「象牙の塔」の意味とは?語源と使い方もあわせて解説(例文付き)

「象牙の塔」ということわざをご存知でしょうか?一見どこかに存在するアート作品のようにも思えるかもしれませんが、芸術家や研究家が好むライフスタイルに関する言葉です。

今回は「象牙の塔」の意味と語源はもちろん使い方を例文付きで、また関連本や英語表現についてまとめています。この機会に「象牙の塔」をマスターしましょう。



「象牙の塔」の意味と語源は?

最初に「象牙の塔」の意味と由来から見ていきます。類語の例を含め、元々の意味と現在の意味との違いに着目しながら説明していきます。

「象牙の塔」の元々の意味は美しい「女性の首」

「象牙の塔」は上記でお話した現在の意味の前に、別の意味として使われていました。実は旧約聖書の中に「汝の首は象牙の塔のごとし」とあり、女性の首だけではなく、女性全体の美しさを表す言葉として広まったそうです。これが元々の意味の由来となっています。

「象牙の塔」の現在の意味は「学者が現実社会から疎遠になること」

「象牙の塔」の現在の意味は「研究者や芸術家などが、現実社会から離れ、疎遠になること」です。

研究や自分の追い求めるものに熱心になることで、現実から逃避したライフスタイルを送ることになりますが、こうした中で閉鎖社会に閉じこもり、浮世離れした生き方をすることを「象牙の塔」と言います。

「象牙の塔」は由来は仏語「tour d’ivoire」

芸術をこよなく愛する国と言えばフランスですが、現実から離れることを恐れず、自分の追求する世界を守ることを美徳とする風潮も高いのも文化的な魅力でしょう。

現在の意味については、「象牙の塔」はフランス語で「象牙の塔」を意味する「tour d’ivoire(トゥール・ジボアールと発音)」が由来となっています。この言葉は批評家サント・ブーブが現実逃避を推奨するロマン派を強く非難した言葉として知られ、フランス国内に瞬く間に広がった一つでもあります。

「象牙の塔」に類語はある?

「象牙の塔」と言い換えのできる正しい類語は見当たりません。しかし「象牙の塔」を説明すると「閉鎖社会」や「排他的社会」、また「内向きな社会」となるため、ある意味では類語として考えられます。ただし、全てのシチュエーションに当てはまるとは限らないため、言葉の選択は慎重に行うことが必要です。

「象牙の塔」の使い方とよく使う熟語表現

「象牙の塔」を正しく使うためには、意味と併せてよく使われる熟語表現を覚えておくと便利です。

「象牙の塔」は現実離れした生活を皮肉るように使う

「是王毛の塔」を使う時は、過酷な現実社会に生きる人が「俗世界」から遠のき、芸術や研究などを含め、孤高の極みを楽しむ人に対して「皮肉る」ように使われるのが一般的です。

研究室や人里離れた場所に母屋を構え、一人もくもくと活動することに対し、浮世離れた世界にいることへの「皮肉の言葉」として放たれます。

象牙の塔の住人

「象牙の塔の住人」は現実から離れ、閉鎖社会で生活を送る大学の研究者や芸術家、また文化継承者などに対して使われる言葉です。つまり「世間を知らない」いうことを揶揄して、皮肉的に使われる表現となります。

「象牙の塔の住人」と囁く心の裏側には、「私たちは現実社会で辛く厳しい状況に身を置いているが、象牙の塔の住人なら、おそらくその苦労など理解はできない」といった感情が隠れているのでしょう。何となくうらやましいと気持ちと、またそうしたくてもできないジレンマが絡んでいるのかもしれません。

象牙の塔にこもる

「象牙の塔にこもる」は研究やアート作成などに熱中し、研究所やアートスペースから一歩もでることなく、その場所にこもることを指します。使い方の例としては「象牙の塔にこもりっきりにならないで、たまには散歩でもしたら?」などのようになります。

象牙の塔階

「象牙の塔階」は、研究室や専門家がこもる部屋がある「階層」を、皮肉った意図で表現するときに使われます。「象牙の塔」は浮世離れしたスポットであることから、このような表現が生まれたと考えられます。「8階は象牙の塔階だから、何故かとても静かなんだよね」が使い方の例となります。

「象牙の塔」を使った例

  • 「象牙の塔」と言われてもいい。山里離れた一角にアートギャラリーを開きたい。
  • 大学の一室にこもっている私を、人は「象牙の塔」の住人と皮肉る。
  • 「象牙の塔」とも言うべき研究所は静寂な空間を唯一保てる場所であるのだ。

筆者おすすめ!「象牙の塔」の関連本

「象牙の塔」が一体どのような世界であるのか知りたい人は、「象牙の塔」に関する本を読むのも良いアイデアです。世間の声を含めて私がおすすめする関連本を2つご紹介します。

『象牙の塔を出て』

日本に「象牙の塔」という表現を最初に紹介されたのがこの一冊、厨川白村の『象牙の塔を出て』です。閉鎖的な社会は一体どのようなものであるのか、現実社会とのジレンマと特殊な生き方を語る本となっています。

『象牙の塔の殺意』

大学で数学を研究し、教授への昇格が近づく相良と、製薬会社に勤務する一般社員が繰り広げるサスペンス本。権力争いや盗難事件など「象牙の塔」に潜むミステリーを謎解き感覚で読み進めることができる一冊です。

「象牙の塔」は英語で何という?

最後に英語表現について触れてみましょう。さて、英語で「象牙の塔」はどのようにフレーズになるのでしょうか?

「象牙の塔」は英語で「ivory tower」

英語で「象牙の塔」は「ivory tower(アイボリー・タワー)です。ご存知の通り、アイボリーは「象牙」のことで、「ivory tower」で「象牙の塔」となります。

日本語のことわざを英語にする時は直訳をすると意味が通じないことが多いですが、「象牙の塔」の場合は、世界的に有名なフレーズであるため、そのまま直訳で大丈夫です。英語圏でも、場合によってはフランス語の「tour d’ivoire」で意味が通じる場合もありますが、おそらく文学や芸術に携わる人に限られるかもしれません。

「象牙の塔」を使った英語例文

  • You have been stuck in the lab, but need to get out so called the ivory tower soon enough.
    ずっと研究室に閉じこもっているけど、そろそろ「象牙の塔」を出ないとね。
  • My love to the art will  never die even though they pick on me saying you are from from ivory tower.
    「象牙の塔」の人と言われても、芸術を愛する心は変わらない。

まとめ

「象牙の塔」はフランス語の「tour d’ivoire」が現在の意味での由来となり、「学者が現実逃避をした生活を送ること」を皮肉った形で使われることわざとなります。「象牙の塔」で生きて行くのもただならぬ決断があると考えられますが、現実社会に戻った時のギャップも、ただならぬ大きさだと言えるかもしれません。

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某私立大経営学部卒、大手旅行会社、商社を経て、豪州へ移住。米国PCメーカーのカスタマー部に勤務後、カンガルーやエミューのいるNSW州の片田舎で生活を開始。田舎暮らしをきっかけにフリーランス(ライター・翻訳)に転身し現在に至る。趣味はゴルフ、料理、ローカルとのゴシップ、キャンプ。