「勧善懲悪」の意味とは?使い方や類語・対義語を例文つきで解説

映画やドラマで度々耳にする言葉「勧善懲悪」。シーンの流れから「善悪に関するルール」というような印象を受けますが、正しい意味や使い方に戸惑いを感じる人もいるでしょう。

今回は道徳や考えの根底でもある四字熟語の一つ「勧善懲悪」です。早速、意味や使い方から類語・対義語、英語表現まで幅広く紹介していきましょう。



「勧善懲悪」の意味とは?

「勧善懲悪」とは一体どのような意味なのでしょうか?

「勧善懲悪」の意味は「善を奨励し悪きを懲らしめること」

「勧善懲悪」とは「善を奨励し、悪きを懲らしめ戒めること」です。善良な行いをする人や、善良な行為そのものを「良いこと」と根底に位置づけ奨励し、一方で悪行や悪さをする人を懲らしめ戒めることを意味します。

素直で性質の良い人や道徳ある行動や奉仕活動など「善良な人や行い」に対し、「素晴らしい」「尊敬すべき」という観念を持ち、方や人の行うべき道に背いたり、法律や規則に反する人や行為を見逃さず、同等の裁きを与えるという考え方が「勧善懲悪」です。

「勧善懲悪」はドラマや映画の土台となる考え方

「勧善懲悪」と言えば、ドラマや映画、また子供が楽しむアニメなどで根底となる概念や考え方です。人助けをし、人のために至力を尽くす者を「良し」とし、人を騙したり、醜い考え方を持つ者、また不道徳な行為を「悪き」とするものです。

「勧善懲悪」である世界をベースとする構成である限り、ストーリーの最後で「良かった」「そうなると思っていた」と感じることでしょう。それは道徳やモラルが人々の心に浸透しているからであり「この世界は公平であるべきだ」という考え方に基づくものであると言えます。

成長過程にある子供が見るアニメやマンガや「勧善懲悪」なものがほとんどです。「正義の味方、正義は必ず勝つ」。いつもエンドシーンでホッとした記憶は誰しもあることでしょう。

「勧善懲悪」は聖徳太子の十七条憲法にも

「勧善懲悪」は、あの聖徳太子がまとめた「十七条憲法」の中でも明記されている箇所があります。十七条憲法は推古天皇12年に成立されたものであることから、かなり古くから存在する四字熟語だということがわかります。

「勧善懲悪」の使い方と例文

続いて「勧善懲悪」の正しい使い方と例文について解説しましょう。

「勧善懲悪」は道徳ある行動を促す時にも使う

「勧善懲悪」とは、前述した通り「善良な人や良い行いを奨励し、悪い人やモラルのない行動などを懲らしめること」ですが、「勧善懲悪」という言葉を活用して、今まさに悪い行動に移ろうとしている人に対し、「悪事を働けば、必ず戒められる」という世の掟を知らしめることもできるでしょう。

複雑で過酷な現代社会では、弱い立場であったり意思が弱かったりすると、どうしても甘い言葉につられてしまうことがあります。つまり、我を忘れて悪や不道徳なことに手を染めてしまいがちです。そのような時に「勧善懲悪」という言葉を使って「悪は裁きを受ける」ということを伝え、逆に良いことは奨励されるということをメッセージとして送ることもできます。

「勧善懲悪」を使った例文

  • この世は「勧善懲悪」であるから、悪事は必ず罰せられるものだ。
  • 「勧善懲悪」の世界であるからこそ、公平で健全な人生が送れるのではないか?
  • ヒーローが登場するアニメやマンガを観ると、「勧善懲悪」の世界が理解できる。
  • 複雑な世の中では「勧善懲悪」を根底にものごとを進めることは、時と場合によって困難な場合がある。

「勧善懲悪」の類語は?

「勧善懲悪」と言い換えのできる類語について紹介しましょう。同じ四字熟語でも、これだけ多くの類語が挙げられます。

「勧善懲悪」の類語は「勧奨懲戒」や「破邪顕正」など

「勧善懲悪」の類語には「勧奨懲戒(かんしょうちょうかい)」や「破邪顕正(はじゃけんしょう)」、また「揚清激濁(ようせいげきだく)」や「遏悪揚善(あつあくようぜん)」などが挙げられます。

「勧奨懲戒」は善行を進め悪行を戒めること、「破邪顕正」は邪道を破り道徳道理を世に知らせ広めることを表し、また「揚清激濁」は善を進め悪をなくすこと、「遏悪揚善」は悪行に罰を与え善行に褒賞することを意味します。

「勧善懲悪」に似たことわざは「天網恢恢にして漏らさず」

また「勧善懲悪」と似た意味を持つことわざに「天網恢恢にして漏らさず」があります。「天道は厳正であり、悪人や悪事は取り逃さない」という意味を持ち、天が張り巡らした網の目は粗く広く見えるが、悪い行いや悪人は取り逃がすことなく、戒めを受けることをたとえたことわざです。

「勧善懲悪」を英語で表現すると?

最後に「勧善懲悪」の英語表現について解説します。

「勧善懲悪」は英語で「poetic justice」

英語でも「勧善懲悪」の意味を代弁するフレーズはいくつかあります。最も共通して使われているのが「poetic justice」で、一般的に「善は良いもので奨励され、悪は制裁を受け懲らしめられるもの」というニュアンスで使われています。

「善は奨励され悪は罰を受ける」と直訳してもOK

また、より「勧善懲悪」の意味を強調するために「善は奨励され悪は罰を受ける」という意味をストレートに訳した「virtue rewarded and vice punished」を使うこともできます。「勧善懲悪」の意味を説明しいたいなら、こちらの表現の方がスッキリと的を得ていると言えます。

まとめ

ドラマや映画の世界で根底の考えの一つとなるのが「勧善懲悪」です。善人や良い行いを奨励し、悪人や不道徳な行いを戒めるという意味を持ちますが、もしも、この概念がくつがえされてしまったら、この世の中は一体どうなってしまうのでしょうか?

「勧善懲悪」の世界に生きる私たちは法律や規則、一定のルールの中で暮らしています。これらの枠組があるからこそ、善と悪の境界線を理解することができるのかもしれません。

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某私立大経営学部卒、大手旅行会社、商社を経て、豪州へ移住。米国PCメーカーのカスタマー部に勤務後、カンガルーやエミューのいるNSW州の片田舎で生活を開始。田舎暮らしをきっかけにフリーランス(ライター・翻訳)に転身し現在に至る。趣味はゴルフ、料理、ローカルとのゴシップ、キャンプ。