「ごますり」の意味と語源とは?類語や代用表現も紹介(例文つき)

「ごますり」は、自分に利益がくるよう相手を褒めたりするような場面で使われる言葉です。基本的に良い印象は与えないので、使い方を間違えると相手を怒らせてしまう場合もあります。今回はそんな「ごますり」について、意味や語源を例文つきで解説していきます。類語や英語表現、そして中国語で「ごますり」はなんと表現するかも紹介します。



「ごますり」の意味とは?

「ごますり」の意味は「機嫌とり」

「ごますり」は、“人の機嫌をとり自分に利益が来るようにすること”、または“そうしようとする人”を意味します。あくまで自分の利益のために相手の気分を良くしようとするので、たとえ嫌いな人であっても意見を合わせたり、褒めたりします。「ごますり」は本心では思っていない振る舞いをするので、心から敬意を表するような場面では使えません。

「あちこちにくっつく胡麻」が語源

「ごますり」の語源は、すり鉢ですり合わせていく胡麻があちこちに飛び散り、顔や体、テーブルなどに当たってくっついていく様子から来ていると言われています。あちこちにくっつく胡麻を、“自分に利益があれば誰構わず媚びへつらう様子・人”にたとえています。

手を揉むジェスチャーが語源という説も

「ごますり」の語源はもう一説あります。それは商人が手を揉むジェスチャーです。恐縮や相手にへつらうときに思わず両手をもみ合わせる姿が、すり鉢で胡麻をすっている姿と似ていることから来たと言われています。

中国語では「馬の尻をたたく」と表現

日本語の「ごますり」は、中国語では「馬の尻をたたく」という慣用句にあたります。中国北部の遊牧民族が持つ、他人の馬の尻をたたきながら「良い馬ですね」と褒める習慣から来ていると言われています。一家の財産とも言える馬を褒めることは礼儀のようなものなので、すれ違うときは立派な馬ではなくても「素晴らしい!」と一声かけます。この相手の気分を上げようとする行為が、“相手に媚びへつらっている”という「ごますり」と同じ意味で使われるようになりました。

「ごますり」の使い方と例文は?

「ごますり」は嫌みや皮肉を込めて使う

「ごますり」は“相手の機嫌をとり利益を得ようとする行為”、または“そういった人”に対して「お調子者」や「世渡り上手」などの“嫌み”や“皮肉”を込めて使います。先ほども説明したように、心から尊敬している相手を褒める場面では意味合いが異なるため使えません。

「ごますりが必要だ」など、「ごますり」を利益を得るための“手段”として使う場合は、嫌みや皮肉のニュアンスが含まれないこともあります。どちらにせよ、良い意味で使われることはほとんどありません。

「ごまをする」と慣用句でも使う

「ごますり」は、「ごまをする」と慣用句で表現することもできます。「ごまをする」は単語の「ごますり」と違い、現在形から進行形、過去形と変換して使えます。時制が強く関係する表現をするときは、こちらの慣用句の方が自然で使いやすいでしょう。

「ごますり」「ごまをする」の例文

「ごますり」の例文

  • 「先輩はごますり上手だったので出世が早かった」

→先輩は上司の機嫌をとることが上手だったので、すぐに出世した

  • 「ごますりだとわかっているのに、嬉しくなってしまう自分が情けない」

→心から褒めていないとわかっているのに、喜んでしまう自分が情けない

  • 「嘘がつけない僕には、ごますりなどできっこない」

→正直者の僕には、自分が思ってもいないことは利益があってもできない

「ごまをする」の例文

  • 「昔から妹は、ごまをするのが上手だった」

→昔から妹は機嫌とりが上手だった

  • 「同僚が上司にごまをすっているのを見かけた」

→同僚が上司に気に入られようと、お世辞を言っているのを見かけた

  • 「ごまをすったが、契約が決まることはなかった」

→相手の会社を褒めたが、契約には至らなかった

「ごますり」の類語や代用表現は?

「ごますり」の類語は「おべっか」

「ごますり」の類語には“ご機嫌とり”や“お世辞”などいくつかありますが、今回はあまりなじみのない「おべっか」を紹介します。「おべっか」は「ごますり」と同じ “相手の機嫌をとろうとお世辞を言う”といった意味がありますが、“利益を得るために”という意味まではありません。「おべんちゃら」と表現することもあります。

「ごますり」の代用表現は「媚び売り」

「ごますり」の代用表現は「媚び売り」(こびうり)です。意味だけではなく、嫌みや皮肉のニュアンスがあるところも同じで、「媚びを売る」と慣用句で使うこともできます。

「ごますり」の英語表現は?

「ごますり」の英語表現は「suck up」

「ごますり」は、“へつらう”という意味を持つ「suck」を使って「suck up」と表現します。「ごまをする」と表現したい場合は、「suck up to 〇〇」と〇〇の部分に具体的な名前を入れてください。

  • 「私はいつも父親にごまをする」

“I suck up to my father.”

「Brown-noser」など別表現もあり

「ごますり」の英語表現はいくつかあります。ユニークな表現なので、由来と合わせて紹介します。

  • 「Brown-noser」

→他人のお尻にキスをして排泄物が鼻についても、気に入ってもらおうとする様子をたとえています。

  • 「Apple Polisher」

→直訳は「りんご磨き」です。学校の先生の機嫌をとるために、生徒が健康に良いとされているリンゴをツルツルに磨いて渡したことから来ています。

まとめ

「ごますり」は、“自分の利益のために相手を褒めたりして機嫌をとる行為”、または“そういう行為をする人”のことを言います。嫌みや皮肉がこもった場合がほとんどなので使い方には注意が必要です。「ごますり」は日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われる言葉ですので、例文を読みながら意味を理解しておきましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

山下直子

パーティーコーディネーターとして勤務後、10カ国以上でさまざまな文化を体験。帰国してからはライターに転職し、ライフスタイルからビジネスまで幅広く執筆しています。将来は旅をしながら、国際問題の記事も書いていきたいと思っています。