「丁寧」の意味や類語は?対義語や丁寧な断り方・英語表現も解説

「丁寧」という言葉は頻繁に耳にする言葉ですが、その意味をじっくりと考える機会は少ないかもしれません。今回は「丁寧」の意味や類語・反対語などについて解説します。敬語の一つである丁寧語についてもご紹介します。丁寧な断り方や丁寧なお願いの仕方などについても触れていますので、ぜひ参考にしてください。



「丁寧」の意味と語源

「丁寧」の意味は2種類

「丁寧」という言葉は、日常やビジネスシーンなどでも比較的頻繁に使われています。この「丁寧」の意味には「相手の立場や気持ちを考えて、心のこもった対応をする様子」と、「隅々まで注意が行き届いて、落ち度のないことを期待する様子」という、2種類の意味があります。

「相手の立場や気持ちを考えて、心のこもった対応をする様子」とは、自分の言動によって相手が立場上困ることにならないように、相手が嫌な思いをしないように、と自分の都合や気持ちよりも、相手の立場や気持ちに重きを置いて接したり、物事を行ったりする様子のことです。

「隅々まで注意が行き届いて、落ち度のないことを期待する様子」とは、その物事に対して真摯に取り組み、落ち度なく完成させたり、進めて行く様子のことです。

「丁寧」の語源は中国語

元々「丁寧」という言葉は中国の言葉でした。古代中国で、警戒警報に使われていた、楽器の銅鑼(ドラ)のことを「丁寧」と言います。この銅鑼(丁寧)は、軍用で用いていたこともあり、危険が迫ったときに鳴らされていました。そのため、丁寧の音にはみんなが注意深く耳を傾けたと言います。

この、丁寧の音に注意深く耳を傾けたということから、「丁寧」が何かについて注意深く取り組む様子を表すようになったそうです。

「丁寧」の使い方と例文

「丁寧」の敬語・丁寧語は「ご丁寧」

「丁寧」という言葉は「丁寧語」という、言葉の種類にも使われています。丁寧語とは、「お」や「ご」をつけて、その物事をきれいな言葉にして相手へ届けるという、配慮のひとつです。「急ぐ」を「お急ぎ」、「活躍」を「ご活躍」などと言い換えることで「丁寧語」とすることができます。

「丁寧」の丁寧語は「ご丁寧」です。相手が自分のことを思って細やかな心配りでしてくれたことや、気持ちを込めて作成してくれた物などを「ご丁寧」という言葉を使って表すことができます。

  • 「この度はご丁寧なお手紙をいただき、誠にありがとうございました」
  • 「いつもご丁寧な作品をお収め下さるので、大変助かっております」

「丁寧な+名詞」で相手や物事への敬意を表す

「丁寧」という言葉で相手への敬意や物事へ真摯に取り組む様を表す場合は、「な」という助詞を使って「丁寧な」とします。さらに、この「丁寧な」の後に名詞を持ってくることで、その名詞に対する敬意を表すことができます。

  • 「A社の方にとても丁寧な対応をしていただいたので、次回何かお礼をお持ちしようかと思っています」
  • 「田中様は大変丁寧な方なので、こちらも失礼がないように気を付けなければならない」
  • 「もっと丁寧な仕事をしなさい、すべてはそこからです」

「丁寧に+動詞」で物事に対する姿勢を表す

「丁寧」という言葉を自分や誰かの動詞に使うと、その人がその動作に真摯に取り組む様子や姿勢を表すことができます。この場合の助詞は「に」であることが多く、「丁寧に」として、直後に来る動詞を強調します。

  • 「丁寧に生きるとは、毎日、毎分を意識しながら生きていくことなのだろう」
  • 「どんな相手にも彼は丁寧に接するので、とても評判が良い」
  • 「丁寧に仕事をする人は、いつでも充実感に満たされている」

「丁寧」の類語と対義語

「丁寧」の類語は「入念」「如才ない」

「丁寧」と似た意味を持つ言葉はたくさんあります。その中でも特に意味が近いのは「入念」「如才ない」などです。

「入念(にゅうねん)」とは、物事に対して「細かい部分まで注意が行き届いている様子」を表します。ひとつひとつに念を入れるように、注意深く取り組む様子は、「丁寧」と言い換えることができます。

「如才ない(じょさいない)」とは「相手に好感を抱かせる対応ができる様子」です。相手の気持ちを想像しながら、その気持ちを満たすような言動をする人を「如才ない人」などと表します。

「如才ない」は、意味の通り褒め言葉として使われることもありますが、皮肉としても使われることがあり、状況や前後の話の内容からどちらの意味で使われているのかを判断する必要があります。

「丁寧」の反対語は「いい加減」「無礼」

「丁寧」が持つ「人や物事に細やかに接する」という意味の反対の意味を持つ言葉は「いい加減」「無礼」などです。

「いい加減」には「その物事が許容できる範囲に近い」というポジティブな「良い加減」という意味もありますが、正反対の「一貫性がなく嘘やごまかしが多い」という意味も持っています。「丁寧」の対義語としての「いい加減」は後者です。

「無礼」とは「礼儀を尽くさない」「失礼」という意味の言葉で、「丁寧」が持つ「相手の立場や気持ちを考えて、心のこもった対応をする様子」と反対の意味を持っています。「無礼な人」「無礼な言い方」など、人や人の動作などに使って、相手側の非礼を表す言葉です。

ビジネスで使える「丁寧」のコツ

丁寧な断り方はクッション言葉が重要

相手に依頼された何かを断るとき、注意したいのは相手を嫌な気持ちにしないことです。こちらにとっては当然の都合であっても、依頼をした相手にとっては、自分が優先してもらえないことは当然のことではありません。

丁寧に断るには「大変申し訳ございませんが」「恐れ入りますが」「お引き受けしたい気持ちは山々なのですが」「あいにく」など、相手のショックを軽減するクッション言葉を使う必要があります。

丁寧なお願いや依頼は相手の都合を慮る

反対に、自分が相手に何かをお願いしたり、依頼したりするときには、相手に快く引き受けてもらえるような、丁寧な言い方が大切です。相手にお願いをするときは、相手の都合を気遣う言葉を添えましょう。

たとえば「お忙しい中大変恐れ入りますが」「ご都合がよろしければ」「お手すきのときで構いませんので」など、相手が毎日忙しくしていることを前提とした言葉と一緒にお願いをすると、丁寧な依頼をすることができます。

「丁寧」の英語・韓国語表現

「丁寧」は英語で「polite」

日本語の「丁寧」を英語にする場合は「丁寧で礼儀正しい」という意味の言葉を使います。「丁寧」は「polite(ポライト)」です。「a polite way of speaking(丁寧な話し方)」などと使います。

「polite」には他にも「洗練された」「礼儀が行き届いている」という意味でも使われますが、いずれの意味も根底には「その物事に対して丁寧に」というニュアンスを含んでいます。

「丁寧」は韓国語で「정중하다」

「丁寧」は韓国語でも伝えることができます。「丁寧」の韓国語は「정중하다(チョンジュンハダ)」です。

韓国語の場合は、物事に対して細やかに気配りができる意味の「丁寧(정중하다)」と、人に対しての礼儀が行き届いているという意味の「공손하다(コンソナダ)」があります。状況に応じて使い分けるようにしましょう。

まとめ

「丁寧」という言葉はとても身近で聞いたことがない人はほとんどいないかもしれません。しかし「丁寧」という言葉が何気なく使われすぎて、ふと丁寧とはどんなことなのか、と考えてみると意外と説明できないのではないでしょうか。

改めて「丁寧」という言葉を知ることで、日々の行いや動作などにこれまでよりも具体的な「丁寧」を意識できるようになると良いかもしれません。