「いたたまれない」の意味や使い方とは?類語・英語を例文で解説

「いたたまれない気持ち」や「いたたまれないニュース」などと使われることも多い「いたたまれない」という言葉。これ以上我慢ができないという意味ですが、使い方が間違っていることもよくある言葉です。

今回は「いたたまれない」の意味や漢字での書き方に、正しい使い方や類語、英語表現を例文もあわせて解説します。

「いたたまれない」とは?

「いたたまれない」の意味は”これ以上我慢できない”

「いたたまれない」の意味は、精神的なプレッシャーから”その場にじっとしていられないこと”です。その場に居ることに耐えられないという表現を短くした連語です。

その場に居ることに耐えられないほどのプレッシャーがかかっているという状態から、「いたたまれない」には「これ以上我慢ができない」という意味もあります。

漢字では「居た堪れない」と書く

「いたたまれない」とひらがな表記されることが言葉ですが、漢字では「居た堪れない」と書きます。

「居」という字はある場所に「いる」という意味で、「堪」という字は「我慢する」という意味です。言葉の最後に「ない」をつけて否定して、「(その場に)いることに我慢できない」という作りになっています。

「いたたまれない」の由来は”いたまらない”

「いたたまれない」という言葉は江戸時代後期には使われていたとされる「いたまらない」が由来しています。「いたまらない」は「いたたまれない」の可能の意味である「られる」を抜いた表現ですが、徐々に可能の意味が加えられていき「いたたまれない」へと変化していきました。

「いたたまれない」の使い方と例文とは?

身近な人や身の回りで起こった状況に使われる

自分の目の前で友人同士がけんかを始めたり、人が叱られているのを見ていて同じ場所にいることに耐えられないのですぐにでも離れたいといった気持ちになり、その場を離れようとするときに「いたたまれない」が使われます。

「いたたまれないニュース」や「いたたまれない事件」のように人づてで聞いた出来事に対して「いたたまれない」が使われることがありますが、正しい使い方とは言えません。自分の身の回りに起こった出来事や自分のそばにいる人について使うのが、「いたたまれない」の正しい使い方です。

したがって「いたたまれない」は自分の身の回りに起こった状況や身近な人に対して使われます。

「いたたまれない」を使った例文

「いたたまれない」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 「いたたまれなくなって席を立った」
  • 「いたたまれない状況に置かれた彼がかわいそう」
  • 「最愛の父を亡くし、寂しくていたたまれない」
  • 「天涯孤独の彼女は、寂しくていたたまれない気持ちになった」

「いたたまれない」の類語とは?

「悲しい」や「かわいそう」は感情を表に出した類語

「いたたまれない」の類語には、「悲しい」や「かわいそう」があります。

「悲しい」は「泣きたくなるほどつらく、心が痛む」という意味で、いたたまれない気持ちの原因が悲しさのときに使われます。一方「かわいそう」とは相手を「不憫に思う気持ち」のことで相手や物へ同情をしたときに使われます。

「居心地が悪い」は同じ場所にいるのが不快の意味

「いたたまれない」のその場にいては落ち着かない、同じ場所にとどまっていたくないという意味で使われるときの類語には「居心地が悪い」があります。同じ場所にいたくない、気分が悪いといった状況で使われます。

同様の意味の表現には「身の置き場がない」や「身の置き所がない」もあります。

「息が詰まる」や「気まずさを感じる」では不快感が増長

「息が詰まる」は「緊張のあまり息ができない」という意味が転じて、「拘束されて自由に振る舞えない」という意味になった表現です。「いたたまれない」の意味よりも切羽詰まった状態で使われます。

「気まずさを感じる」は明確な相手がいるときに「その人と気持ちが折り合えず、どこか具合がよくない」といった意味です。「いたたまれない」のように相手への同情心はなく、むしろ相手と一緒にいることで不快に感じられるときに使われます。

「穴があったら入りたい」は恥ずかしい時に使われる類語

「穴があったら入りたい」の意味は、「身を隠したいほどに恥ずかしい気持ち」のことです。「人前であんなミスをしてしまって恥ずかしい。穴があったら入りたい」のように使います。

「いたたまれない」の英語表現とは?

いたたまれない理由を英語で表現する

「いたたまれない」を英語で言い表すには、「いたたまれない」気持ちになった理由を英語に訳します。例えば、悲しさからいたたまれない気持ちになったのだとしたら、悲しいという意味の「sorrowful」を使い「○○はとても悲しい」という表現になります。

例文:

  • “She is very sorrowful to bear.”
    (直訳)「彼女はとても悲しい」⇒「彼女はいたたまれない気持ちだった」

「その場に居られない」は英語で”not stand remaining”

「その場に居られない」という意味の「いたたまれない」なら「… cannot stand remaining there」(「その場に居られない」)や、「逃げ出したい気分」と解釈して「feel like running away」を使うこともできます。

例文:

  • “I can’t stand remaining there, because people stare at me.”
    「人々からの視線を感じたから、いたたまれなかった」
  • “Because of his regrettable mistake, he felt like running away.”
    「痛恨のミスを犯して、彼はいたたまれない気持ちだった」

まとめ

「いたたまれない」とは「その場に居られない」という意味と「これ以上辛抱できない」という意味があります。落ち着かなかったり恥ずかしくなった時、または相手に同情するときなどにも使うことのできる表現です。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。