「お茶の子さいさい」の意味と使い方とは?語源や類語も解説

ものごとが簡単にこなせた時「お茶の子さいさい」という表現を使いますが、「お茶の子」とは一体何なのでしょうか?日常的に使われる言葉ながら、意味や使い方を意識したことは少ないと思います。ここでは「お茶の子さいさい」の語源と意味をはじめ、使い方とその例文、類語と英語表現についてまとめています。早速、語源と意味から見ていきましょう。

「お茶の子さいさい」の意味と語源とは?

「お茶の子さいさい」意味は”容易にできること・非常に簡単なこと”

「お茶の子さいさい」の意味は、“容易にできること・とても簡単なこと”です。由来からも理解できるように、「お茶の子さいさい」は「お茶菓子くらい簡単なことだよ。ね、ほらほら!」「とても容易にできるものだよ。あら、ほいほい」と言った意味合いとなります。

語源は「お茶菓子」と俗謡の”のんこさいさい”

「お茶の子」とは、来客に差し出すお茶と一緒に添えられる「茶菓子」のことで、片手で難なく口に運ぶことができる「簡単なお菓子」です。

加えて、地方によっては朝食前に食べる「茶粥」を「お茶の子」と呼ぶことがあり、意味が転じて「朝飯前=簡単」というようになったとも言われています。

また「さいさい」は、民謡や動揺に用いられる「よいよい」や「おいおい」、また「やいやい」という囃し(はやし)言葉のように、「ほらほら」や「ほいほい」と言った意味合いで使われています。

「お茶の子さいさい」の使い方と例文とは?

「お茶の子さいさい」で相手に”お安い御用!”をアピール

「お茶の子さいさい」には「とても容易で、簡単にできること」という意味がありますが、この表現を使えば「本当にお安い御用だったよ。ほらね」というように、手間もなく、余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)でものごとを済ませたことをアピールできます。

もちろん、相手に「もっとできますよ」「まだまだ楽勝ですよ」というメッセージを言葉が運ぶニュアンスとして送ることができるでしょう。

「おちゃのこさいさいへのかっぱ」という表現も

まるで遊び歌のように「お茶の子さいさい」を「おちゃのこさいさいへのかっぱ」と「本当に簡単で何とも思わない」ことを示す表現として使う場合もあるようです。

「へのかっぱ(屁の河童)」は「かっぱのへ(河童の屁)」とも言い、取るに足らないことや簡単にものごとを片付けてしまう様子を表す言葉です。つまり「とても容易なこと」を意味する2つの表現を組み合わせてできた言葉となります。

「お茶の子さいさい」は職場での使い過ぎに注意

職場では取引の場やビジネスミーティングなどで「お陰様で、難なくことが進みました」というような表現を使うこともあるでしょう。しかし、ここで「お陰様で、お茶の子さいさいでした」と言ってしまうと、仕事が自分の能力以下で済んでしまい、やや軽視したような意味合いで伝わってしまうことがあります。

職場で「お茶の子さいさい」を使う時は、気心の知れた同僚や部下、また直属の上司などに留めておくようにしましょう。

「お茶の子さいさい」を使った例文

「お茶の子さいさい」を使った例文をご紹介しましょう。

  • エクセルで今月の売り上げをまとめてくれる?はい、お茶の子さいさいです!
  • お茶の子さいさいとまでは行かないけど、難なく取引先からOKはもらえたよ。
  • 君だったら顧客のニーズや動向を分析することくらい、お茶の子さいさいでしょ?

「お茶の子さいさい」は死語?

「お茶の子さいさい」は”死語”であるという人もいるようです。

この理由には、現代の表現や言葉は変わりつつあり、「とても簡単にできる」ことを口語的に「チョー簡単!」「めっちゃ楽!」などどと表現することが増えたという背景が考えられます。

「お茶の子さいさい」の類語と対義語とは?

「お茶の子さいさい」の類語は”朝飯前”や”造作もない”

「お茶の子さいさい」の類語は「朝飯前」「造作もない」、また「楽勝」「楽々」などがあります。比喩的に表現するなら「赤子の手をひねるようなもの」も類語として使える表現でしょう。

また、現代の口語表現では「余裕のよっちゃん」や「チョロイもん」なども、似たような意味を持つ表現として使われています。

「お茶の子さいさい」の対義語は”複雑”や”難解”など多数

一方、「お茶の子さいさい」の対義語にあたる言葉は「複雑」や「難解」をはじめ、「煩雑(はんざつ)」「難儀(なんぎ)」「困難」「面倒」「手のかかる」など多く挙げられます。

たとえば、「複雑」ならさまざまな要素が絡み合い一面的ではなく、また理解や説明ができないことを表し、「難儀」なら面倒なことや困難を要する意味が強い表現となります。状況に応じて適語を選び、正しく言い換えをするようにして下さい。

「お茶の子さいさい」の英語表現と例文とは?

「お茶の子さいさい」は英語で”a piece of cake!”

英語で「お茶の子さいさい」は“a piece of cake!”と表現します。英語圏では「一切れのケーキくらい、簡単に食べれるよ」というニュアンスで日常的に用いられ「こんなことくらい、目じゃない」「楽でたやすく、ちょろい」「楽勝である」という意味を持って使われます。

また「as easy as pie!(一切れのパイを食べても腹に影響はない)」や「as simple as ABC(ABCを習得するくらい容易である)」という表現もよく使われるため、併せて覚えておきましょう。

「お茶の子さいさい」を使った英語例文

「お茶の子さいさい」の英語表現の例文を挙げてみます。状況に合わせて単語の入れ替えをしながら、実践的に使ってみて下さい。

  • 仕事をちょっと頼みすぎたかな?全然!お茶の子さいさいだったよ。
    Did I ask you too much of work? Not at all. It was a piece of cake!
  • 誰もこの問いに答えられないんだ。本当?お茶の子さいさいで解けたけどね。
    No one has ever figured this question out. Really? It was a piece of cake to me..

まとめ

ものごとが苦も無く簡単にできた時に、自然に口からこぼれる表現が「お茶の子さいさい」です。囃子言葉でもある「さいさい」が用いられていることから、言葉から伝わるイメージにもリズムが感じられることでしょう。

宿題や料理、仕事など何でもそうですが、ものごとがトントンと順調に終わった時に「とても簡単だったよ。ほらね」というニュアンスで「お茶の子さいさい」を使うと、ストレートに言葉の効力を発揮することができます。ぜひ、家族や友達、気心の知れた仕事仲間との会話で使ってみて下さい。