「係」につけるのは「御中」?「様」?正しい宛名の書き方と消し方

郵便を出す時にふと悩んで手を止めてしまいがちなのが、「係」という言葉が宛名についている時ではありませんか?はたして係は消すのか?消し方は?御中ってつけなくてはいけないのか?今回は係、御中、様などの正しい宛名の書き方消し方について紹介します。

係と書いてある宛名を見かけるのはこんな時

「〇〇係」と書いてある封筒は、社会人以外の人でも見かけたことがあるでしょう。では、「〇〇係」という宛名は、どんなケースで見られるのでしょうか。

就職活動における応募書類の送り先

「係」、「御中」は応募書類の送り先でよく目にする言葉です。

今現在社会人として勤務している人は、就職活動や転職活動の際に履歴書や職務経歴書を郵送したことがあるでしょう。その時に企業の規模が大きければ大きいほど「採用担当係」があるはずです。

就職活動や転職活動を経てきた社会人なら、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

招待状などに同封された返信用ハガキ

祝賀会、同窓会…このような集まりの招待状を受け取ったことがある人は多いはずです。招待状には、返信用のハガキが同封されています。また、通信教育の添削のために出す封筒にも返信用封筒を用いることがあります。

招待状の場合は「出欠確認係」、通信教育の場合は「○○試験添削係」というように、「係」という言葉が使われています。

学校に送る願書等書類の返信用封筒

高等学校、専門学校、大学を受験する際に受験先に送る願書等の書類を送る際にも「係」が使われているのをご存じでしょうか。具体的には、「願書受付係」というように「係」という言葉が使われています。

社会人になる前の学生の段階でも、「○○係」という言葉を目にする機会はあったということです。

懸賞の「プレゼント係」に郵便で応募する時にも

雑誌やテレビ、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの店頭で見かける懸賞にもまた、「○○係」という言葉が使われています。「○○プレゼント係」という形式で、バラエティ番組の懸賞、雑誌の読者懸賞などで見ることができます。

懸賞への応募は、近年ではインターネットやSNSのリプライなどでも受け付けているものもありますが、今だに食料品についている懸賞では郵便での受付が多いのです。

「係行」の場合は直す?直さない?

封筒に「○○係行」と書いてあった場合は、自分で宛名を直す必要があるのでしょうか。それとも直さずにそのまま出してしまってもよいのでしょうか。

直さないで出しても郵便は届く

「○○係行」と書いてある封筒に必要物を入れてそのまま郵便局やポストに出しても、郵便物自体は宛先の住所へ問題なく届きます。郵便局では、郵便番号と住所が確認できれば、郵送するのに十分なのです。

ただ、「○○係行」のままで郵便物を出してしまうと、あなたの社会人としての常識を問われることになってしまいます。

宛名を正しく書けば恥をかかない

宛名を正しく書くことは、ビジネスマナーの一環であり、これができていることが前提である企業も多いものです。特に事務職の場合は、宛名を直して郵送するという作業は必ず発生するでしょう。

事務職以外でも、取引先からの返信用封筒を社員が出すという場面はよくあります。このような時にも正しく宛名を直すことができれば、恥をかくことはありません。反対に、宛名を正しく直せない場合は、「これ誰が出したの?」と送付先で笑われてしまう可能性もあります。

係行の消し方と御中の使い方

「○○係行」という返信用の封筒やハガキがあった場合、「直す」のが正解です。そこで、正しい直し方、消し方について紹介します。

縦書きなら行だけを縦二重線で消す

封筒に縦書きで「○○係行」とある場合には、「○○係行」の「行」の部分のみを消します。消し方は、縦書きの場合は「行」という文字の中央から縦に二重線を引くのです。この時、フリーハンドでも問題はありませんが、定規を使うとよりていねいな印象を与えることができます。

また、縦に二重線を引く場合は、2本の縦線が並行になるように気を付けましょう。2本の線の角度がバラバラだと、送り先に雑な印象を与えてしまうかもしれません。

横書きなら行だけを横二重線を消す

一方で、封筒に横書きで「○○係行」とある場合は「行」の文字の中央あたりから、横線で二重線を引きます。この時も、縦書きの時と同様、2本の線は並行になるように気を付けましょう。また、「係行」のうち、「係」には二重線を引かないので、間違って一緒に消してしまわないようにしなければいけません。

二重線を引く時には、定規を使って線を引くと、二重線の長さを測りながら引くことができるので、2本の線の長さが等しくなり、さらにていねいな印象を与えることができます。

二重線で消した後に御中を加筆する

縦書きでも横書きでも、二重線で「行」という文字のみを消したら、その隣もしくはその下に「御中」という言葉を付け足します。御中とは、宛名が誰かの個人名ではない場合につける言葉です。「〇〇係」とある以上、個人ではありませんから、この場合は「行」を消して「御中」を書き添えます。

御中をつけるのはこんな時

〇〇係と書いてある

よく懸賞などのプレゼント応募で見かけるのが「プレゼント係」「懸賞係」などの「〇〇係」という言葉です。この場合、その企業の中で、プレゼントや景品を送付する担当者が複数名いて、一つの部署として成り立っています。

御中という言葉の性質上、相手が個人ではない時に使用しますから、「〇〇係」とあれば、「個人ではないから、御中を付ける」という考え方で上記のように「二重線+御中」で修正します。

送り先が〇〇部、〇〇課

就職活動で出会うのが初めてという人が多いのが、「〇〇部」「〇〇課」などの企業の部署名宛ての封筒です。たとえば「人事部行」という返信用封筒の場合でも、上記と同じように「行」だけを二重線で訂正し、隣もしくは下部に「御中」と書き添えます。

様をつけて直すのはこんな時

〇〇(個人名)行と書いてある

たとえば返信用封筒に「株式会社×× 企画部 山田一郎行」と書いてあったとします。この場合、企業名+部署名+個人名が混在していますが、注目すべきは最後の部分のみです。

つまり、この例の場合であれば、宛名の最後にある「山田一郎」に注目します。これは個人名ですから、たとえ宛名内に企業名、部署名が入っていても「御中」を使用するのは不適切になります。

行に二重線を引いて様をつける

そもそも「様」とは、宛名が個人名の時に書き添える言葉です。そのため、宛名の最後が個人名なら、「御中」と同じように二重線で訂正し、隣もしくは下部に「様」をつけて直します。

「〇〇係 山田一郎様」とある場合も上に同じです。宛名の修正で迷ったら、宛名の最後の部分が「集団」なのか、「個人」なのかに注目しましょう。集団なら御中、個人なら様を書き添えるのが社会人としての正しいビジネスマナーです。

まとめ

企業に勤めていると、返信用封筒や返信用ハガキを修正して郵送するという仕事はほとんどの人が体験するでしょう。この時、正しく直せないと送り先で「企業が」恥をかくことになりかねません。この機会に宛名の消し方・直し方について学び、社会人レベルをアップさせましょう。