「参りました」の意味と正しい使い方!類語との違いや英語表現も

将棋で「参りました」と言えば「負け」や「降参」の意味ですが、ビジネスで「参りました」は「来る」や「行く」という意味の謙譲表現としても使われます。今回は、ビジネスシーンでの「参りました」の意味や語源を明らかにして、使い方の例文や英語表現をご紹介します。



「参りました」の意味と語源

「参りました」というフレーズをよく理解するために、その意味と語源を見ていきましょう。

「参りました」の3つの意味

「参りました」は動詞「参る」の連用形に、丁寧の助動詞である「ます」の過去形である「ました」が結びついています。「参りました」は3つの意味として使われることがあります。

  1. 「行く」「来る」の謙譲語
  2. 「降参する」
  3. 「困ってしまった」

「参る」が最もよく使われ宇野は、「来る」や「行く」という意味としてです。ま自分や自分のすることにへりくだる気持ちを込めて何かをするという意味もあり、目上の人などに何かをしてさしあげるというときにも「参る」は使われます。

また自分の能力や相手に負けを表す「降参する」という意味もあります。将棋で負けを認めるときに「参りました」と使うのがこの使い方です。

また「参りました」は「困ったこと」を表す場合にも使われます。「思ったより会議が長引いてしまい参りました」のように使うと、「長引いて困った」という意味になります。

「参りました」の語源

「参る」はもともと「まゐいる」と書き、「入る」という意味の「いる」が付いていましたが、自然と変化をして「まゐる」になりました。「まゐる」の意味は、神社のような人が集まる高貴な場所に行くことで、「いる」は建物やある場所などの中に入るという意味です。そこから「参る」は、神社などに行くこと、参上するという意味になりました。

「参る」には高貴な場所に行くという意味の他に、高貴な人のところに行くという意味もあり、相手への敬意を表すことが前提となった「行く」行為と考えられます。

「参りました」の類語と正しい敬語表現

「参りました」は謙譲語

「参りました」の「参る」は、「行く」や「来る」という意味の謙譲語です。それに続く「ました」は助動詞「ます」の連用形を過去形になおした形です。そのため「参りました」は「行く」または「来る」の過去形の謙譲表現となります。

「来ました」は敬語でないためNG

「来ました」は「参りました」と同じく「来る」という意味ですが、敬語ではありません。「来た」という事実を伝えるだけならば「来ました」でもいいのですが、目上の人や顧客などの敬意を表すべき相手に対しては謙譲表現を使うべきですので、「参りました」を使います。

「参りました」と「伺いました」の違い

「参りました」と同じ意味で「伺いました」という表現を使うことができます。どちらも「来る」や「行く」の意味の謙譲表現です。ただし、「伺いました」が使えない場合があるので注意が必要です。

「参りました」と「伺いました」は敬語の分類が異なる

「参りました」は自分の行為を丁重に表現している「丁重語」と呼ばれる謙譲語II に分類されます。一方、「伺いました」は自分の行為をへりくだり相手への敬意を示す謙譲語で、謙譲語Iと呼ばれます。この違いにより、2つの言葉が同じ意味で使える場合と使えない場合が発生します。

「参りました」と「伺いました」の両方使える場合

「参りました」と「伺いました」は両方とも、謙譲語であるため、敬意を表すべき相手に対してなら、どちらの表現も使うことができます。社長に対して「社長室に参ります」や「社長室に伺います」のように使えます。

「伺います」が使えない場合

一方、出張先の東京に向かう場合、「東京に伺います」とは使えません。なぜなら東京に敬意を表する必要がないからです。このような場合は、「東京に参ります」と言ったほうが自然な表現です。

「参りました」のビジネスシーンでの使い方

「参りました」というフレーズは、ビジネスでよく使われます。ここでどのようなビジネスシーンで使われれるのかを、具体例を使ってご紹介します。

「上司に呼ばれたとき」に使う

呼び出された上司に対して、「参りました」や「ただ今参りました」のように使うことができます。このとき「来ました」では上司に対する敬意が足りませんので、必ず「参りました」を使うようにしましょう。

「顧客に会ったとき」に使う

面会を予定していた顧客と会ったとき、あいさつで「○○会社から参りました××と申します」のように「参りました」を使います。ただし、その相手が親しい間柄で、敬意を表しつつも尊敬語を使うべきほどの相手ではない場合は、「参りました」と使うと大げさです。こうした相手には丁寧語で「来ました」、もしくは「お待たせしました」でじゅうぶんでしょう。

すなわち敬語は、相手との関係を見極めて使うことが大切です。

「会社の面接」で使う

就活中で会社の面接に呼ばれたときに、「○○大学から参りました××と申します」と自己紹介ができれば好印象でしょう。「参りました」を使うことで、面接を受ける会社に対して敬意を表すことができるからです。

「参りました」の英語表現

英語には敬語はありませんので、「参りました」を英語で表現するための動詞は「行く」や「来る」の意味である、go、come、visitやstep byが使えます。

ただし日本のビジネスシーンで「参りました」を使うのが通常でも、そのまま英語に訳して使うのは不自然です。たとえば上司に呼ばれた際に「ただ今参りました」と言いますが、英語で直訳した「I came here now.」を使うと違和感を覚えます。それよりも「Hello」とあいさつをするのが自然でしょう。

もしも相手が自分の訪問に気がつかないというのならば、「Hello, I am here」(こんにちは、私はいます)のように言えますが、このような状況は考えにくいと思います。

まとめ

ビジネスシーンでよく使われる「参りました」という表現は、話す相手が敬意を表すべき相手かどうかを確認した上で使います。そのポイントをおさえたのなら、あとは実際に使ってみてください。そうすれば違和感なく使えるようになるでしょう。