「焼け石に水」の意味とは?使い方と類語を紹介!(例文つき)

「努力が少なく役に立たないこと」を意味する、「焼け石に水」ということわざ。「正しい意味や使い方を知りたい」「類語には何が当てはまるのか?」という疑問を持っていませんか?「焼け石に水」について詳しく知りたい方に向けて、意味や使い方、類語などを説明します。例文も併せて紹介するため、ぜひ参考にしてください。

ことわざ「焼き石に水」とは?

ことわざ「焼け石に水」の意味は”役に立たない様子”

「焼け石に水」の意味は、“努力や支援が不足しており、役に立っていない様子”です。焼いた石に水をかけても、すぐに蒸発して意味がないことから、転じて「役に立っていない様子」を表す言葉として使用されています。

実際に「焼け石」は少量の水では冷えない

「少量の努力では役に立たない」を意味する「焼け石に水」。いくら熱い石だからといっても、水をかければ冷えそうですが、実際どうなのでしょうか?実は、20度ほどの水ではコップ1~2杯程度かけたとしても、石の熱は冷めません。理由としては、丸い石にむけて上から水をかけると「石にかからず下に落ちる」水が一定量あります。

加えて、熱せられた石に当たった水が水蒸気となり、石の表面を覆うため「上から落ちてくる水の邪魔をしている」ことから、「焼け石に水」は「実際に少量の水では冷めない」ことが分かります。

「焼け石に水」の使い方や例文とは?

「効果が薄い」状況で使用できる

「焼け石に水」は「努力や援助が足りない」状況で使用できます。しかし、努力などが足りないからと言って、全く効果がないわけではありません。少量の効果があるものの、「あまり意味をなしていない」「効果が薄い」状況で使用されます。

「効果がなく終わった」を意味する”焼け石に水で終わった”

「焼け石に水」の使い方の1つが、「焼け石に水で終わった」です。少量の努力や支援を行ったものの、大した効果がなく結末を迎えてしまった状況で使用できます。例えば、「大きなミスをしてしまい、クライアントに謝罪をしたが焼け石に水で終わった」という例文。

上記の例文は、「ミスをしたことに対し謝罪したが、あまり意味をなさずに終わった」という意味があります。

「立て板に水」「寝耳に水」とは違う

「○○に水」という表現から、似た意味をもつことわざとして見られることもある「立て板に水」「寝耳に水」ですが、意味はまったく違うため注意が必要です。「立て板に水」は「すらすらと話すこと」を意味しており、「寝耳に水」は「思わぬ出来事に驚く様子」を意味しています。

同じ「水」がつくことわざですが、意味を混同しないよう注意してください。

「石の上にも三年」とも意味が異なる

「立て板に水」や「寝耳に水」と同様に、「石の上にも三年」ということわざも、「焼け石に水」とは意味がことなります。「焼け石に水」と同じように「石」がつくことわざではあるものの、「石の上にも三年」は「我慢して過ごせば成功する」ことを意味しています。「焼け石に水」はネガティブな表現として用いられることが多くありますが、「石の上にも三年」はポジティブな表現であるため、混同しないようにしましょう。

「焼け石に水」を使った例文

「焼け石に水」を使った例文をご紹介しましょう。

  • すでに他社の商品が出品されることは決まっているため、今更我が社の商品をアピールしても焼け石に水だろう
  • ○○さんは気温がマイナスを下回っても、暖房をつけないらしい。服を着こんだからと言って、ここまで寒くては焼け石に水なのにな

「焼け石に水」の類語とは?

焼け石に水の類語①「二階から目薬」は効果がない様子

「二階から目薬」は「焼け石に水」の類語です。「思い通りに物事が進まない」や「回りくどく効果が得られない」という意味を、高い所からさす目薬で表現しています。「効果が得られない」という点で、「焼け石に水」と似ているため、状況に応じて使用してください。

焼け石に水の類語②「付け焼刃」はその場しのぎ

「付け焼刃」の「焼け石に水」の類語です。一見するとよく切れそうな刃物ですが、実は質の悪い刀に銅の焼き刀を付け加えただけであって、切れ味は悪いことを意味しています。転じて、「一時的に覚えた知識では大した効果がない」という意味で使われており、「効果が少ない」という点で、「焼け石に水」の類語に当てはまります。

「焼け石に水」の反対語とは?

焼け石に水の反対語①「火に油を注ぐ」は勢いを加える

「焼け石に水」の反対語には「すでに勢いのあるものや状況に、さらに勢いを加える」という意味の、「火に油を注ぐ」が当てはまります。勢いがある様子を「火」に例え、さらに勢いを加えることを「油」で表しています。

焼け石に水の反対語②「塵も積もれば山となる」は積み重ねが重要

「小さなことでも積み重ねていけば、大きなものになる」という意味の、「塵も積もれば山となる」も「焼け石に水」の反対語です。「少ない努力が意味をなしていない」様子と「小さなことでも積み重ねれば大きくなる」様子から、反対語と言えます。

「焼け石に水」の英語表現とは?

焼け石に水は英語で「an exercise in futility」

「焼け石に水」の英語表現には、「an exercise in futility」が適しています。「exercise」が「運動」「働き」という意味を、「futility」が「無駄」を意味しており、「無駄な運動」や「無駄な働き」という意味になります。

まとめ

「努力や支援が足りず、あまり役に立たない」様子を意味する「焼け石に水」ということわざ。まったく効果がないのではなく、効果が極めて薄い状況で使用されます。類語には「効果がない」を意味する「二階から目薬」や、「その場しのぎ」の「付け焼刃」が当てはまります。状況に応じて、類語に置き換えてみてください。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。