「目の上のたんこぶ」の意味とは?類語と英語も解説(例文付き)

職場に何かと厄介で目障りな先輩や上司はいませんか?立場が上であるため、ひたすら我慢の一手という場合も多いかもしれませんが、このような存在を「目の上のたんこぶ」と言ったりします。

ここでは「目の上のたんこぶ」に焦点を当て、語源と意味、使い方と類語、また英語表現を例文付きでまとめています。早速、語源と意味から見ていきましょう。

「目の上のたんこぶ」の意味と由来とは?

「目の上のたんこぶ」の意味は”立場が上で目障りな人”

「目の上のたんこぶ」の意味は、“立場が地位が上で、何とも目障りでうっとうしい人のこと”です。自分よりも役職が上の先輩や上司など、自分が行動したり発言する時に邪魔になるような人を指します。

「この人がいると、やりづらいな」と感じるような人、つまり「力が上で存在的に邪魔である人」が「目の上のたんこぶ」です。

由来は江戸・大阪いろはかるたの「目の上のこぶ」

「目の上のたんこぶ」は江戸いろはかるた、大阪いろはかるたの“目の上の瘤(こぶ)”からきています。

ちなみに「目の上のたんこぶ」は「目の上は見えにくく、何があるのかわからない」、さらに「目の上のこぶの存在など本当に目障りでうっとうしいものである」というところから出来たことわざです。

「目の上のたんこぶ」の使い方と例文とは?

「目の上のたんこぶ」は職場の先輩や上司に対して使われる

「目の上のたんこぶ」は職場では先輩や上司などにつかわれることがほとんどです。いつも怒ってばかりいたり、何をしても文句しか出てこない先輩や上司はいませんか?

仕事に対して公平に評価をしてくれなかったりすると、モチベーションが下がるだけではなく、存在を意識するだけで気持ちが重たくなったりすることもあるでしょう。そのような先輩や上司をは「目の上のたんこぶ」になり得るかもしれません。

「目の上のたんこぶ」は実力が上のライバルに対しても使われる

「目の上のたんこぶ」は人間関係が複雑に絡み合う職場で好んで使われる表現ですが、先輩や上司など「地位や力が上の人」だけではなく、たとえ同僚でも後輩でも「成績や評価など実力が上の人」、また「同じチームのライバル」に対しても使われます。

「目の上のたんこぶ」は走り回る子供には使わない

「目の上のたんこぶ」を使う時は相手が「目の上=役職や地位、実力が上」であることが前提となります。なぜなら、あえて「目の上のたんこぶ」と表現することで、「目上の重たい存在」を強調しているからです。

そのため、たとえ電車の中で走り回っている子供や、携帯電話で話をしている学生を目障りだと感じたとしても「あの子供は目の上のたんこぶだ」また「あの学生は目の上のたんこぶ」とは言いません。あくまで、目上にあたる人や地位が上の人、権力や実力のある人に対して使うようにしましょう。

「目の上のたんこぶ」を使った例文

「目の上のたんこぶ」を使った例文をいくつかあげてみます。

  • 上司はガミガミとうるさい。本当に目の上のたんこぶだ。
  • 目の上のたんこぶと言われないように、上から目線で話をしないようにしている。
  • 会議でいつも口を挟む社長は、社員に目の上のたんこぶだと囁かれている。
  • 目の上のたんこぶとまではいかないが、怠慢な先輩の仕事ぶりには耐えられない。

「目の上のたんこぶ」の類語とは?

「目の上のたんこぶ」の類語は”お荷物”や”邪魔者”など

「目の上のたんこぶ」の類語にあたる正しい言葉はありませんが、うっとうしく迷惑な存在な人を意味する“お荷物”や、周囲から忌避されている人を指す“邪魔者”が挙げられます。以下に簡単に例文をあげてみます。

  • 私の上司は何かと私を頼ってくる。最近「お荷物」のような存在になってきた。
  • 同じ部署の先輩は褒めることを知らない。そのせいか、部下から「邪魔者」扱いされている。

しかし、どちらも地位や立場に関係なく使うことができるため、「目の上のたんこぶ」が持つ本来のニュアンスとは多少異なると言えるでしょう。

「目の上のたんこぶ」に似たことわざは”鼻の先の疣々”

「目の上のたんこぶ」に類似したことわざは“鼻の先の疣々(イボイボ)”です。鼻の先にできたイボは見えにくく、また目障りなものです。自分より先にいる(立場的に上にいる)厄介でうっとうしく、不快に感じる人がいたら、その人は「鼻の先の疣々」と比喩的に呼べるのかもしれません。例文を挙げてみます。

  • 姑が私たちの行動にガミガミ言うようになった。本当に鼻の先の疣々とはこのことだ。

「目の上のたんこぶ」の英語表現とは

「目の上のたんこぶ」は英語で”a thorn in one’s side”

「目の上のたんこぶ」は英語で“a thorn in one’s side(横にあるトゲ)”と言います。英語圏では何かとトラブルを起こしたり、継続的に問題のあるものごとや人のことを「a thorn(トゲ)」という比喩的な単語を使って表現します。

この場合「a thorn in one’s side」で「横にあるトゲ」となりますが、意味は「ちょっとでも動けばチクッと刺さるような厄介な人やものごと」となります。同様に「a pain in the neck(首の痛み)」「a pain in the butt(おしりの痛み)」は面倒な人やものごとを指す口語表現として頻繁に使われます。

しかし「目の上のたんこぶ」の英語をビジネスシーンでで使う時は、相手や状況に気を付けて下さい。人や事柄が「面倒くさい」というニュアンスが強いことを忘れないようにしましょう。

「目の上のたんこぶ」を使った英語例文

「目の上のたんこぶ」を使った英語での例文を挙げてみます。

  • One of my clients keeps on nagging and complaining. He is a truly thorn in my side.
    クライアントにネチネチ文句ばかり言う人がいるんだよ。本当に目の上のたんこぶだ。
  • Our new project seems a pain in the butt!
    新しいプロジェクトはかなり面倒くさそうだ。

まとめ

「目の上のたんこぶ」は「目の上のこぶ」とも呼ばれ、意味は「立場や地位が上で、ともかく目障りでうっとうしい人」となります。「目の上のたんこぶ」が見えにくく、あると邪魔でうっとうしいように、上下関係が左右する職場で多く使われています。

先輩や上司、また同僚でもライバル関係であれば、邪魔で目障りだと感じることもあるでしょう。そのような時に「目の上のたんこぶ」という表現をこっそり使ってみて下さい。