「命あっての物種」はどんな意味?使い方や類語を例文付きで解説

何かをしようとした時に、両親や祖父母などに「命あっての物種と言うでしょう?」と言われたことはありませんか?何となく「命を大切にしなさい」というニュアンスは伝わっても、正しい意味や使い方についてははっきりしない人も多いと思いでしょう。

今回は「命あっての物種」をピックアップし、読み方と意味をはじめ、使い方や類語と対義語、そして英語表現について解説していきます。



「命あっての物種」の読み方と意味は?

まずはじめに「命あっての物種」の読み方と意味から解説します。

「命あっての物種」の読み方は「いのちあってのものだね」

「命あっての物種」を読む時に気を付けたいのは「物種」の部分です。「物種」の正しい読み方は「ものだね」(「ものだね」と濁る)で、「ぶっしゅ」や「ものたね」と読むのは誤りとなるので気を付けましょう。

「命あっての物種」とは「命があってこそできるものである」

「命あっての物種」の意味は「命があってこそできるものである」です。人は命がなければ何も成し得ることはできません。つまり「何事も命あるからできる」そして「命がなければ何もできない」という意味となります。

「物種」とは「ものごとの根源となるもの」また「野菜や草木の種」を指しますが、「命あっての物種」の場合は前者の意味「ものどとの根源」で使われています。「命あっての物種」は「いかなる時でも命を大切にし、命の危険にかかわるようなことはするべきではない」と意味合いが裏側に隠れていることわざなのです。

歌詞やアニメのセリフにも「命あっての物種ってな」

ちなみに「命あっての物種」は歌の歌詞やアニメのセリフにも登場しています。「生きているからこそで何でもできるんだ。戦えるんだ。」という強いメッセージがたっぷり歌詞やセリフに込められているのでしょう。

「命あっての物種」には「命がなければ何もできない」、だからこそ「命があることへの感謝を忘れてはならない」という視聴者へのメッセージが託されているのかもしれません。

「命あっての物種」の使い方と例文

続いて使い方について触れてみます。「命があってこそ…」という思いを秘めたことわざでもありますが、どのような場面で適切に言葉の威力を発揮するのでしょうか?例文と併せて解説します。

「命を大切にすべき」という戒めの意味が強い

「命あっての物種」は「生きている限り何でもできる、可能である」という希望と可能性を秘めたことわざですが、それと同時に「命を大切にすべき」という戒めの意味も強く伝わる表現でもあります。

時に人というものはスリルや危険なものに惹かれ、命の重さや尊さを軽視してしまうこともあるでしょう。そのような場面で一旦足を止め「生きていることの有難さ」を振り返るために、これから始める行動への戒めの言葉として「命あっての物種」を使うことがあります。

「命あってのものだね」とするのは誤り

「命あっての物種」を口語で用い、耳伝いで理解すると、人によっては「命あってのものだね」(命あってのもの、だね!)」と誤って解釈してしまうことがあります。

「命あってのものである」の口語的な表現として使うのは、本来の使い方とは路線が外れてしまいますので、「物種=ものごとの根源」の部分をしっかり理解し、正しい使い方をするようにしましょう。

「命あっての物種」を使った例文

  • お酒やたばこもほどほどにしよう。何事も「命あっての物種」だからね。
  • 「命あっての物種」。仕事も大切だけど年に一度の検診は必ず受けるべきです。
  • 危険な場所にあえて行くなんて…。「命あっての物種」というじゃないか。
  • 「命あっての物種」だから、死ぬまで家族や友人を大切にしたい。

「命あって物の種」の類語と対義語は?

それでは「命あっての物種」を別の表現に言い換えることはできるのでしょうか?類語とあわせて、対義語にも触れていきます。

類語は「身ありての奉公」や「死んで花実が咲くものか」など

「命あっての物種」の類語となるのは、「身ありての奉公」や「死んで花実が咲くものか」があります。

「身ありての奉公」は「生きているからこそ一身をささげ、主人(国や主君)に尽くすことができるものである」、また「死んで花実が咲くものか」は「命が尽きれば、万事おしまいである」という意味があり、「生きているからこそ、できるんだ」というニュアンスが強く響く表現となっています。

また「命あっての物種」をわかりやすい表現に言い換える時は「命あっての事」、加えて「命は何にも代えがたい本当に大切なもの」というニュアンスを強調するなら「命は宝の宝」や「命に過ぎたる宝なし」を使うこともできます。

対義語は「命より名を惜しむ」や「虎穴に入らずんば虎子を得ず」など

一方、「命あっての物種」の対義語と考えられるのは、「命より名を惜しむ」や「虎穴に入らずんば虎子を得ず」などです。

「命より名を惜しむ」は「命より名声や名誉を重んじ、恥をかくくらいなら命を投げ出したほうがよい」、また「虎穴に入らずんば虎子を得ず」は「危険をおかさなければ、成功や結果を得ることはできない」ということをたとえたことわざです。

百獣の王「虎」の穴に入り虎の子を得るとは、何とも命知らずな行動でしょうか。大成功の裏側には生死が問われる選択がある、という意味合いとしても解釈ができるでしょう。

「命あっての物種」を英語で言うと?

最後に英語表現について紹介します。「命あっての物種」を英語で言うとどうなるのでしょうか?

英語では「While there is life, there is hope」などを使う

英語圏では「命あっての物種」を、相手に理解しやすいように意訳し表現します。最もよく使われるのは「While there is life, there is hope(生きている限り希望がある)」と「It’s not worth risking my life for(危険に身をさらすなど価値がない)」の二つです。

たとえば、危険とされる山岳地帯にあえて挑もうとする人や、身をさらすような危険な賭けに出る時に、「もう一度考え直してみるべきだよ」というニュアンスで使ったりします。

「命あっての物種」を使った英語例文

  • You are not physically fit.Please stop and think once again to summit Mt.Everest. You know while there is life, there is hope,don’t you?
    エベレストを目指すなんて、命あっての物種というじゃない。

まとめ

生きているからこそ、呼吸をしているからこそものごとが成し得る…。普段生きていることを意識して生活している人はごく稀であるかもしれませんが、逆に「命がなくなってしまえば、何もできない」という風に解釈すると、毎朝目を覚ました時に「仕事が辛くても命あっての物種だ。とにかく頑張ろう」と、自分の肩を押すこともできるでしょう。

また「命あっての物種」は注意喚起や戒めの意をもって使われることもあります。今回は「自らをあえて危険な目にさらすな」という天の声としても受け止めたい「命あっての物種」について紹介しました。

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某私立大経営学部卒、大手旅行会社、商社を経て、豪州へ移住。米国PCメーカーのカスタマー部に勤務後、カンガルーやエミューのいるNSW州の片田舎で生活を開始。田舎暮らしをきっかけにフリーランス(ライター・翻訳)に転身し現在に至る。趣味はゴルフ、料理、ローカルとのゴシップ、キャンプ。