「多勢に無勢」の意味とは?類語や反対語と一緒に英語も紹介

戦いや対決など勝敗を決めるシーンは意外と日常生活に溢れているものです。そして、勝利を収めるのは何故か人数が勝る方、つまり「多勢」であることが多いことに気づきます。

今回は「多勢に無勢」という有名なことわざをピックアップし、意味をはじめ、使い方と例文、類語と反対語、さらに英語表現を交えて紹介しています。この機会にボキャブラリーをグレードアップしましょう。

慣用句「多勢に無勢」とは?

最初に「多勢に無勢」の読み方や意味について解説します。

「多勢に無勢」の読み方は「たぜいにぶぜい」

「多勢に無勢」の正しい読み方は「たぜいにぶぜい」です。「多勢」の箇所を「おおぜい」、また「無勢」を「むぜい」と、それぞれ読み違いをしないように気を付けましょう。

意味は「戦いで相手が多人数に対し少人数だと敵対できない」

「多勢に無勢」とは「相手が多人数に対し、こちらは少人数なので、敵対することは困難である」という意味を持ちます。つまり、相手の人数が多い場合、少数の力では到底及ばず、勝つことができないことを指す言葉です。

「多勢に無勢」の現代における問題は「いじめ」

大勢の人数で少数派を徹底的に攻撃する現代の問題として「いじめ」が挙げられます。インターネットが大幅に普及し、特に深刻な社会問題となっているのが「ネットいじめ」です。SNSを通じてのいじめを考察すると、「多勢に無勢力」の状況が強く影響した結果と言えます。

「多勢に無勢」の使い方と例文

続いて「多勢に無勢」の使い方について解説します。実際に言葉を正しく使えるように、わかりやすい例文も併記しました。

「多勢に無勢」は数の上で圧倒的に不利な時に使う

「多勢に無勢」で着目したいのは「所詮、数の上で不利な状況」という点です。そもそも「多勢」は「大きな力」や「大きな勢力」を意味する言葉ですが、たとえ少数でも「多人数に勝てるかもしれない?」という場合があります。しかし、「多勢に無勢」はどう考えても「少数派が数の上で不利」という時に使いましょう。

一方、少数の勢力でも、能力やスキルなどの観点から、多勢である相手を打ち負かすことができそうな場合は「多勢に無勢」を使うのは適切ではないと言えます。

「多勢に無勢」を使った例文

  • 「多勢に無勢」というように、一人が主張しても、その他が全員が反対すれば却下される。
  • 大勢のロックファンにクラシック派は私一人。「多勢で無勢」で楽曲はロックに決まった。
  • 「多勢に無勢」で、100匹の鹿は1匹の狼を追いやることもできる。
  • 弱い雀でも「多勢に無勢」というように、強い鷹から身を守ることができるだろう。

「多勢に無勢」の類語と反対語は?

「他詠に無勢」と似たような意味を持つ言葉はあるのでしょうか?類語とあわせて対義語を紹介します。

「多勢に無勢」の類語は「衆寡敵せず」

「衆寡敵せず」は「人数の上では、多人数に少人数は所詮かなわない、相手にならない」という意味の言葉です。古風な響きのある言葉ですが、そもそも鎌倉時代に足利義輝が松永久秀率いる軍隊に攻撃された時、一人で名刀を次から次へと替えて戦ったが、あえなくやられてしまったことが由来とされています。もちろん、現代でも「多勢に無勢」と同じようなニュアンスで使われていることわざの一つです。

「多勢に無勢」の反対語は「寡を以て衆を制す」

一方、「多勢に無勢」の対義語となる言葉は「寡を持って集を制す」です。上記でお話した「衆寡敵せず」に真っ向から対立し、「少人数でも多人数に勝利することができる」という意味となります。「少人数でも希望を捨てるな!」と少数派の相手を励ます意図で使われることもあります。

「多勢に無勢」を英語で表すとどうなる?

国際的な環境にいる人は「多勢に無勢」を英語で表現する機会も出てくるでしょう。英語らしい比喩を用いたフレーズを紹介します。

「多勢に無勢」は英語で「Many a sheep drive away a wolf」

英語では比喩的な表現を使うことが多いですが、「多勢に無勢」も然りで「大勢の(おとなしい)羊は一匹のオオカミを追いやる」という意味の「Many a sheep drive away a wolf」と表現します。

また、少数派のセリフで代表的なのは「We are outnumbered(人数で負けている)」です。多数決で結果を決める際や、ビジネス戦略で明らかに相手の足元にも及ばないような人数で戦う時に「勝ち目はない…」という感情を持って使われます。

「多勢に無勢」を使った英語例文

  • Look! There is a hundred people saying “No”. We are totally outnumbered.
    反対している人が100人もいるよ。これじゃ完全に「多勢に無勢」だよ。
  • As saying many a sheep drive away a wolf,  numbers really matter.
    「多勢に無勢」というように、人数がやはりモノをいう。

まとめ

「多勢に無勢」は「たぜいにぶぜい」と読み、意味は「人数の上では、所詮、多人数に少人数は勝ち目はない」となります。

現代はネットを使った「いじめ」の問題が深刻化していますが、これは「多勢に無勢」の悲しい結果とも言えます。しかし、同時に「寡を以て衆を制す」の意味も理解して、心を強く育てることも必要でしょう。以上「多勢に無勢」を紹介しました。