「虎の子」の意味と語源は?使い方や英語に「虎の子渡し」も解説

「虎の子」と聞いたらお金!と思った方も少なくないのでは?でも、どうして「虎の子」がお金のことを意味するようになったのでしょうか。今回は「虎の子」の意味と語源を解説し、さらに「虎の子」の正しい使いや英語表現も紹介します。また、ことわざ「虎の子渡し」の意味も説明します

「虎の子」とは?意味と語源を解説

「虎の子」の意味は「大切にして手放さないもの」

「虎の子」は「とらのこ」と読みます。その意味は言葉通りに「虎の子供」という意味もありますが、一般的な意味として「大切にして手放さないもの」という意味があります。

親の虎は自分の子供がかわいくて大変かわいがるところから「大切にして手放さないもの」という意味が生まれました。

一般的には「秘蔵の金銭や品物」という意味がよく使われる

「虎の子」には「秘蔵の金銭や品物」という意味もあり、この意味が一般的にはよく使われます。人が手放さないものと言えば、金品が代表的なものだからでしょう。

具体的に「秘蔵の金銭や品物」とは何かというと、お金、貯金、資産や宝石などのことを指します。

「虎の子」の語源は虎の母性だった

「虎の子」という言葉が生まれたのは、虎の習性である子供を思う強い母性から生まれました。虎は子供を大変かわいがりながら育てるという習性があります。その母性たるや、ほかの動物の子育てと比べると顕著だそうです。

虎と同類の猫ならば親離れは4ヶ月~6ヶ月ほどですが、虎は2年ほどしてやっと親離れをします。そのように長い時間をかけて子供をなかなか手放さない虎の習性から、「虎の子」という言葉が生まれました。

「虎の子」の使い方と例文

「虎の子」と言えば「資産」のこと

「虎の子」の最もよく使われる使い方は、お金を含めた「資産」のたとえです。手放したくないものとは何かと連想したときの答えが「お金」というのが一般的であるため、「お金」や「貯金」の意味としてもよく使われます。

例文:
「現状は苦しいが、虎の子があるからやり直せる」
「身なりは贅沢ではないけれど、あの人は虎の子をちゃっかりと持っているらしい」
「亡くなった祖母から虎の子を贈与された」

「金品」の意味で使う「虎の子」

「虎の子」を宝石や高級時計などの金目になるような物品について指すときもあります。

例文:
「泥棒に入られて、宝石などの虎の子を盗まれた」

「かわいがっている子供」の意味で使う「虎の子」

親から可愛がられている子供のことを「虎の子」ということがあります。親虎が虎の子を大変かわいがるように、人でも自分の子供を大変かわいがる親がいます。親からすればその子供はまさに「虎の子」、手放せない存在です。

例文:
「大切に育てた虎の子がわが社を継いでくれるなんて感無量だ」

「虎の子」の英語表現

「虎の子」の直訳なら「tiger cub」

「虎の子」を言葉どおりに「虎の子供」と考えるなら、その訳は「tiger cub」です。「tiger」は「虎」で、「cub」は肉食系の動物の子供に使われる表現です。虎以外にも、キツネや熊、ライオンなどの子供には「cub」が使われます。

「虎の子」の意訳は「one’s nest egg」

「虎の子」の意味としてよく使われるのが、アメリカ英語で「one’s nest egg」(直訳:誰かの巣の卵)です。意味は「不時に備えた用意金」です。「egg」(卵)はお金にたとえて、その卵を「nest」(巣)で大事に温めている様子から生まれた表現です。

例文:
“This nest egg helps us, when we will be retired.”
「この虎の子が年金生活になった時に助けてくれる」
“I have a good idea to have saving as a nest egg.”
「虎の子を貯めるいい考えがある」

「虎の子渡し」の意味とは?

「虎の子」が用いられたことわざ「虎の子渡し」。「虎の子」とは違う意味を持ったことわざです。このことわざの意味と由来を解説します。

「虎の子渡し」とは「苦しい生計をやりくりするたとえ」の意味

「虎の子渡し」とは「苦しい生計をやりくりするたとえ」です。「息子が社会人になってくれてほっとしたよ。生計はずっと苦しかったものの、なんとか虎の子渡しのようにやってきたからね。」のように使います。

どうしてこのような意味になったのかというと、それは「虎の子渡し」の由来と大きく関係しています。

「虎の子渡し」の由来は中国の逸話

「虎の子渡し」という言葉が生まれた背景には、中国で生まれたある逸話があります。

虎の子が3匹の子供を産むと、一番最初に最初に生まれた彪(ひょう)になると言われていました。その彪は他の虎の子を食べようとするものですから、親は川を渡るときに、最初にその彪を対岸に渡らせます。次に、二番目の虎の子を渡らせると、川を渡らせた彪をもとの岸に戻させます。最後に、3番目の虎の子を渡してから、再び彪を渡らせました。

虎の子がすべて彪に食べられることなく生き残ることができたというエピソードです。

まとめ

「虎の子」とは虎が虎の子を大変かわいがる様子から「大切にして手放さないもの」または「秘蔵の金品」の意味があります。ただし一般的には、「虎の子」はお金などの資産の意味で使われることが多いです。