぎる」とすることもできます。「理不尽すぎる人」「理不尽すぎる対応」などと使って、いかにその人や物事に納得がいっていないかを表す言葉です。

「理不尽」の類語と対義語

類語「不条理」の違いは「人」と「環境」

「理不尽」には「筋違い」「道理に合わない」などのさまざまな類語がありますが、その中に「不条理」という、「理不尽」ととても良く似た言葉があります。

「不条理」とは「戦争がなくならない不条理な世界」「現代の風潮が作り出した不条理な環境」など、誰が原因、何が原因とは言い切れない理由によって生まれた、筋の通らない環境や状況を表す言葉です。

「理不尽」は、先に解説したように「理不尽な人」「理不尽な企業」などと、筋が通っていない人や物事を限定して表します。

「不条理」も、筋が通っていない、道理としておかしい、という意味があり、その点では「理不尽」と同じです。しかし、「不条理」は基本的に「自分ではどうしようもないことによって作られた環境」「誰のせいとは言い切れないことが原因でできあがった、筋の通らない境遇」、というニュアンスがあります。

「理不尽」の対義語は「正当」「道理にかなう」

「理不尽」の対義語は「筋道に合っている」「言動や考え方に納得ができる」という意味を持つ言葉です。日常生活で比較的使いやすいのは「正当」「道理にかなう」などでしょう。

「正当」とは、「正当なやり方」「正当な手続き」などにも使われる言葉で、一般的に誰もがそれを正しい、と感じることができるやり方や考え方を指します。

「道理にかなう」も同様で、一般的な視点で考えたときに、そのやり方や考え方に賛同できる人がほとんどだ、と思うことができるものです。「彼の考え方は道理にかなっている」「道理にかなったやり方をすれば問題ない」などと使われます。

「理不尽」の英語・中国語表現

「理不尽」は英語で「It’s not fair」

「理不尽」は、言い換えれば「公正ではない」と言うこともできます。英語で「理不尽」を表す場合は、「公正ではない」という意味を持つ「It’s not fair」を使います。

「公正・公平」という意味の「fair」に、否定の「not」、主語の「It’s」をつけて「It’s not fair」です。

他にも、「理にかなわない」という意味の「unreasonable」を使って、「理不尽」を表すこともできます。

「理不尽」は中国語で「无理」

「理不尽」を中国語で伝えたい場合は、「道理がない」という意味を持つ言葉を使います。それが「无理」です。

「无理」の二文字で「理不尽」と同じ意味を表し、「无理」の後に文字を加えて、「无理要」で「理不尽な要求」、「无理的」で「理不尽な様子」などの意味にすることができます。

まとめ

「理不尽」という言葉は、人や物事の言動ややり方に納得がいかず、不満を持つ状態を表す言葉です。「理不尽」を使えば、ネガティブな感情を一つひとつ言葉にすることなく、筋道に外れていることに憤りを感じている、という負の感情をコンパクトに表すことができます。ぜひこの機会に「理不尽」を語彙に含めて、筋道に合っていないと感じる人や物事を「理不尽」という言葉で表してみましょう。