「登竜門」の意味と読み方は?誤用と言われない使い方と例文

ときどき耳にする「登竜門」という言葉。実は誤用しやすい言葉でもあります。今回は「登竜門」の意味と正しい使い方、類語・対義語も紹介します。また、意外と知られていませんが、「登竜門」の由来となった話は、毎年目にしている、ある魚と強い関係があります。由来の話とともに「登竜門」の意味と使い方を覚えましょう。



「登竜門」の意味と読み方は?

「登竜門」の意味は「立身出世や成功のための関門」

「登竜門」の意味は「立身出世や成功のための関門」です。読み方は「とうりゅうもん」で、出世や成功につながっている試験や審査、賞の受賞などを指します。例えば「作家の登竜門」と言われているのは「芥川賞」と「直木賞」で、受賞者はニュースなどで報じられて有名になり、次回作にも注目が集まります。

もともとは「立身出世や成功のための関門」ではなく、「立身出世や成功のための関門を通ること」を指した言葉でした。現在では、「立身出世や成功のための関門」そのものを指す使い方が多いです。

「登竜門」の由来は中国の後漢書

「登竜門」という言葉は、中国の歴史書である「後漢書」の「李膺伝(りようでん)」に記載されています。

中国には、「竜門」と呼ばれている激しい急流があり、急流のふもとに集まっている鯉は、決して「竜門」を登ることができないとされていました。そして、もし「竜門」を登ることができれば、鯉は竜になれるという言い伝えがありました。

漢の時代に、李膺(りよう)と呼ばれている偉い官僚がおり、その官僚に認められた若い人は皆出世をすると言われていました。李膺に認められることを、竜門を登る言い伝えに例えて「登竜門」と呼んでいたという記述が「後漢書」に残されています。

「こいのぼり」と「登竜門」の関係

日本では、5月5日の「こどもの日」に「こいのぼり」を飾ります。「こどもの日」の正式な名前は「端午の節句」といい、子どもの出世や健康を願う日です。

日本でこいのぼりを飾るようになったのは江戸時代からで、「竜門」の故事にちなんで飾るようになったと言われています。

「登竜門」には誤用が多い?

「登竜門」の誤用と正しい使い方

「登竜門」は、もともとは鯉が「竜門」を登ったことを指す言葉のため、「立身出世や成功のための関門を通ること」を指した言葉で、関門そのものを指す使い方は誤用でした。

芥川賞を例にすると「芥川賞を受賞することは登竜門だ」というのが正しい使い方で、「芥川賞は新人作家の登竜門だ」という使い方は間違っていました。

しかし、現在では関門そのものを指す言い方が一般的となり、誤用とは言えなくなっています。ただし、「登竜門を登る」「登竜門を通る」などの言い方をすると、「登る」や「通る」という言葉が二重に含まれているので、誤用だと感じる人もいます。使う時には注意しましょう。

「登竜門」の例文

  • この試験は、出世の登竜門です。
  • 良い大学に入ることが、エリートへの登竜門だと言われていた。
  • この番組で評価されることが、芸人の登竜門と言われている。
  • 登竜門を目指して、皆が努力をし続けている。

「登竜門」の類語と対義語は?

「登竜門」の類語は「入試」「試験」

「登竜門」と似た意味の言葉は、「入試」や「試験」などです。「登竜門」は、立身出世のための関門として広い範囲で使うことができますが、「入試」や「試験」などは、そのときの状況に合わせて使います。場合によっては「採用面接」や「オーディション」となることもあるでしょう。

「登竜門」の対義語は「点額」

「点額」とは「てんがく」と読み、試験に落ちることを意味する言葉です。「登竜門」のもとになった言い伝えでは鯉が急流を登りきって竜になりましたが、「点額」は、急流を登れずに「額(ひたい)」をぶつけて「点(傷のこと)」がつくという意味の言葉です。

「登竜門」と「点額」は、どちらも鯉が竜門を登るという言い伝えから生まれた故事成語です。

「登竜門」の英語表現は?

「登竜門」は英語で「gateway to success」

「登竜門」は立身出世や成功のための関門という意味ですので、「成功への入り口」という意味の「gateway to success」と表現できます。キャリアに関しての話であれば、「in a career」をつけることもあり、「gateway to success in a career」と表現することも可能です。

また、「成功への第一歩」という意味の「A first step to success」と表現することもあります。

まとめ

「登竜門」は、「とうりゅうもん」と読み、「立身出世や成功のための関門」という意味です。中国の「竜門」と呼ばれる急流を鯉が登りきると竜になれるという言い伝えから生まれた言葉です。もともとは「立身出世や成功のための関門を通ること」を「登竜門」と言っていましたが、現在では関門そのものを指す使い方も一般的になりました。しかし、「登竜門を登る」や「登竜門を通る」という使い方は誤用と感じる人もいますので注意して使うとよいでしょう。

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kingyo120

国立大学法学部卒。事務職、コールセンターでの勤務経験あり。現在は2児の育児をしながらフリーランスとして活動しています。趣味は料理と裁縫。健康のためにウォーキングに挑戦中です。