「肉を切らせて骨を断つ」の意味とは?由来と例文・類語も紹介

「肉を切らせて骨を断つ」ということわざをご存知でしょうか?言葉の響きから非常に痛々しいイメージが伝わってきますが、実は勝つために武道で使われる言葉でもあります。

今回は「肉を切らせて骨を断つ」に注目し、意味と由来をはじめ、使い方や類語、英語表現をわかりやすい例文とあわせて紹介したいと思います。ぜひ、ビジネス戦略にも活用できる言葉としてマスターしてみて下さい。



故事「肉を切らせて骨を断つ」の意味と由来は?

まず「肉を切らせて骨を断つ」の意味と由来から紐解いていきましょう。

意味は「自分も傷つく覚悟で強敵に大きな打撃を与える」

「肉を切らせて骨を断つ」は、「自分も傷つく覚悟をし、強敵にそれより大きな打撃を加える」という意味を持ちます。「肉」は「自分の身(肉)」のことで、「骨」は「相手の身(骨)」を指し、自分より強い相手と戦う時、自分も痛手を負う覚悟を決めて、相手にそれより激しいなダメージを与えるという意味があります。

また、広い意味で考えれば「捨て身になって戦う」と解釈することもできるでしょう。

由来は「剣道で強敵に勝つための真髄」

もともと「肉を切らせて骨を断つ」は「剣道」で使われている言葉で、自分より強い相手を打倒するための真髄や極意として知られています。これが「肉を切らせて骨を断つ」の由来です。精神統一や相手の動きを読むことが勝敗を左右する武道では「肉を切らせて骨を断つ」をはじめとする「気合」につながる攻撃手段も必要なのです。

「肉を切らせて骨を断つ」の使い方と例文

それでは、実際に「肉を切らせて骨を断つ」をどのように使ったらよいのか、正しい使い方と例文をあわせて紹介します。

「肉を切らせて骨を断つ」をビジネスで活用することも

「肉を切らせて骨を断つ」は剣道や戦いを舞台とする場面で使われる言葉であるため、日常生活で使う機会はあまりないかもしれません。しかし、駆け引きやバトルに似た取引が繰り広げられるビジネスシーンでは「肉を切らせて骨を断つ」を上手に活用することがあります。

たとえば、一見、批判を浴びるような変わった商品をプロデュースするとしましょう。最初は、ネガティブなコメントがちらほら見受けられても、次第に商品が武器とする利点やプラスの面が浮き彫りになってきます。ライバルを安心させておいて(肉を切らせる)、最後に売上や評判で相手を負かす(骨を断つ)のです。こういった戦略において「肉を切らせて骨を断つ」が秘める極意は意味を成してきます。

「骨を断たせて肉を切る」は誤った使い方

「肉を切る」と「骨を断つ」の順番を変えて「骨を断たせて肉を切る」とするのは、基本的に誤りとなります。言葉の意味合いを考えれば「肉を切る前に骨を断つ」という表現では筋が通らないでしょう。

「肉を切らせて骨を断つ」を使った例文

  • 「肉を切らせて骨を断つ」の極意に学び、弱小企業が巨大市場に乗り込む。
  • どう考えても無茶な試みだ。「肉を切らせて骨を断つ」とは言うが私は反対だ。
  • 「肉を切らせて骨を断つ」とは言うが、チームを破滅させないよう念入りにプランを立てよう。

「肉を切らせて骨を断つ」の類語は?

それでは「肉を切らせて骨を断つ」の類語について、二つのことわざを紹介します。

「皮を切らせて肉を切り、肉を切らせて骨を切る」

「肉を切らせて骨を断つ」とフレーズ自体に似た部分が多い「皮を切らせて肉を切り、肉を切らせて骨を切る」は「自分を犠牲にし相手により強い打撃を与える」という意味で使われる表現です。自分の皮をあえて相手に切らせて、相手の肉を切り、そして自分の肉をわざと切らせて、相手の骨を切るという意味です。

「肉を切らせて骨を断つ」に別の表現を冒頭に加えることで、相手に先手を打たせ、徐々に攻撃を繰り返す様子がうかがえます。

「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」

「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」は「自分の命を犠牲にする覚悟がなければ、何も成就することはできない」という意味を持ちます。別の言葉で言えば「自分の命を犠牲にする覚悟を決めてこそ、成功に辿り着くことができる」となり、険しい窮地から脱出するための、心得のような意味合いを持つことわざとして知られています。

「肉を切らせて骨を断つ」を英語で言うとどうなる?

国際環境で仕事をする人は英語でのフレーズもマスターしておきましょう。さて、英語ではどのような表現を用いるのでしょうか?

「肉を切らせて骨を断つ」は英語で「Lose a battle to win a war」

「肉を切らせて骨を断つ」を英語に訳す時は直訳せず、言葉の意味を捉えてから英語のフレーズらしく意訳をします。

非常に難しい表現なのですが、この場合、意味の解釈を柔軟にして「大きな戦いに勝利するために、小さな(局所的な)戦いに負ける」という意味の「lose a battle to win a war」を使いましょう。つまり「小さなバトルにはあえて負けるようにし、全体的なバトルには結果として勝利を収める」というようなニュアンスです。

また「捨て身で戦い勝つ」という意味で使うなら「fight to death for victory」となります。

「肉を切らせて骨を断つ」を使った英語例文

  • Let them have a couple of small contracts. We will conquer the market at the end by losing a battle to win a war.
    小さな契約なんて気にするな。「肉を切らせて骨を断つ」というように、最後に勝つのは我々だ。
  • Let’s win the battle as if we fight to death for victory.
    「肉を切らせて骨を断つ」かのごとく、死ぬ気で戦って勝利を勝ち取ろう。

まとめ

「肉を切らせて骨を断つ」は剣道で強敵を打ち負かすための極意として知られ、現在はビジネスやマーケットにおける戦略として活用されています。意味は「自分自身が痛手を受けることを覚悟しながら、強い相手に大きな打撃を与えること」です。

「肉」「切る」「骨」「断つ」という4つのパワフルな言葉が入ることわざでもありますが、意味を正しく理解していれば、適切な場面で正しく文章に取り入れることができます。今回は、できるビジネスマンとしてもボキャブラリに加えたい「肉を切らせて骨を断つ」を紹介しました。

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某私立大経営学部卒、大手旅行会社、商社を経て、豪州へ移住。米国PCメーカーのカスタマー部に勤務後、カンガルーやエミューのいるNSW州の片田舎で生活を開始。田舎暮らしをきっかけにフリーランス(ライター・翻訳)に転身し現在に至る。趣味はゴルフ、料理、ローカルとのゴシップ、キャンプ。