「します」の意味とは?文法・使い方や「いたします」との違い

文末に「します」をつければ丁寧な表現なりますが、「いたします」などの似た表現との使い分けに迷うこともあります。今回は「します」の意味と使い方をはじめ、「いたします」や「する」との違いを解説します。また文書などで使う「ですます調」や「である調」の使い分けに、助動詞「します」の意味と用法も紹介します。



「します」の意味と使い方とは?

「します」は敬語のひとつ「丁寧語」

「します」は敬語の中でも丁寧語と呼ばれる種類に分類されて、動詞「する」の丁寧語です。その意味は、目的となる事柄に作用を及ぼすことです。例えば「早起きする」や「昼寝をする」のように使われます。

敬語は尊敬語・謙譲語・丁寧語が分かれますが、そのうちの「します」が分類される丁寧語とは、相手や状況、話す内容などに関係なく、幅広く使うことのできる丁寧な表現を指します。

そのため日常会話からビジネスシーンにまで大変よく使われています。

「します」を使ったビジネス例文

「します」を使った例文の中から、とくにビジネスシーンで使われるものを紹介します。

例文:

  • 「今日の5時までにお借りした資料をお返しします」
  • 「来週のスケジュールを変更します」
  • 「本来の担当者である○○は本日欠席しているので、代わりに私が対応します」
  • 「交代しますので、○○さんは休んでください」

「します」と「いたします」の違いとは?

「いたします」とは「する」の謙譲語

「いたします」は漢字で「致します」と書く動詞「する」の謙譲語です。

謙譲語は、相手に対してへりくだった時にする表現で、同時に相手への敬意も表せます。

主動詞の連用形に付くので「お願いいたします」や「ご確認いたします」のように使われます。

「いたします」は「します」よりも丁寧な表現

「します」と「いたします」の違いは、「いたします」の方が「します」よりも丁寧な表現になることです。

例えば「します」を使って「お願いします」と言えば、相手に関係なく丁寧な表現になる一方で、「お願いいたします」にすると、相手への敬意も表されたより丁寧な言い方になります。

「お願いいたします」が正しい

「いたします」は漢字で「致します」と書けるので「お願い致します」と表記されていることがありますが、これは正しい用法ではありません。正しくは「お願いいたします」とひらがなで表記します。なぜなら補助動詞はひらがなで書くことが決められているからです。

「致します」はよくないことが起るの意味

では漢字で書く「致します」はどんな時に使うのかというと、動詞「いたす」の活用形として使われた時です。

「致す」にはいろいろな意味がありますが、よく使われる意味は「よくないことが起こった」という意味です。「不明の致すところで」や「不徳の致すところで」のように使われます。

「します」と「する」の違いとは?

「します」と「する」の違いは敬語か否か

「します」と「する」の違いは、敬語か敬語ではないかです。

「します」は「する」の敬語のひとつである丁寧語で、話し言葉として使われます。一方「する」は話し言葉としては使われませんので、主に「である」調の文書などの書き言葉として使われます。

他動詞「する」は主体に作用を及ぼす表現

一方「する」は「します」の語源であり原型です。「する」はサ変他動詞で、目的となることを実際に起こす、または作用を及ぼすのが他動詞の役割です。

たとえば「寒気がする」のように状態や起きたことを感じられるようにする使い方や、「運転をする」「やけどをする」のようにある行動を行ったり、行った結果を表す使い方があります。

「します」と「である」の違いとは?

「です・ます調」と「である調」を混在させない

レポートなどの文書を書くときにも活用される「します」ですが、その際には「します」を代表とした「です・ます調」か「である調」のどちらかに語尾を統一するようにします。「です・ます」と「である」が混在すると文章のリズムが崩れて、大変読みにくい文書になってしまいます。

あえて「です・ます」と「である」を混在させて個性的な文章を作るというテクニックはありますが、ビジネス文書でそれをすることはやめておいた方がいいでしょう。情緒的になりやすく、簡潔にまとめることを求めるビジネス文書には向きません。

文書の語尾は、「です・ます調」が「である調」に統一するのが一般的です。

尊敬を表す助動詞「します」とは?

「します」は尊敬の意味を表す助動詞

助動詞として使われる「します」は、尊敬の意味を表しています。ただしその敬意はそれほど高くなく、丁寧語のように使われることもあります。

中世から近世にかけて使われた「します」

この助動詞としての「します」は現代では使われていません。使われた時期は中世から近世まで、つまり鎌倉時代から江戸時代ごろまでです。

「します」は尊敬の助動詞「す」の連用形+助動詞「ます」

「します」は文法的に解釈すると、尊敬を表す助動詞「す」を連用形の「せ」に直して、同じく尊敬の補助動詞「ます」が連結して「せます」となった後が転じて、「します」となりました。

「します」の使い方は本動詞の未然形につきます。

例文:「言わします」

まとめ

「します」とは「する」の丁寧語で、礼儀正しい響きのある文末表現です。口語として、または書き言葉としても使われます。一方、丁寧な文末表現として「いたします」がありますが、謙譲表現ですから相手に敬意を表すときには「します」の代わりに「いたします」を使いましょう。