「迎合」の意味とは?使い方や類語・英語表現も解説【例文あり】

普段の会話ではあまり使われることのない「迎合」ですが、ビジネスシーンではよく耳にする言葉です。意味や使い方を知らずに使っていると相手が困惑してしまうこともあるため、しっかりとした言葉への理解は不可欠です。

さっそく「迎合」の意味や四字熟語を中心に、類語や対義語と併せて英語表現を紹介しましょう。

「迎合」の意味と読み方

まずはじめに「迎合」の正しい意味・読み方を紹介しましょう。

「迎合」の意味は「媚びを売る」

「迎合」は「相手が気に入るように調子や意見を合わせること」という意味があります。自分の考えや気持ちはさておき、相手に合わせて受け答えをすることを表すため相手の言いなりになって行動をすることを指します。

また「迎合」は「あいづち」を意味するるため「相手が言う言葉に対し何にでもあいづちを打って気持ちを合わせる」という意味も含まれています。「相手が気に入るように考えや態度を変えたり媚びを売ること」が「迎合」です。

読み方は「げいごう」

「迎合」は「げいごう」と読みます。

「協調」との違い・「迎合」を使った四字熟語

「迎合」と「協調」の違いは一方的かどうか

「迎合」に似た言葉に「協調」がありますが「迎合」とは根本的に異なる点があります。「迎合」は自分の考えを曲げて相手に合わせるさまという「一方的」な状況を指しますが、「協調」は「お互いに協力しあうこと」を意味します。

また「迎合」は「自分だけ納得をして相手に合わせて言動を取り繕うさま」を指しますが、「協調」は「双方が一緒に納得して調子を合わせること」になるため、この点で意味が異なります。それぞれの言葉の意味に気を付けて上手に使い分けをしていきましょう。

「迎合」の四字熟語「阿諛迎合」

「迎合」を使った四字熟語に「阿附迎合(あゆげいごう)」があります。意味は「迎合」とほぼ同じ、「好かれるために自分の考えを持たず媚びを売り、相手の言いなりになること」です。広い意味で言えば「相手に合わせて態度や言葉、考えや趣向を変える」という意図があります。

また同じ意味の四字熟語には、「阿附迎合(あふげいごう)」「阿諛取容(あゆしゅよう)「阿諛追従(あふついしょう)「八方美人(はっぽうびじん)」があります。

「迎合」の使い方と例文

「迎合」もしくは「迎合する」と使う

「迎合」は「迎合」もしくは「迎合する」というように使われます。先ほど紹介したように相手に自分の態度や考えを合わせていく場面で用いますので、「取引先に迎合する」「賛成派の意見に迎合する」といった表現もできるでしょう。

ビジネスで使える例文

  • 10年来の取引先とはできるだけ迎合しながら付き合いを続けたい
  • 景気が回復したのにアベノミクス批判に迎合するというのもいかがなものか。
  • 時代の風潮に迎合するのはまっぴらご免である
  • 私は頑固なせいか相手に迎合しようとは思わない

「迎合」の類語・対義語

それでは「迎合」の類語にあたる言葉を紹介します。状況に合わせて適切な類語を選んでみるとよいでしょう。

「迎合」の類語は「ゴマをする」「おべっかを使う」など

「迎合」の類語には「ゴマをする」「おべっかを使う」「媚びへつらう」「機嫌を取る」「顔色をうかがう」「お先棒を担ぐ」「おだてる」「太鼓持ちをする」「色目を使う」「尻尾を振る」などがあります。

「迎合」は他人に好かれようとおべっかを使うことですが、誰に対してどのような場面で使うかで類語の使い方が異なります。モダンな表現を使って「迎合」を表す言葉も多くあるため、適切な類語を選ぶことが大切です。

口語の類語は「ヨイショする」「イエスマンになる」など

口語表現として多く使われる「ヨイショする」「イエスマンになる」「ペコペコする」なども。迎合の類語に属します。

対義語は「批判」「反抗」

迎合の対義語は「批判」「反抗」となります。迎合は相手の言いなりになることを指しますので、逆に相手に逆らうことや物事の正しさ・誤りを論じることなどが対義語だと言えます。

対義語にあたる四字熟語には、「直言極諌(ちょくげんきょっかん)」「侃々諤々(かんかんがくがく)」「廷諍面折(めんせつていそう)などがあります。

「迎合」の英語表現と英文例


最後に「迎合」の英語表現について紹介します。取引先や勤務先が海外企業の場合、社内でのゴシップや取引先との関係ややりとりについて「迎合」を使うことがあります。

「迎合」の英語は「flatter」

「迎合」で最も適切なのが「flatter」「pander」でしょう。「ゴマをする」「おべっかを使う」という意味で広く使われています。

また職場仲間との会話でよく使われるのが「suck up」「butter up」ですが、あまり良い感情を持って使う言葉ではありません。これらの言葉を使う時は話す相手に気を付けて会話に取り入れるようにしましょう。

「迎合」を使った英文例

  • I am getting sick and tired of sucking up my boss.
    上司に対し迎合する(ゴマをする)ことに飽き飽きだよ。
  • I flatter my superior only because I want to keep my position nice and easy at work
    上司に迎合する(ゴマをする」のはできるだけ仕事をしやすい環境にするためだよ
  • I think it is rather important to flatter clients occasionally to get more contracts.
    もっと契約をもらうために時には迎合(おべっか)も大切だと思うよ
  • Don’t you get annoyed how people often pander to those who have an authority?
    権力がある人に迎合している(媚びを売っている)人って見ててイライラしない?

まとめ

「迎合」は普段の生活にさほど登場する言葉ではないですが、日本社会には「迎合」を余儀なくされるシーンがいくつもあります。

自分の意思や考えを曲げてでも相手に気に入られようとすることが、果たして正しいのか正しないのか?その答えを見出すことはできませんが、日本の職場においては少なからず必須なスキルだと言えそうです。

職場でいみじくも「お調子もの」と呼ばれている人もいると思いますが、「阿諛迎合」が浸透している職場なら逆に良い意味でとらえたほうが先々明るいかもしれませんね。