「借用書」の無効にさせない正しい書き方とは?テンプレート付き

お金などの貸し借りがあった時に作成されるのが「借用書」です。しかし書き慣れていないと作成しにくい書類ですし、なによりもせっかく作るのだから無効にならない正しい書き方を知りたいですよね。

そこで今回は借用書の法的な措置を取られた時の証拠にもなるような正しい書き方と、テンプレートと併せて解説します。



「借用書」とは?意味や法的効力について

「借用書」とは「借用を証明する書類」のこと

「借用書」(しゃくようしょ)とは、金銭や物品の借用を証明するための書類で、借用の条件などが記載されます。

一般的には借用書は一通作られて、借主がそれに署名して、貸主が保管します。

借用書の目的は、借用書に借用内容や条件を明記することで、例えばお金の貸し借りで起こりがちな金銭トラブルを避けることができます。

種類は「借用書」と「金銭消費者賃借契約書」の二種類

「借用書」と呼ばれる書類には、「借用書」と「金銭消費者賃借契約書」の二種類があります。

「借用書」は貸主が保管するのに対して、「金銭消費者賃借契約書」は2通用意されて、貸主と借主の双方が一通ずつ保管します。

貸主に改ざんされる恐れがある場合には「金銭消費者賃借契約書」の作成をお勧めします。

借用書は「貸主の借用の否認」と「法的措置」を取る時に使われる

「借用書」が必要となるときは、次のような場合に使うわれます。

  • 借主が借用を否認したとき
  • 法的措置が取られるとき

借主が借りたものを借りていないと言ってきたときに、借用書があれば借用があったことを証明することができます。

またそれでも借主が借用を認めない場合には法的措置が取られることがあります。その場合に、借用の証拠として借用書を使うことができます。

借用書には法的効力はない

ただし借用書そのものには法的効力はないので、借用書だけで強制的に返済を求めることはできません。

強制的に財産を取り押さえるほどの法的効力を持たせるには「公正証書」を作成します。「公正証書」とは公証役場にて公証人によってさせる公文書です。

お金の借用の時効は民法で10年、商法で5年

お金の借用における時効とは、ある一定期間を過ぎれば、貸主が借主に返済を求める権利がなくなり、また借主も返済する義務がなくなることです。

借用の時効は、借用書があってもなくても民法によれば10年と決まっています。また貸主か借主のどちらか一方、または両方が商売人である場合には、その時効は5年と商法によって定められています。

「借用書」は英語で「IOU」

「借用書」は英語で「IOU」です。「私はあなたに返済義務がある」を英訳した”I owe you”の音から生まれた言葉です。

また金銭の貸し借りなら「a bond of debt」(借金の契約)という言い方もできます。

正しい「借用書」の書き方

それでは金銭の貸し借りのおける正しい借用書の書き方を解説します。

必須項目に続き、収入印紙の有無、そして借用書のテンプレートを紹介します。

借用書の6つの必須項目

借用書に書かれるべき必須項目は次の通りです。

  1. 「借用書」という表題
  2. 借用したという事実と借用金額
  3. 契約日
  4. 返済期日
  5. 借主の署名・住所・押印
  6. 貸主の氏名

必要に応じて、次のことも記載されます。

  • 利息
  • 返済方法
  • 返済が遅れたときの処置

書き方ポイント!借用金額は「大字」を使い返済期日は具体的に

上記に記した項目を記載するときの注意点として、次のようなことが挙げられます。

  • 金額を書くときは「金」と頭に書きます。また金額は、改ざんを防ぐためにアラビア数字や漢数字ではなく、壱、弐、参といった「大字」を使います。
  • 借主の署名と住所は必ず手書きで書き、印鑑が押されていることをチェックします。
  • 返済期日は、○月○日までと具体的に書き、返済方法について具体的な記載がない場合は、現金で貸主に手渡しするのが原則です。
  • 金利に関しては法律により上限が決められていますので、借金が10万円未満なら年利20%、10万円以上100万円いないなら年利18%以内などの上限金利以内に収まるようにします。

印紙は借用金額次第で貼ったり貼らなかったりする

借用書には収入印紙を貼ることが義務付けられています。もしも貼っていないことが税務署によって発覚すると、本来貼るべき収入印紙の3倍の税金を払わなくてはなりません。

収入印紙の金額は借用金額によって貼らない場合もありますので、必ず借用金額を確認し、それに見合う印紙を添付しましょう。

借用金額収入印紙額
1~9,999円非課税
10,000~100,000円200円
100,001~500,000円400円

借用書のテンプレート

ここでは10万円を借金した場合の借用書の参考例を紹介します。

利息や返済方法などの約定がある場合は、返済期日の下に続けます。

(作成日)○○年○○月○○日

収入印紙200円分
(割り印も必要)

(貸主)佐藤はじめ様

借用書

私は貴殿より下記の通り金銭を借用しました。

借用金額 金壱十萬円也(100,000円)

借用日 ○○年○○月○○日

返済期日 ○○年○○月○○日

 

貸主住所 (手書き)東京都港区赤坂○-○-○

氏名   (手書き)山田花子 印

 

以上

家族・友人間で交わされる借用書

贈与でないことを証明する「借用書」

家族の間でお金の貸し借りがあることがありますが、少額なら無利息で、かつ借用書も書かれないことが多いでしょう。

しかし住宅ローンを親が返済するような金額が大きい場合には、借用書がないと税務署には贈与とみなされて贈与税が課せられます。贈与ではなく賃借であることを証明するためには借用書が必要ですので、その際には借用書を取り交わすようにしましょう。

友人間こそ取り交わすべき「借用書」

友人間でのお金の貸し借りでは口約束をしてしまいがちですが、借金が戻ってこなくてもいいと思えるのならそれでもかまいません。

しかし金銭トラブルを避けたいのなら、友人とはいえ借用書が取り交わしておいた方がいいでしょう。

まとめ

「借用書」とは金銭や物品の貸し借りがあった時にそれを証明するための書類です。借用書があることで賃借があった事実を証明して、法的措置が取られる場合にはその証拠にもなりますので正しく作成するようにしましょう。