「彷彿」の意味とは?彷彿させる・彷彿とさせるの違いや使い方も

「彷彿」という言葉を使ったことはあるでしょうか。何かを思い出すときに、時々耳にする言葉ではありますが、いざ使ってみようとすると「彷彿させる」なのか「彷彿とさせる」なのか、使い方に迷う人もいるかもしれません。今回は「彷彿」の意味と使い方について、類語や例文、英語・中国語とともにご紹介します。



「彷彿」の意味とは?

「彷彿」には、大きくわけて3つの意味があります。それぞれ紹介します。

「彷彿」の意味1「はっきりと思い出す」

「彷彿」の1つ目の意味は、「はっきりと思い出す」です。例えば「彼の顔は、少年時代の父親の顔を彷彿とさせる。」という文の意味は、「彼の顔を見ると、少年時代の父親の顔がはっきりと思い出された。」という意味になります。

似ているものを見て、昔の記憶をはっきり思い出すことができた場面で使われることが多いです。似ているものは、人や物どちらでも使うことができます。

「彷彿」の意味2「ぼんやりと見える」

「彷彿」の2つ目の意味は、「ぼんやりと見える」です。例えば「小さな灯が、彷彿と空に現れた。」という文の意味は、「小さな灯が、ぼんやりと空に現れて見えた。」という意味になります。あまり多くは使われませんが、覚えておくとよいでしょう。

「彷彿」の意味3「よく似ている」

「彷彿」の意味の3つ目は、「よく似ている」です。現代では「よく似ている」という意味で使われることは少なく、少し前の小説などで使われています。例えば「面影もまた、彷彿たり」という文は、「面影もまた、よく似ている」という意味になります。

1つ目の「はっきりと思い出す」という意味では、似ているものを見て、昔の記憶をはっきりと思い出す場面で使われることが多いとお伝えしました。人が「似ている」と感じる場面では、基本的には似ているものを思い出している状況ですので、1つ目と3つ目の意味を使う場面は、近いと言えます。

「彷彿させる」と「彷彿とさせる」正しいのはどっち?

「彷彿」という言葉を使おうと思ったときに、一番迷うのが「彷彿させる」と「彷彿とさせる」の違いではないでしょうか。ここでは「彷彿させる」と「彷彿とさせる」の違いについて紹介します。

「彷彿させる」と「彷彿とさせる」はどちらも正しい

「彷彿させる」と「彷彿とさせる」は、どちらも使い方として正しいです。「彷彿」は、昔使われた書き言葉である「文語」が残っている使い方と、現代の「口語」としての使い方の両方がある言葉です。

「文語」の使い方としては、「彷彿たり」という言葉があります。「彷彿たり」は、「彷彿たら」「彷彿たり」「彷彿と」などのタリ活用をします。昔使われた言葉ですので、基本的には現在使われていませんが、この中の「彷彿と」という使い方が現代でも残って使われています。

この「彷彿と」に、動詞の「する」を合わせて「彷彿とする」と使います。後ろにつける動詞の「する」を、使役形の「させる」に変えたものが「彷彿とさせる」です。

「口語」の使い方としては、「彷彿する」という動詞があります。「彷彿し」「彷彿する」「彷彿すれ」などの活用をします。「彷彿する」は、使役形にすると「彷彿させる」になります。また、名詞の「彷彿」に動詞の「する」がついた「彷彿する」もあります。

「彷彿する/させる」と「彷彿とする/させる」の使い方

「する」「させる」の違いは「使役形かどうか」

「する」と「させる」の違いは、「使役形」かどうかです。他人に何かをするように仕向けることを「させる」と言います。例えば、「私の仕事を彼にさせる」「子どもを勉強に集中させる」などと使います。

つまり、「彷彿する」は「はっきりと思い出す」ときに使い、「彷彿させる」は「はっきりと思い出させる」ときに使います。

「彷彿させる」と「彷彿とさせる」は意味で使い分ける

「彷彿させる」と「彷彿とさせる」は、基本的にはどちらを使っても間違いではありません。ただし、「彷彿する」の場合は、使い方によっては「と」を入れない場面があります。

例えば、「私は本を読んで過去の時代を彷彿する」という文のように、「を彷彿する」を「はっきりと思い出させる」という意味で使う場面では、「と」を入れないのが一般的です。

「彷彿」の例文

  • かのシェイクスピアを彷彿させる素晴らしい作品だ。
  • 彼が家族について話す笑顔は、仲の良い夫婦を彷彿させた。
  • 映画の世界を彷彿とさせる通りをしばらく歩くことにした。

「彷彿」の類語は?

「彷彿」の類語は「想起」「連想」

「彷彿」の類語は「想起」と「連想」です。「想起」は「過去に経験したことを思い出す」という意味の言葉で、「連想」は「関連のある事柄を思い出す」という意味の言葉です。

「想起」と「連想」は、「彷彿」と同じく「思い出す」という意味の言葉ですが、思い出したきっかけや状況、思い出したものの関係などで、使う場面が異なってきます。状況に合わせて使い分けましょう。

「彷彿とさせる」の英語表現は?

「彷彿とさせる」は英語で「be reminiscent of」

「彷彿とさせる」は英語で「be reminiscent of」と表現できます。例えば「The music is reminiscent of the story.」という文は、「音楽は物語を彷彿とさせる。」となります。

また、「似ている」という意味の「resemblance to」を使うこともできます。例えば「The girl has a strong resemblance to her mother.」という文は「その少女は彼女の母を彷彿とさせる。」と訳すことができます。

「彷彿」の中国語の意味は?

日本語で「似ている」「どうやら」「まるで」と訳す

中国語で「彷彿」と書くと、「思い出す」という意味ではなく、「似ている」「どうやら」「まるで」という意味になります。「似ている」は日本語と同じ意味ですが、「どうやら」や「まるで」は日本語にはない意味ですので、中国語を使う時には注意しましょう。

まとめ

「彷彿」には「はっきりと思い出す」「ぼんやりと見える」「よく似ている」の3つの意味があります。一般的によく使われているのは「はっきりと思い出す」という意味です。使い方としては、「彷彿させる」と「彷彿とさせる」の2つがよく使われており、どちらも正しい使い方です。使いこなせると好印象な言葉ですので、ぜひ使ってみてください。

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kingyo120

国立大学法学部卒。事務職、コールセンターでの勤務経験あり。現在は2児の育児をしながらフリーランスとして活動しています。趣味は料理と裁縫。健康のためにウォーキングに挑戦中です。