「その旨」の意味とは?使い方や類語を紹介(例文付き)

要点を簡潔に伝えるのに便利な「その旨」という言葉ですが、使い方には注意が必要だと知っていますか?「正しい使い方を知りたい」「その旨とは何を指しているのか知りたい」という方に向けて、「その旨」の意味や正しい使い方を説明します。例文も紹介するため、参考にしてください。

「その旨」の意味や読み方とは?

「その旨」の意味は”そのような内容”

「その旨」とは「そのような内容」や「そのような話」を意味する言葉です。「旨」が「物事の重要な部分」や「物事の内容」を意味しており、直前に話した内容を指す状況で使用されます。

例えば、「台風の影響で、明日の仕事はなくなりました。その旨を○○さんに伝えておいてください」という文章。上記の例文の場合、「その旨」の部分に「台風の影響で明日の仕事がなくなった」が当てはまります。

読み方は「うま」ではなく”むね”

「その旨」の読み方は“そのむね”です。「そのような内容」という意味で、要点を簡潔に伝えるシーンで使用される「その旨」という言葉。「旨」という漢字は”うま”とも読めるため、「そのうま」と読まないよう注意してください。

「その旨」の使い方とは?

上司など目上の人へも使える

「その旨」は上司や取引先の担当者など、目上の人へも使用できます。目上の人へ使用する場合は、「その旨」の前後の言葉を丁寧な敬語表現へ変換して使用してください。ビジネスシーンでも多く使用されるため、覚えておきましょう。

「その旨」を”そのご旨”とは言わない

上司などの目上の人へ使うからと言って、「その旨」を「そのご旨」とは表現しません。「旨」に接頭語の「御」がついた「御旨」という言葉はありますが、「ごむね」ではなく「ぎょし」と読み「お考え」という意味で使われます。

「旨」という言葉単体は、目上の人へ使用しても失礼とならないため、「ご旨」を使用しないように注意しましょう。

「その旨」の使いすぎに注意!

要点を簡潔に伝えることができる「その旨」という言葉ですが、いくつかの話をしたあとに「その旨」を使用するのは避けましょう。「その旨」が何を指しているのかが分かりづらく、相手が混乱してしまったり、間違った情報を共有してしまったりする可能性があります。

「その内容を承知した」を意味する”その旨承知いたしました”

「その旨」の使い方の1つが、「その旨承知いたしました」です。直前まで話していた内容に対し、「承知しました」と伝えるシーンで使用できます。例えば、「提出の期限は今月末だから、よろしくね」と言われたことに対し、「その旨承知いたしました。明日中には提出できますので、よろしくお願いいたします」と使います。

「その内容を伝える」を意味する”その旨伝えます”

「その内容を伝えます」を意味する「その旨伝えます」という言葉。直前まで話していた内容を、「他の人に伝えます」と相手に言うシーンで使用されます。例えば、「商品の使い方についてお聞きしたいのですが」と、購入者から問い合わせがあったシーンで「責任者にその旨伝えた後、こちらからご連絡させていただきます」と使えます。

「その旨」を使った例文とは?

「その旨ご了承ください」の例文

相手に「了承してください」と求める場面で、「その旨ご了承ください」が使えます。例えば、「雨天の場合はやむなく中止といたしますので、その旨ご了承ください」という文章。上記の場合、「雨天の場合は中止」という点を「その旨」が指しています。

「メールが届きましたらその旨返信ください」の例文

相手に『メールが届いたら「届いた」と一報ください』と連絡を求める場面で使われます。例えば、「こちらのメールが届きましたら、確認のため、その旨返信ください」という文章。

上記の文章では、「メールが届いたかどうか」という点を「その旨」が指していることになり、「届きました」と返信します。

「感謝の旨」の例文

「感謝をしているという内容」を意味するのが、「感謝の旨」です。例えば、「○○様には先日大変良くしていただいたので、是非とも感謝の旨をお伝えください」という文章。上記の例文の場合、話をしている相手ではない第三者に向けた、お礼の文章となります。

「欠席の旨」の例文

「欠席するという内容」を意味するのが、「欠席の旨」です。例えば、「体調が悪く明日の集まりには行けそうにないので、幹事の方に欠席の旨お伝えください」という文章。上記の例文は、話している相手に対し「幹事の人に欠席すると伝えてほしい」とお願いする文章となります。

「その旨」の類語とは?

類語は「その内容」や「今話した内容」

「その旨」の類語には「その内容」や「今話した内容」が当てはまります。「その旨」が堅苦しく感じるシーンでは、「その内容」や「今話した内容」に置き換えましょう。ただ、ビジネスシーンなど、かしこまったシーンでは「その旨」が適しているため、状況に応じて使用してください。

「その旨」の英語表現とは?

「その旨」の英語表現は”to that effect”

「その旨」を英語で表現したのが“to that effect”です。「effect」には、「要点」という意味があります。例えば、「inform someone to that effect」という文章だと、「その旨を人に知らせる」という意味になります。

まとめ

「その旨」とは、「そのような内容」を意味する言葉で、要点を簡潔に伝えたいシーンで使用されます。ビジネスシーンでも使用される便利な言葉ではありますが、要点がいくつもある中での使用や、繰り返し使うことは避けましょう。「その旨」がどこの部分を指しているのか分からなくなり、相手を混乱させてしまうことに繋がります。「その旨」が堅苦しいと感じる場合は、「その内容」や「今話した内容」などの類語に言い換えてください。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。