「据え膳」の意味とは?「上げ膳」との違いや類語と対義語を解説

「上げ膳据え膳」や「据え膳食わぬは男の恥」など「据え膳」という言葉はときどき使われています。この「据え膳」、実は3つの意味を持っているのをご存知でしょうか。今回は「据え膳」の意味や類語などを紹介します。「上げ膳据え膳」や「据え膳食わぬは男の恥」についても紹介していますので参考にしてください。

「据え膳」の意味と読み方とは?

「据え膳」の意味①”すぐに食べられる状態の食膳”

「据え膳」の意味は、“すぐに食べられる状態に用意されて、前に出された食膳のこと”です。現代では温泉旅館などで見られる光景で、食事がのっているお膳を旅館の方がお客様に出しています。

「据え膳」の意味②”人を働かせて、自分は何もしない”

「据え膳」の意味の2つ目は、“人を働かせて、自分は何もしないこと”です。「据え膳」の1つ目の意味で「すぐに食べられる状態に用意されて、前に出された食膳」とお伝えしましたが、「据え膳」があれば自分は何もしなくても食事をとることができます。

人が働いて用意してくれた食事を、自分は何もしなくても食べることができるという意味が転じて、「人を働かせて、自分は何もしない」という意味として使われるようになりました。

「据え膳」の意味③”女性が男性に言い寄ること”

「据え膳」の意味の3つ目は、“女性が男性に言い寄ること”です。「据え膳食わぬは男の恥」ということわざとしてよく使われています。

「据え膳食わぬは男の恥」以外でも使うことができます。例えば「据え膳だったのに、どうして断ったの?」という会話文では、「女性の方から誘ってきて、後は誘いにのるだけだったのに、なぜ断ったのか?」という意味になります。

「据え膳」の読み方は”すえぜん”

「据え膳」の読み方は、“すえぜん”です。

「据え膳」の使い方とは?

「据え膳食わぬは男の恥」ということわざで使う

「据え膳」は、「据え膳食わぬは男の恥」ということわざで使われることが多いです。「据え膳食わぬは男の恥」は、もともと「出された食事を食べることができないような、好き嫌いがあったり、小食なのは、男として恥である」という意味の言葉だったと言われています。

その言葉が転じて、「女性が男性に言い寄ってきたときに断るのは男として恥だ」という意味のことわざとして使われています。

「上げ膳据え膳」という言葉として使う

「上げ膳据え膳」とは、すべて人にやってもらい、自分は何もしないことを表す言葉です。「上げ膳」は、食膳を片付けることをいいます。

現代では、実家に帰ったときや旅館に宿泊したときなどに、食事の準備などの家事を何もしなくても、すべてやってもらえるという意味で使われることが多いです。

何もしなくていいという意味のため、「楽をしている」と揶揄した場面で使われることもありますが、「出産直後の女性は、上げ膳据え膳でしっかりと身体を休めるべき」のように、必要性を伝える場面でも使われています。

「据え膳」の類語とは?

据え膳の類語①「至れり尽くせり」

「据え膳」の類語には“至れり尽くせり”があります。「至れり尽くせり」とは、すべてに配慮が行き届いているという意味の言葉です。すべてに配慮が行き届いている状態から、自分は何もしなくても困らないという意味も含むことがあります。

「据え膳」の「人を働かせて、自分は何もしない」という意味と似た意味の言葉です。多くの場合、「至れり尽くせりで感謝している」というように感謝の言葉として使われます。

据え膳の類語②「下にも置かない」

「据え膳」の類語には“下にも置かない”という言葉もあります。意味は「非常に丁重に扱うこと」です。「下にも置かない」の「下」とは、「部屋の上座と下座」で使われるように、目下の者が座る場所を指す「下」です。

お客様が何もしなくてもいいほど、「非常に丁重に扱う」という点が、「据え膳」の類語と解釈できます。

「据え膳」の対義語とは?

据え膳の対義語①「上げ膳」

「据え膳」の対義語は「上げ膳据え膳」でも使われている“上げ膳”です。準備をしてある「据え膳」とは反対に、「上げ膳」は食膳を片付けることや、運ぶことを言います。

据え膳の対義語②「自給自足・独立独歩」

「据え膳」の対義語としては“自給自足”“独立独歩”もあります。「自給自足」の意味は、必要なものをすべて自分で用意することです。また「独立独歩」の意味は、何も頼らずに、自分の力だけで、自分の道を進んでいくことを言います。

「自給自足」と「独立独歩」は、どちらも「自分がすべて行うこと」を指す言葉で、「人を働かせて、自分は何もしない」という意味の「据え膳」とは反対の意味です。

「据え膳」の英語表現とは?

「据え膳」は英語で”meal set before one”

「すぐに食べられる状態の食膳」という意味の「据え膳」を英語で表現すると“meal set before one”です。また、「据え膳食わぬは男の恥」を英語で表現すると「It’s a poor sort of man who runs away when a woman offers herself to him.」となります。直訳すると「女性に言い寄られたときに逃げる男は弱い」です。

まとめ

「据え膳」は、「すぐに食べられる状態の食膳」という意味の言葉ですが、転じて「人に働かせて、自分は何もしない」という意味や、「女性から男性に言い寄ること」という意味としても使われています。「人に働かせて、自分は何もしない」という意味では「上げ膳据え膳」、「女性から男性に言い寄ること」という意味では「据え膳食わぬは男の恥」という言葉がよく使われています。場面によって意味することが少し異なりますので、状況に合わせて使い分けましょう。