「月に叢雲花に風」の意味と使い方とは?類語と英語表現も解説

月見の夜、饅頭を片手に空を見上げるも雲がかかってしまい、美しい姿が見えなくなってしまった経験はありませんか?また、満開を花を楽しむも風が吹き、飛び散ってしまったということはありませんか?これが「月に叢雲花に風」です。

ここでは「月に叢雲花に風」に着目し意味や使い方を中心に解説をしています。ぜひ参考にしてみて下さい。

「月に叢雲花に風」とは?

「月に叢雲花に風」の意味は”好事には邪魔が入りやすい”

「月に叢雲花に風」の意味は、“好事には邪魔が入りやすい”です。良いものごとに限って何らかのトラブルや障害物に見舞われ、思うように事が進まない様子を表しています。

「月に叢雲」は「名月には雲が群がり積もり、なかなか見ることができない」、また「花に風」は「待ちに待った満開の時期に風が吹き、花が散ってしまう」ことを意味し、「良いところで良き予想が悪い方へ転回してしまう様子を表す言葉となります。

「月に叢雲花に風」は良いことが思うように行かない時に使う

比喩的な表現を2つ使ったことわざ「月に叢雲花に風」は、日常生活や職場で「良いことが思うように行かない」時に使うのがベストです。

たとえば、長期に渡り待ちかねていたビジネスチャンスを寸前で邪魔されたり、祝福すべき誕生日の日に恋人に別れを告げられる、というように、「好事」に何かしらの邪魔が入り、思惑に反してしまうことが「月に叢雲花に風」です。

「月に叢雲花に風」を使った例文

「月に叢雲花に風」を使った例文をいくつか挙げてみましょう。

  • 月に叢雲花に風か、イベントのフィナーレで主役に欠席されてしまった。
  • 婚約後に相手の親戚から猛反対を受けた。まさに月に叢雲花だと言えるかもしれない。
  • 月に叢雲花に風とまではいかないが、売上トップの商品に欠陥が見つかってしまった。

「月に叢雲花に風」の類語と対義語とは?

「月に叢雲花に風」と言い換えのできる類語と、反対の意味を示す対義語についてみてみましょう。

「月に叢雲花に風」の類語は”好事魔多し”や”花に嵐”

「月に叢雲花に風」の類語は良いことに限って邪魔が入りやすいという意味の「好事魔多し」「花に嵐」となります。

「花に嵐」は「花=良いこと」「嵐=邪魔なもの」に見立て、比喩的に表現したことわざで、花が美しく咲き誇ると、とかく激しい風が吹き、花を飛ばしてしまうことをたとえた表現です。

また、ものごとが良い方向へ向いたと思った途端に邪魔が入ること「そうは問屋がおろさない」も、口語でよく使われる類語と言えるでしょう。

「月に叢雲花に風」の対義語は”順風満帆”や”一路順風”

「月に叢雲花に風」の対義語にあたる正式な言葉はありませんが、反対の意味で「ものごとが阻害されず順調に進むこと」というように考えると「順風満帆(じゅんぷうまんぱん)」「万事順調(ばんじじゅんちょう)」、また「一路順風(いちろじゅんぷう)」が挙げられます。

口語的な表現で考えるなら「とんとん拍子」も対義語として妥当でしょう。

「月に叢雲花に風」の英語表現とは?

「月に叢雲花に風」の英語表現について紹介します。直訳せず、上手に英語訳を仕上げるとこうなります。

英語では「薔薇のトゲ」を比喩的に使う

「月に叢雲花に風」を英語にすると、いくつかの表現が考えられますが、最もシンプルに瞬時に意味を伝えるなら、「良いことには邪魔が入るものである」を比喩的に「美しいもの(良いこと)にはトゲがある(邪魔なもの)=Roses have thorns」とするのがよいでしょう。

「月に叢雲花に風」の英語例文

ビジネスシーンでも良いところで邪魔が入って、思った通りに行かないこともあるでしょう。そのような時に「Roses have thorns」を使って比喩的に表現します。

  • 月に叢雲花に風とも言うべきか、彼女に新しい恋人ができてしまった。
    It was like roses have thorns. I lost my girlfriend over her new boyfriend.
  • ビジネスは順風満帆がいいに決まっている。月に叢雲花に風はご免だ
    Nobody likes our business turning in roses have thorns but nice smooth.

まとめ

「月に叢雲花に風」は古風で文学的なニュアンスが漂う独特な表現です。普段の生活で使われることはあまりないかもしれませんが、言葉を使うに正しいシチュエーションは多くあると思います。

ビジネスシーンでも「せっかく良いところだったのに…」と邪魔や横入りにガッカリしてしまうこともありますが「月に叢雲花に風の時もあるだろう」と気持ちを入れ替えるのも大切です。

会話を楽しむには他の人が使う表現を真似るよりも、オリジナル感の出る独自の言い回しを使った方が面白いと思いませんか?ぜひ「月に叢雲花に風」をご自身のボキャブラリーに追加してみて下さい。