「ずつ」の意味とは?漢字や英語・類語に「づつ」との使い分け方

「ひとつずつ」なのか、それとも「ひとつづつ」なのか、つい迷ってしまう「ずつ」の書き方。その正しい使い分け方はあるのでしょうか。

そこで「ずつ」の意味から漢字での書き方、英語や「少しずつ」や「ひとりずつ」の類語表現に併せて、「ずつ」と「づつ」の使い分け方について解説します。



「ずつ」とは

「ずつ」とは「同じ量を割り当てること」という意味

「ずつ」の意味は「ある数量を均等に割り当てること」です。

文法的には副助詞になり、必ず分量を表す語の後に付けて使います。

例文:
「一本ずつ鉛筆を配る」
「半分ずつに分ける」
「1チーム10人ずつに分ける」

「ずつ」は「ある事柄を繰り返す」という意味

また「ずつ」には「ある事柄を同じ分量だけ繰り返して行う」という意味もあります。

例文は次のようになります。

「本を1ページずつめくる」
「少しずつ読み進める」
「全員が一度に選ぶことはできない。ひとりずつ選ぶことにしよう」

「ずつ」を漢字でどう書くの?

「ずつ」は漢字で「宛」

「ずつ」は漢字で「宛」と書きます。

「宛」という漢字は、たとえば手紙の受取人の氏名を指す「宛名」(あてな)に使われますが、この「宛名」の意味を詳細に言うと「ある特定の名前に割り当てること」です。「ずつ」に「宛」という字があてられる場合も、同じ意味になります。

「宛」の使い方と例文

「ずつ」はひらがなで「ずつ」としたほうが一般的ですが、法的書類などには漢字の「宛」(ずつ)が使われています。例えば、契約書類、合意書などが一例です。また金融関係の書類にも「ずつ」に「宛」をあてているのがよく見られます。

例文:
「毎月金○○万円宛支払う」
「署名押印のうえ、各一通宛所持する」

「ずつ」の英語表現

「同じ数量を割り当てる」の意味なら「each」

「同じ数量を割り当てる」という意味の「ずつ」には、「each」が使われます。

例えば「ひとり100円ずつ」という意味なら「100 yen each」のように使います。

例文:
“The tickets are 1000 yen each.”「チケットは1枚1000円」

「ひとつずつ」なら「one by one」

「ひとつずつ」や「一人一人」を英語では「one by one」や「one at a time」という表現が使えます。

例文:
“I gave an ice cream to the children one by one.”「子供たちにアイスを一つずつあげた」
“The applicants enter the room one at a time.”「候補者は一人一人部屋に入る」

「少しずつ」なら「little by little」

同じ分量を繰り返す意味の「ずつ」を使った言い方に「少しずつ」がありますが、「少しずつ」は英語で「little by little」です。「少しずつ」何かをしたり、「少しずつ」何かの量を増やしたり減らしたりするときなどに使えます。

例文:
“I have got used to do it little by little.”「少しずつ慣れてきた」
“She gives water to the flowers little by little.”「彼女は花に水を少しずつやる」

「ずつ」の類語表現

「少しずつ」の類語は「緩やかに」など

「段階的な方法で少量ずつ増やしたり、わずかな距離を断続的に進む」という意味なら、次のような類語があります。

  • 「緩やかに」
  • 「徐々に」

「ひとりずつ」の類語は「各人」や「順番に」

「一人ずつ順番に」という意味で使われる「ひとりずつ」には、次のような類語があります。

  • 「一人ずつ」
  • 「一人一人」(ひとりひとり)
  • 「各人」(かくじん)
  • 「順番に」

例文:
「一人ずつ飴を配る」
「一人一人に名前を聞いた」
「帰路は各人の責任でそれぞれ帰ってほしい」
「順番に用紙を配っていった」

「ずつ」と「づつ」の違いと使い分け

内閣告知によれば「ずつ」と「づつ」のどちらも正しい

「ひとつずつ」なのか「ひとつづつ」なのかと迷ってしまう「ずつ」と「づつ」の使い分けですが、昭和61年の内閣告知によればどちらも正しいということになっています。

「ず」を使うことが本則だが「づ」を使うこともできるという主旨のもので、「ずつ」と「づつ」の両方を使えると定義しています。

小学校やNHKでは「ずつ」を使う

しかし小学校では「ずつ」を使うように指導していますし、NHKでも「ずつ」が使われていて、「づつ」は使われていません。

つまり内閣告知による「本則では「ず」である」という点が重視されています。

迷った時は「ずつ」を使おう

このように見てくるとわかってくることは、「づつ」でも間違いではないものの、「ずつ」を使った方が無難だということです。

また一つの文面では「ずつ」を使い始めたら、最後まで「ずつ」だけを使うように統一するのがいいでしょう。

数少ない現代まで生き残った歴史的仮名遣い「づつ」

ではなぜ「ずつ」を使うことが本則だとしつつも、「づつ」も使えるという曖昧な定義づけなのかというと、歴史的仮名遣いだった「づつ」が現代でも定着しているからです。

昭和21年に、歴史的仮名遣いである「づつ」は現代仮名遣いとして「ずつ」に変更することになりました。

ところで歴史的仮名遣いとは「蝶」のことを「てふてふ」と書くなど、現代仮名遣い以前の表記法です。

「てふてふ」のように歴史的仮名遣いは使われなくなったはずなのですが、「づつ」は現代になっても使われていて、国もそれを認めたというのが昭和61年の内閣告知の見解です。

「づつ」を誤りとしないといった国の見解は、それほどに「づつ」という表現を違和感なく私たちが使っていたという証でしょう。

まとめ

「ずつ」とはある同じ量を割り当てたり、同じことを繰り返すときに使われる副助詞です。直接、名詞や代名詞の後に続けます。「づつ」と表記するのも間違いでないのですが、現代語仮名遣いは「ずつ」なので「ずつ」を使った方が無難です。