「二兎を追うものは一兎をも得ず」の意味とは?類語・反対語も解説

「二兎を追うものは一兎をも得ず」は「欲張ると何も得られない」「どちらも失敗する」の意味を持つことわざ。見聞きする機会も多い言葉ですが、詳しい意味をご存知でしょうか?今回は「二兎を追うものは一兎をも得ず」の意味に加え、由来と例文を紹介します。また類語・反対語や、英語と中国語表現についてもお伝えします。



ことわざ「二兎を追うものは一兎をも得ず」の意味と由来

意味は「欲張るとどちらも得られない」の意味

「二兎を追うものは一兎をも得ず」は、「にとをおうものはいっとをもえず」と読むことわざ。「兎」と言う漢字は「うさぎ」と読み、「二兎」とは「二匹のうさぎ」を意味します。

「二兎を追うものは一兎をも得ず」とは、二匹のうさぎを捕まえようと追いかけると一匹すら捕まえることすらできない、つまり「欲張って同時に2つのことをしようとすると、どちらも得られず失敗する」の意味を持つ言葉となります。

「二兎を追うものは一兎をも得ず」はローマのことわざに由来する

「二兎を追うものは一兎をも得ず」は、故事成語や漢文を語源とすることわざではなく、英語のことわざを日本語に訳した言葉。ローマが由来のことわざと言われています。

元となる英語のことわざは「If you run after two hares you will catch neither」となります。「two hares」は「二匹のうさぎ」「neither」は「どちらも」をそれぞれ意味する英語です。日本において「うさぎ」の英語と聞くと、ほとんどの人は「rabbit」と言う言葉を思い浮かべると思いますが、「hare」も「野うさぎ」を意味する英単語です。由来となることわざの「two hares」を「two rabbits」と誤って覚えないように意識しておくようにしましょう。

「二兎を追うものは一兎をも得ず」の使い方と例文

手のひらを前に出すビジネスマン

戒めの言葉として使うことが多い

「二兎を追うものは一兎をも得ず」は「欲張るとどちらも得られない・失敗する」を意味しています。したがって、ビジネスにおいても日常生活においても、同時に2つ以上のことに取り組もうとしている場合に、戒めの言葉として使うことが多い言葉となります。

「二兎を追うものは一兎をも得ず」を使った例文

  • 最近は二刀流として活躍する人も見かけるようになったが、大半の人は二兎を追うものは一兎を得ずのことわざ通りに、どちらもうまくいかずに失敗に終わってしまうことが多い。
  • 色々なことに興味を持ってチャレンジする姿勢は、決して悪いことではない。しかし、二兎を追うものは一兎をも得ずとのことわざの通り、欲張りすぎないほうが賢明であると言えるだろう。
  • 彼は一人に決められないからとこっそり二股をかけて交際していた。しかし、それがばれて二人ともに振られてしまう結果となった。二兎を追うものは一兎をも得ずとは、まさにこのことだ。

「二兎を追うものは一兎をも得ず」の類語と類似表現・反対語

「二兎を追うものは一兎をも得ず」の類語は「虻蜂取らず」

「虻蜂取らず」(あぶはちとらず)とは、「虻と鉢の両方を取ろうとしたらどちらも取れなかった」ことを例えた、「二兎を追うものは一兎をも得ず」同様の「欲張るとどちらも得られない」ことを意味する慣用句です。

「花も折らず実も取らず」も「欲張るとどちらも得られない」の意味

「花も折らず実も取らず」(はなをおらずみもとらず)は、「花を取ることもできなければ実を取ることもできない」ことを例えたことわざ。「二兎を追うものは一兎をも得ず」と同じ「欲張るとどちらも得られない」の意味を持つ類語となります。

類似表現「二兎を追う」は「同時に2つを試みる」の意味

「二兎を追う者は一兎をも得ず」に類似した「二兎を追う」は、「欲張るとどちらも得られない」とは異なる意味を持つ言葉です。「同時に2つを試みる・成し遂げる」の意味として使い、「得られない」「失敗する」までの意味合いは持ちません。

また、「兎」を「頭」に言い換えた「二兎を追うものは一頭も得ず」「二頭を追うものは一頭も得ず」などが、同じ意味を持った表現違いとして紹介されていることがあります。しかし、辞書に定義されている表現「二兎を追うものは一兎をも得ず」を使うことに留めるのが無難でしょう。

反対語は「一挙両得」や「一石二鳥」

「二兎を追うものは一兎をも得ず」の反対となる対義語は、「一挙両得」(いっきょりょうとく)と「一石二鳥」(いっせきにちょう)と言う四字熟語です。どちらの言葉も「1つで2つをも得ることができた」の意味を持ち、「二兎を追うものは一兎をも得ず」の「1匹のうさぎすら捕まえられなかった」とは反対の意味を持ちます。

なお「一挙両得」の「一挙」は「1つの動作」を意味します。したがって「一挙両得」とは「1つの動作で2つを得る」、「一石二鳥」とは「1つの石で2羽の鳥を捕まえる」と言う意味となります。

「二兎を追うものは一兎をも得ず」の英語・中国語表現

英語では「If you run after two hares you will catch neither」

「二兎を追うものは一兎をも得ず」を英語で表現する場合は、語源ともなった西洋のことわざ「If you run after two hares you will catch neither.」を使います。

「追いかける」の意味を持つ「run after」ではなく、「狩る」の意味を持つ「hunt」を使った、「He that hunts two hares loses both.」との表現も「二兎を追うものは一兎をも得ず」と同じ意味の言葉となります。

中国語では「逐二兔者不得其一」

中国語にも「二兎を追うものは一兎をも得ず」と同じ意味を持った「逐二兔者不得其一」と言うことわざがあります。「逐二兔者」は「二兎を追うもの」の意味となり、「逐二兔者不得其一」は日本語の「二兎を追うものは一兎をも得ず」と同じ例えで同じ意味を持つことわざとなります。

まとめ

「二兎を追うものは一兎をも得ず」とは、「同時に2つを欲張ると何も得られない」と言う意味を持つことわざ。英語・中国語にも同じ例えで同じ意味を持つことわざがありました。同時に2つのことに取り組むことは必ずしも悪いこととは限らず、同時に取り組むべき状況もあるかもしれません。しかし、失敗ができないビジネスにおいては、安易な気持ちでは欲張らず確実に成果をあげることが大切ではないでしょうか。

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miiryon

SE・WEB制作を経て、メーカーのオウンドサイトのウェブマスターとフリーライターを兼業中。料理もアクセサリーも自分自身の「手」でつくりだすことに喜びを感じます。チョコレートとコーヒーが欠かせない食いしん坊。