「今しばらく」の意味と敬語の使い方を解説!「少々」との違いも

「今しばらくお待ちください」は、ビジネスメールやご案内で使うことが多い表現ですが、「今しばらく」とはどの程度の時間を表すのでしょうか?また敬語のバリエーションは他にもあるのでしょうか?

この記事では「今しばらく」の意味と、「今しばらくお待ちください」の敬語の使い方や言い換え方について解説します。あわせて類語「少々」「もうしばらく」の意味と、「今しばらく」との違いや英語表現も紹介します。

「今しばらく」とは?

「今しばらく」の意味は”もう少しだけ時間がかかること”

「今しばらく」の意味は、“もう少しだけ時間がかかること”です。「しばらく(暫く)」の前に「今」を付け加えた言い回しです。

「しばらく(暫く)」とは、”それほど時間がかからない(たたない)が、ある一定の時間は経過すること”を表します。そして「今」という言葉には「今少し」というように、”もう少し・ちょっとだけ”という意味があります。

「今しばらく」は、”それほどではないが、もう少しだけ時間がかかります”と相手に伝えたいときに用いる表現です。

また、「今しばらくのご無沙汰でした」とは言わないように、「今しばらく」を自分の行動について使うことはありません。「今しばらく」は、相手に対してもう少し時間が欲しいことを伝える表現です。

メールでの「今しばらく」は”数日かかる”ことを表す

ビジネスにおけるメールのやりとりで、「今しばらくお待ちください」という表現を使うときの「今しばらく」とは、「数日から1週間」程度の時間を一般的に表しているといえます。

「しばらく」とするときは、少なくとも3日から1週間以上のイメージを持つ人が多いといえます。そのため、3日以上かかる見込みの案件については、「しばらく」とするか、およその日数を示すのがよいでしょう。

いずれにしても、メールで伝えるときには、待っていただくことの理由や前後の状況を簡潔に添えることを忘れないようにしましょう。

「今しばらくお待ちください」の敬語の使い方とは?

「今しばらくお待ちください」は正しい敬語ですが、もう少し丁寧に表現したいときもあるのではないでしょうか。次に敬語の使い方のバリエーションを紹介します。

「今しばらくお待ちください」は状況によっては工夫が必要

「今しばらくお待ちください」は、「ください」という、人にそうしてほしいという意を表す丁寧語を用いた敬語表現です。そのため、お客様や目上の人に対して問題なく使える表現ですが、状況によっては「ください」と断定する言い方が一方的な印象を与える懸念があります。より丁寧な表現にしたいときは、次に紹介する、ソフトな言い方を工夫するとよいでしょう。

「お待ちくださいませ/お待ちくださいますようお願いいたします」はソフトな印象

より丁寧でソフトな印象を与えたいときは、「今しばらくお待ちくださいませ」としたり、「今しばらくお待ちくださいますようお願いいたします(申し上げます)」と「お願い」の形にしたりするとよいでしょう。

「お待ちいただけますと幸いに存じます」は謙譲の気持ちを表す

また、状況や相手との関係性によって、より慎重にお待ちいただくことをお願いしたいときには、「今しばらくお待ちいただけますと幸いに存じます」「今しばらくお時間を頂戴したいと存じます」などと謙譲表現にすることができます。一方的に押し付けるような印象を避け、へりくだった気持ちを表すことができます。

「今しばらく」の類語と意味の違いとは?

「今しばらく」と似た表現との違いを紹介します。

「少々」は”今しばらく”よりも短い時間の表現

「少々」とは、分量や程度などが少ないことを表す言葉です。「少々お待ちください」と言うときは、待つ時間が瞬間的に少ないことを表し、一定の期間の長さは含みません。

例えば、電話で少しだけ保留にするときに「少々お待ちください」と言いますが、「今しばらくおまちください」とは言いません。メールでも同様に、「お返事まで少々お待ちください」よりも「お返事まで今しばらくお待ちください」の方が一定の期間という印象を与えることができます。

「しばらく」とは、先に説明したように「それほど時間がかからない(たたない)が、ある一定の時間は経過すること」という意味であるためです。

「もうしばらく」は”さらにもうしばらく”と時間を追加する表現

「もうしばらく」は、「しばらく」に「さらにもうしばらく」と時間を追加する表現です。

「もうしばらくお待ちください」と言うときは、すでにしばらくお待ちいただいている状況において、「さらにもうしばらくお待ちください」と言う表現です。同じ状況で「今しばらく」とするときよりも、長い期間を示す表現です。

「今しばらくお待ちください」の英語表現とは?

「今しばらくお待ちください」の英語表現を紹介します。

「今しばらくお待ちください」は”Please wait for a while.”

「今しばらくお待ちください」の英語表現は“Please wait for a while.”が一般的です。より丁寧にするには「Could (Can) you please wait for a while?」と言います。

「今しばらく」よりも短い時間を表す「ちょっと待ってください」と言いたいときは、「Please wait a moment now.」というように「moment(瞬間)」を使います。

まとめ

「今しばらく」とは、「もう少しだけ時間がかかること」という意味です。それほど長くはないが、ある一定の時間がかかることを相手に伝えるときに使う表現です。

「今しばらくお待ちください」とメールなどに書くときは、一般的には、おおむね1週間未満の「数日お待ちください」という時間の感覚が共有されているといえます。

相手にお待ちいただくことをより丁寧な敬語で表現したいときは、「今しばらくお時間をいただけますと幸いに存じます」「今しばらくお時間を頂戴したいと存じます」などと、直接的な表現を避けたり、謙譲表現にしたりするとよいでしょう。