「祈念」の意味と使い方とは?類語「祈願」との違いも解説

「健康を祈念する」のように使われる「祈念」ですが、単に「祈る」のとはどこか違うような気がしますが、どのような祈りを意味しているのでしょうか。

そこで今回は「祈念」の意味に、同音異義語である「記念」と比べながら正しい発音を解説。さらには「祈念」の正しい使い方や類語である「祈願」との違いなどを紹介します。



「祈念」とは

「祈念」の読み方と意味

「祈念」とは「きねん」と読み、「神仏に願いや目的の達成を祈ること」という意味です。

かつては祈祷のことを指すこともあった「祈念」という語は、特に神仏に対する強い祈りという意味になります。

正しい発音は「祈念」の「き」にアクセントを置く

「祈念」は「き」にアクセントを置き、「ねん」が一音下がるイメージです。

この発音を誤り「ねん」にアクセントを置くようにして、「き」よりも「ねん」を少し高い音にして発音すると、同音異義語である「記念」に聞こえてしまいますので注意しましょう。

「記念」は発音だけでなく意味も違う言葉

ちなみに「記念」は発音だけでなく意味も「祈念」とは異なり、「思い出になるように残しておくことやその物」という意味と、「記憶している人や出来事などを思い出して、何かをすること」という二つの意味があります。

1つ目の意味なら「記念品」や「卒業記念に植樹する」のように使われて、2つ目の意味なら「○○記念祭」や「○○記念式典」のような過去の出来事を思い出す行事などによく使われます。

どちらにしても「祈念」とは全く違う意味の言葉ですから、発音するときだけでなく、表記するときにも間違えないように気をつけましょう。

「祈念」の正しい使い方と例文

一般的にはあまり使われることのなり「祈念」ですが、ビジネスでのかしこまった席やビジネスメールの締めの文などで使われることがあります。

それでは「祈念」の正しい使い方を見ていきましょう。

成功や活躍を願うときに使われる「祈念」

「祈る」という意味の「祈念」ですが、人の成功や活躍など、ポジティブなことを願うときに「祈念」が使われます。

例えば祝賀会や新年会などの祝いの席でのスピーチなどの改まった場で「祈念」が使われます。

例文:
「それでは僭越ながら、わたくし山田太郎が本日の祝宴の締めのご挨拶をさせていただきます。これからも皆様のご健康とご多幸、さらにはご活躍を祈念して、これにてお開きにしたいと存じます。本日はご足労いただきまして、ありがとうございました」

目上の人のお見舞いに使われる「祈念」

療養中の人を見舞うとき、その人が目上の人などで敬意を表す相手に対して、その人の少しでも早い回復を願うときなどに「祈念」が使われます。

「祈念」はあらたまった印象を与える言葉なので、親しい友人などには使いません。

例文:
「○○さんの一日でも早いご回復を祈念いたします」

強い意志表明に使われる「祈念」

絶対に何かを達成したいといった強い願望を表すときに「祈念」が使われます。ただしこの場合も、友人との会話というよりは、ビジネスシーンといったオフィシャルな場で使われます。

例文:
「新プロジェクトの成功を祈念する」
「ますますの貴社のご繁栄を祈念いたします」

メールの締めの文に使われる「祈念」

ビジネスメールなどの締めの文に「祈念」が使うことができますが、「祈念」には相手との距離を保ちつつ相手への敬意を含めたニュアンスとなります。

そのため正式なメールなどで相手の成功や発展などを願う内容のメールを締めるときに「祈念」を使うのがいいでしょう。

例文:
「それでは皆様の一層のご活躍を祈念申し上げます」
「○○様の益々のご発展を祈念いたしております」

「祈念」と類語「祈願」の違い

「祈願」とは「神仏への祈り」という意味

「祈る」という意味で「祈念」に似た言葉に「祈願」があります。

「祈願」も「祈念」と同じように、「目的が達成されますようにと神仏に祈ること」という意味です。

神社などで「試験の合格を祈願する」のように使います。

「祈念」よりも「祈願」の方が宗教色が強い

二語とも「神仏に祈る」という意味では同じなのですが、「祈願」の方が宗教的色合いが強くなります。

先ほどの例のように神社で何かを祈ったり願ったりするときには、「祈念」よりも「祈願」を使うことの方が多いです。

それに対して「祈念」は神仏に限らず、漠然と成功や活躍などを願うときに使われます。

そのため例えば病気をしている人に早く良くなってほしいという意味で「健康を祈念します」と相手に直接かけて言うことができますが、「健康を祈願する」ということはできません。なぜなら相手は神仏ではなく、ましてや宗教とは関係ないからです。

「祈念」の英語表現

「祈念する」は「pray」

「健康を祈念する」や「平和を祈念する」のような文章で使われる「祈念」には、「pray」という動詞が使われます。

ただ英語を母国語とする人が「pray」を聞くと、神を讃えて祈るといったニュアンスを受け取ることになりますので、そのことを承知したうえで使うようにします。

例文:
“I pray for your health.”「あなたの健康を祈念する」
“I pray for peace.”「平和を祈念する」

まとめ

「祈念」とは「成功などを祈ること」という意味です。神仏にその祈りをささげるときにも使われますが、もっと漠然として「成功や目的が達成されることを願う」といった意味でも使われます。

発音を間違えると「記念」に聞こえてしまいますので、正しい発音で使うようにしましょう。