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「青年期」の年齢とは?特徴・発達課題や「壮年期」「思春期」も

「青年期」と言えば、10代の思春期の頃のことかなとおおまかにわかるものの、実際にはどのあたりの年齢を指すのかがはっきりしません。今回は「青年期」の特徴や発達課題などを説明しつつ、青年期と呼ばれる年齢について解説します。また「青年期」の次にあたる「壮年期」や、「思春期」との違いとの違い、英語表現にも触れています。

「青年期」の特徴と発達課題とは?

「青年期」とは「子供から大人への過渡期」

「青年期」と呼ばれる時期は「子供から大人へと移行していく過渡期」のことを意味します。「青年期」の「青」という字は「未熟」の意味しており、「青年期」とはまだ成人になる前の段階を指します。

青年期の特徴は「身体的・心理的成熟」

青年期の特徴は、身体的かつ心理的な成熟に加えて、性的な関心も高まることです。子供から大人への肉体的な変化があるため、男女差を意識するようになり性別を意識し始めます。また心理面では内省的になり、自分とは何かのように自己を意識するようになります。

身体的にも心理的にも変化が著しい時期のため、不安や苛立ち、反抗的な態度を取るといった精神的な不安定さが見られるも青年期の特徴のひとつです。

青年期の発達課題は「アイデンティティの確立」

青年期の発達課題は、アイデンティティの確立です。アイデンティティとは「自分とはどのような人間で、どのような人間なのかをイメージすること」です。自己イメージができるようになると、社会的な一員となるために身につけるべき素養とは何か」も考え始めます。

アイデンティティの確立により自分の価値を見出すことができるようになるため、仕事を見つけるなどの社会生活を送れるようになります。ただしアイデンティティから得られる自己イメージは、生活環境などの影響を受けながら変化するので、青年期で確立されるアイデンティティとは一生涯通して変化するアイデンティティの基礎となるもの電話す。

アイデンティティを確立することは簡単ではありません。自己を意識することは裏を返せば他者を意識することであり、社会的な環境変化の影響も受けるので、青年期にある若者は精神的に不安定になりやすい傾向があります。

「青年期」の年齢は?

青年期の年齢はおおよそ15歳~25歳頃までの時期

青年期を15歳ころ~25歳くらいまでの時期を指すことが多いものの、年齢区分に関して定説はありません。また具体的な年齢も定められていないので、大体の年齢によって分けられています。

エリクソンによる自我発達の年齢区分で「青年期」は13~19歳

ユングの次世代を行く発達心理学者で精神分析家のエリク・H・エリクソン(Erik H. Erikson、1902-1994)は、ライフサイクル理論のなかで人に一生をユングよりも細かく分けて、そのうちの一つに青年期を位置づけました。

エリクソンの年齢区分は次の通りです。

乳児期生後~17ヶ月
幼児前期18ヶ月~2歳
幼児後期3歳~4歳
学童期5歳~12歳
青年期13歳~19歳
成人期20歳~39歳
壮年期40歳~64歳
老年期65歳~

厚生労働省の年齢区分では青年期が長め

日本の厚生労働省も年齢区分を公表していて、エリクソンの年齢区分とは異なる分け方をしています。青年期とは成人として成熟するまでの全段階という定義はエリクソンや厚生労働省も変わらないのですが、厚生労働省による青年期はエリクソンよりも長めで、10代の前半くらいから20代の後半までを設定しています。

幼年期0歳~5歳
少年期6歳~14歳
青年期15歳~29歳
壮年期30歳~44歳
中年期45歳~64歳
前期高年期65歳~74歳
中後期高年期75歳~

そもそも年齢区分を分けたのはユング

人の一生を年齢区分を分けた最初の学者は、心理学者・精神分析者として有名なユング(Carl Gustav Jung、1875-1961)です。ユングは人の一生を「少年期」「成人前期」「成年期」「老年期」と4つに分けました。このなかの「成人前期」が「青年期」にあたります。当時の寿命は約80歳だったので、そこから換算すると成人前期の終わりは40歳前後になります。

年齢区分を分けるにあたり、ユングは一つの年齢区分から次の年齢区分へと移り変わるときが人生の危機であると考えていました。

「青年期」の次はなに?

「青年期」の次は「壮年期」

前述したように、年齢区分にはエリクソンによるものと、日本の厚生労働省が公表しているものがあります。年齢の分け方は異なるものの、どちらも「青年期」の次は「壮年期(そうねんき)」です。エリクソンの年齢区分では 40歳~64歳、日本の厚生労働省は30歳~44歳が壮年期となっています。

「壮年」とはそもそも何かというと、意味は「心身ともに成熟して働き盛りのころ」です。いわゆるミドル世代と近い考え方とも言えるでしょう。

「青年期」と「思春期」の違い

思春期とは身体的・性的な成熟時期

「思春期」とは、青年期の様々な変化の中でも「身体的かつ性的な成熟するとき」を指して思春期と呼びます。子供から大人への身体的な変化とともに、異性への性欲的な関心や恋愛感情などが著しく芽生える時期です。

年齢は青年期全体としている説と、「青年期」を前半と後半に分けて前半期を身体的・性的成熟期として「思春期」と呼んでいる説があります。

「青年期」の英語表現

「青年期」は英語で「adolescence」

「青年期」は英語で「adolescence」です。「adolescence」という表現が難しく感じられるのなら、「youth」を使ってもいいでしょう。「youth」はユースホステルにも使われているように、より一般的に青年期や若者を指す言葉です。

例文
  • “adolescence”/“adolescent period”/ “adolescent stage”/ “period of youth”
    「青年期」
  • “He is in his adolescent years.”
    「彼は青年期にある」
  • “She reaches adolescence.”
    「彼女は青年期になる」

まとめ

「青年期」は「子供から大人への過渡期」であり、ほぼ15歳~25歳くらいまでのことを指しますが、はっきりとした年齢の定義はありません。肉体的な変化があり、性的な関心も高まる思春期も青年期の一時期であると同時に、自我意識や社会意識も発達する時期です。

 

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。