上手な報告書の書き方ポイント5つ!イベントや研修の報告書例も

社会人になると、業務報告書や研修報告書など、様々な報告書を書く機会があります。すらすらと書ければよいのですが、意外と上手に報告書を書くのは難しいのではないでしょうか。今回は上手な報告書の書き方を紹介します。この機会に、報告書の書き方をチェックして、より早く簡潔に書けるようにしましょう。

報告書の書き方ポイント

何のための報告書か意識する

報告書の書き方は、誰が何のために使う報告書なのかで異なります。読む相手にとって必要な情報を簡潔にまとめましょう。

例えば、社長や役員など、立場が上の方が現場の状況を把握するための報告書を作成するとします。その場合、現場の意見である「所見・所感」も重要ですので、しっかりと記載します。社長や役員の方は時間がない方が多いので、短く簡潔にまとめるように求められることが多いでしょう。

逆に、仕事中に何かトラブルやクレームがあり、上司や先輩に支持を仰ぎたいときの報告書は、詳細に書いた方がよいでしょう。同じトラブルを繰り返さないための対策の検討や、お客様の対応を上司にお願いするときなどに必要になります。

結論を先に書き、簡潔にわかりやすく要点を絞る

報告書を読む人は、結論を求めていますので、先に結論を書くように意識しましょう。結論の後に、その結論に至った経緯や理由などを書いていきます。

だらだらと書かずに要点を絞って書くと、簡潔でわかりやすい報告書になります。報告すべきポイントがどこなのかをしっかりと意識してまとめましょう。

また、あいまいな表現は避けて、数字などを使うようにしましょう。例えば「たくさんのお客様が来店した」では、人によってイメージする人数が異なります。「100名程度のお客様が来店した」のように数字を使うことで、報告書を読む人に正確に伝わります。

誤字脱字や表現などを声に出してチェックする

文章を書き終わったら、必ず提出前にチェックしましょう。誤字脱字の確認や、正しい日本語表現ができているかを確認します。文章の語尾が「ですます調」なのか、「である調」なのかもチェックが必要です。混同せずにどちらかに統一しましょう。

文章が長すぎたり、伝わりにくい表現は、声に出して読んでみると気づくことも多いです。できれば、提出前に声に出して読んでみると良いでしょう。

内容だけでなく「見た目」にも気を付ける

読みやすく上手な報告書は、「見た目」も見やすく作られています。「レイアウト」や「見出し」などにも意識して作成しましょう。

文頭はきちんとそろえ、「見出し」を読むと大まかな流れがわかるのが上手な報告書です。文の長さや改行のタイミングも意識すると、整った報告書になります。

社外の人向けの報告書は要約を1枚にまとめる

お客様など、社外の人向けの報告書は、社内の人とは少し違う配慮が必要です。基本的には、要約を1枚作成し、その後ろに詳細の内容を2,3枚つけておきましょう。時間のない方は要約を読むことができますし、詳細を知りたい方は詳細の内容を読むことができます。

報告書の構成はどのようにする?

報告書の構成についてご紹介しましょう。構成が整った報告書は、それだけで読みやすくなります。

所定の様式に従って日時・場所・内容を記入

一般的に、報告書には社内に決まった様式があります。ワードやエクセルのテンプレートが用意されていることが多いので、その様式に合わせて記入していきましょう。様式がない場合は自分で作成します。

例えば、日付、宛名、自分の名前を上に書きます。その次に標題を書き、項目ごとに詳細を書いていきます。最後に「以上」と書いて完成です。下に書き方例も載せていますので、参考にしてください。

報告書の構成は「標題・要旨・詳細」の3層構造

報告書の構成は、「標題・要旨・詳細」の3層構造が基本です。一番上に報告書の内容を一言でまとめた「標題」を書き、その下に3つ程度にまとめた「要旨」を書きましょう。最後に「詳細」として具体的な内容を書きます。

「標題」から書くのが難しいときは、「詳細」の文章を完成させてから、自分の思うポイントを「要旨」としてまとめ、最後に「標題」をつけると良いでしょう。

「客観的な事実」と「所見・所感」は区別する

報告書をわかりやすくするポイントは、「事実」と「自分の意見」を分けて書くことです。報告書の目的にもよりますが、「客観的な事実」を報告する書類であれば、「自分の意見」が不要なこともあります。

逆に、「意見」が報告書を読む人の参考になる場合もあります。その場合は、「所見」や「所感」という項目を作り、「自分の意見」をまとめておきましょう。

報告書の書き方例

業務報告書の書き方例

業務報告書は、毎日の記録をする「業務日報」が有名です。「業務日報」以外にも、月に1度提出する「業務月報」や、1週間の報告をする「週間報告書」などがあります。

基本的に会社にフォーマットがありますので、それを使いましょう。ここでは、業務日報の例を紹介します。

業務日報2019年3月5日
○○部 鈴木太郎
日時業務内容
9:00~11:002月売上報告会議 資料作成
11:00~12:002月売上報告会議
13:00~13:30B駅へ移動
13:30~15:00C社打合せ
15:00~15:30帰社
15:30~18:00C社資料作成
業務内容

1.「2月売上報告会議」について
2月の売上が前年度よりも10%UP。新商品がお客様より好評であることと、継続のお客様が増えていたため。その件についての資料を作成し、会議で報告した。

2.「C社との打合せ」について
C社にて、新商品についての疑問点や社内の意見をヒアリング。魅力やC社への利益が伝わっていないと感じた。次回に向けて資料の作成を行った。

イベント実施報告書の書き方例

イベントを開催したときなどに、主催者や協賛企業などに提出するのが「イベント実施報告書」です。イベントの規模にもよりますが、A4用紙1枚でまとめる場合もあれば、画像を添付して10ページ以上に及ぶものまで、様式はさまざまです。

ここでは1ページでまとめた例を紹介します。

イベント実施報告書2019年3月19日
株式会社○○ 佐藤 花子
イベント概要
名称親子で防災を学ぼう
日時2019年3月5日 13時~18時
場所○○県○○市○○会場
概要防災の有識者から、実践的な内容を学び、課題に取り組む
目的防災についての意識を高めつつ、地域の交流を図ること
人数小学生とその保護者10組(20人)
内容

1.13時 ○○大学○○教授による講演
防災に関する○×クイズや、画像を交えたわかりやすい解説により、好評。
普段から用意できることや、いざという時の対処法などを学んだ。

2.14時 けがをした時の救急法についての実践
けがをした時の危険性の解説と、身近なものを包帯として使う方法を紹介。

3.16時 災害時を想定した調理
災害時に用いられる袋を使い、親子丼を作成、試食。
いつもとは違う環境で、自分たちの手で作成する料理に参加者は感心していた。

結果

参加人数 10組(20人)
アンケート結果は別紙

研修やセミナー報告書の書き方例

社員研修や、セミナーの参加の後には、報告書の提出が必要なことも多いでしょう。ここでは、研修の報告書を紹介します。

2019年4月10日

佐々木部長殿

営業部 山田花子

研修報告書

標題の件について、下記のように報告いたします。

1.研修テーマ「ビジネス文書の作成について」

2.主催者名 株式会社○○

3.開催日時 2019年4月10日 9:00~17:00

4.開催場所 ○○会議室

5.講師   株式会社○○ 代表取締役 高木 桜 氏

6.研修内容 (1)ビジネス文書の基本
(2)ビジネス文書の種類
(3)ビジネス文書の作成、実践

7.所感

ビジネス文書は、目的に合わせて、相手の立場に立って作成することが大切と知りました。また、結論から簡潔にわかりやすく書くことの重要性を理解しました。
ビジネス文書の作成を実践する場面では、丁寧な添削とアドバイスをいただき、大きな学びとなりました。今後業務で活かしていけるよう努力していきます。

以上

まとめ

報告書の書き方のポイントは、誰が何のために使う報告書なのかを理解し、簡潔にわかりやすく書くことです。結論を先に書くことと、要点を絞ってまとめることを意識するとよいでしょう。わかりやすい報告書は、見た目が整っていることも大切です。レイアウトや文字の長さなども意識しましょう。報告書の書き方例なども参考にして、スムーズに報告書が書けることを応援しています。