「藪から棒」の意味とは?由来や使い方をわかりやすく解説

意表をつくようなことを言われたり、思いも寄らないことをされたりした時、「藪から棒に…」という表現を使うことがあります。しかし、普段は意識せず使っているせいか、言葉の由来や正しい使い方についてはあまり考えないかもしれません。

そこで今回は「藪から棒」の意味と由来をはじめ、使い方と例文、類語、また英語表現について解説したいと思います。

「藪から棒」の意味と由来は?

まず「藪から棒」の正しい意味と由来を紹介しましょう。

「藪から棒」の意味は「前触れなく唐突に事を起こす」

会話によく登場する「藪から棒」という言葉。シチュエーション的には「驚き」や「びっくり」という言葉がよく当てはまる表現です。

「藪から棒」とは「前触れなく唐突に事を起こす」、つまり「何のイントロダクションも予兆もなく、唐突にものごとをしたり、関係のない話を突然持ち出したりする」ことを指しています。

「藪」とは「草や竹などの低木が生い茂る場所」

現代では使うことの少なくなりましたが、森林や竹やぶなどを表す時に「藪」という表現を使うことがあります。「藪」とは「草や竹などを含む、低木や草木が生い茂る場所」であり、またうっそうと茂る草木が視界を遮り、先が見えず見通しが悪いエリアを指しています。

「藪から棒」の由来は「藪の中から急に棒を突き出すと驚く」

両サイドに藪が広がっていたとしましょう。草木がうっそうと茂り、藪の中がどのような状態であるのか到底計り知ることができず、藪の中の見通しすら効きません。そんな矢先に、突然棒が突き出たとしたらどうでしょうか?ほとんどの人が「唐突に、何?」と仰天することでしょう。状況によっては、ある種の不快感さえ抱くかもしれません。

「藪から棒」は藪の中から、予想もできないような時に、予告や案内もなく「突然」「唐突」に棒が飛び出てくる状況を「意表をつく行動のたとえ」として比喩的に表現したことわざとなります。

「藪から棒」の使い方と例文

それでは「藪から棒」の正しい使い方について解説します。例文とあわせてみてみましょう。

「藪から棒に」という副詞的な使い方もする

「藪から棒」は日常会話でもビジネスシーンでも、さほど堅苦しい印象を与えずに使うことができる、馴染みのあることわざとしても知られています。

たとえば「藪から棒である」「藪から棒な話」のように、名詞や形容詞的な使い方をすることが多いですが、「藪から棒に」と副詞的な意味合いで使うこともあります。文脈に合わせて「名詞」「形容詞」「副詞」と3つの使い方を柔軟にマスターしてみましょう。

「藪から蛇」との使い分けに注意

「藪から棒」と似たような表現に「藪から蛇」があります。「藪から出る」ものが「棒」から「蛇」に代わっただけで、意味は同じだと思い違いをしていませんか?

ちなみに「藪から蛇」の意味は「余計なことをして災難を招く」です。中の様子がわからない藪をつついて蛇を呼ぶ「藪をつついて蛇を出す」ということわざに由来すると言われていますが、「藪から棒」と「藪から蛇」には、それぞれ異なる意味があるため、使い方には注意が必要です。

たとえば、「藪から棒に何を言うんだ」という意味で、「藪から蛇に何を言うんだ」と使うのは誤りとなります。

「藪から棒」を使った例文

  • 本当に君は「藪から棒」に何の話を持ち出すつもりなんだ。
  • 「藪から棒」なつっこみは要らない。本題に焦点を当てて問題を解決していこう。
  • 同僚と真剣な話をしている時に邪魔するなよ。「藪から棒」もほどが過ぎるぞ。
  • 母の悪い癖は「藪から棒」に、全く異なる話題を振ってくることだ。

「藪から棒」の類語は?

会話や文章に合うように、時には言い換えをする必要もあるでしょう。「藪から棒」の類語について紹介します。

「藪から棒」の類語は「あに図らん」「出し抜けに」など

「藪から棒」の類語には「あに図らん」や「出し抜けに」、また「突として」や「計らずも」などがあります。「あに図らん」は「ものごとが心底から意外である状況」、「出し抜けに」は「思いがけず突然な様子」、「突として」は「突然」、そして「計らずも」は「多いも寄らないことに」となります。

また、あらゆる状況や文脈で言い換えができる類語としては「突然」や「不意に」などがあります。適切な言い換えが出てこない時は、これらの使いやすい類語を選ぶと良いでしょう。

「藪から棒」と似た類のことわざは「寝耳に水」

ちなみに「藪から棒」と似たような類のことわざに「寝耳に水」があります。意味は「突然の知らせに驚くこと」ですが、どちらかと言えば「藪から棒」も「寝耳に水」も良いイメージで使われることは少ないかもしれません。

しかし、この二つのことわざには軸の意味合いや使い方において多少の相違点があります。わかりやすい例を挙げてみましょう。

  • 予算を一気に3分の1まで削るなんて、藪から棒な話だ。(前触れもない突然な話に驚く)
  • 部長は先月離婚が成立したらしいが、寝耳に水の話だ。(突然の知らせに驚く)

この時、「予算を一気に3分の1まで削るとは、寝耳に水の話だ」とは言い換えができますが、逆に「部長は先月離婚が成立したらしいが、藪から棒な話だ」とするのは適切ではありません。

「藪から棒」を英語で表現するとどうなる?

日本独特の言い回しである「藪から棒」。一体、英語にするとどのような表現になるのでしょうか?

「藪から棒」は英語の定型フレーズ「out of the blue」

「藪から棒」は英語の定型フレーズ「out of the blue」を使いましょう。英語圏の職場や国際的な環境で仕事をしていると頻繁に耳にするフレーズで、意訳的に「青空から突然の稲妻」というようなニュアンスで使われます。文章の後にシンプルに付け加えて、突然でビックリしたことを表現しましょう。

「out of the blue」は良い意味でも、あまり良くない意味でも、両方のシチュエーションで使うことができます。この点においては、日本語の「藪から棒」のニュアンスと少し異なるかもしれません。

「藪から棒」を使った英語例文

  • He came up out of the blue and gave me a huge hug.
    藪から棒に現れたと思ったら、大きなハグをしてくれた。
  • My boss said just out of the blue,we should put one of our plants on market.
    ボスが藪から棒に「工場を売りに出そう」と言い出した。

まとめ

「藪から棒」は見通しの効かない藪から突然棒が出てくると誰もが驚く、という状況から生まれたことわざで、意味は「前触れもなく突然ものごとをする」となります。

使い方の点で注意したいのは「藪から蛇」との使い分けです。「藪から蛇」は「余計な真似をして災難を呼ぶ」となり、「藪から棒」とは意味や使い方が異なります。ビジネスシーンでは、相手に誤解を与えないように正しい表現を用いるように心がけましょう。