「行間を読む」の意味とは?使い方の例文や類語との違いについても

「行間を読む」とは、文章には書かれていないが筆者が本当に伝えたい「隠された意図や意味合いを読み取る」ことを意味する言葉です。「行間を読む力」があると物事の意味合いをより理解し、応用力をつけることができます。今回は「行間を読む」の意味を解説し、使い方の例文と類語に加え英語での表現も紹介します。

慣用句「行間を読む」とは?

「行間を読む」の意味は”隠れた意味や意図を読み取る”

「行間を読む」の意味は、文章や言葉には現れていない“隠れた意味や意図を察して読み取ること”です。文章に書かれている内容をそのまま受け止めて理解するのではなく、筆者が本当はどんなことを伝えたいのかを、書かれている内容から想像して汲み取ることを表しています。

文章だけではなく会話や物事に対しても、隠されている意味や意図を読み取ることを意味する言葉として使います。

「行間を読む」ことで本や小説をより楽しむことができる

本や小説を読むときに「行間を読む」ことを意識して行うと、文章には表れていない作者の意図や想いを読み取り楽しむことができます。俳句や川柳など決められた言葉数やルールなど制限がある表現においては、行間を読むことによって、作者が感じたことや伝えたいことを理解することができるでしょう。

「行間を読む」の使い方と例文とは?

「行間を読む」を使った例文

「行間を読む」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 君はスキルを上げるだけではなく、チームをまとめるリーダーとしてもっと行間を読む力を養うことも必要だ。
  • メールにははっきりと書かれていなかったが、どうやら我が社の要求が厳しすぎることが辞退の理由にあることが行間を読むとわかった。

「行間を読まない」「行間を読めない」を使った例文

「行間を読まない」や「行間を読めない」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 読者が行間を読まないと話の筋がわからないなんて、小説家として失格ではないだろうか。
  • 彼女は行間を読めない人なので、一から十まで全てを伝える必要があるので気をつけてね。

「行間を読む」の類語と意味の違いとは?

「空気を読む」は”雰囲気から状況を察する”の意味

「空気を読む」とは、その場の雰囲気や状況を察して、どうするのが最もよいかを考え行動することを意味する言葉です。

「行間を読む」が「言外に含まれた意図を読み取る」ことであるのに対して、「空気を読む」のは「場の雰囲気」を自分なりに理解して「どう行動するのがよいか」を考え・行動に移すという点が異なります。

「忖度する」は”相手の気持ちを想像し配慮する”を意味する

近頃見聞きすることも多い「忖度する」(そんたくする)という言葉は、「相手の気持ちを想像し配慮する」の意味を持ちます。「行間を読む」は「配慮」の意味合いは持ち合わせていない点が異なります。

そのほかの「行間を読む」の類語

「裏を読む」の意味

「裏を読む」(うらをよむ)は、「行間を読む」同様「隠された意図を読み取る」の意味を持つ言葉です。「裏」とは文章や言葉の「反対の意味」だけを指すのではなく、文章や言葉に表れていない「隠された」の意味となります。

「推測する」の意味

「推測」とは、もとになる事柄がベースにあった上で、相手の考えや気持ちを「想像する」ことを意味しています。「行間を読む」は文章を読んだ上で、さらに隠された意図をも想像することなので、近い意味を持つ言葉と言えます。

「深読みする」の意味

「深読みをする」は、相手が話したことや書面に書かれたこと内容を、必要以上に深く解釈する「考えすぎ」の意味を持つ言葉です。

「行間を読む」同様に、隠された意味を汲み取ろうとする「意志」が含まれた言葉ですが、「行間を読む」が行動を示すのであるのに対し、「深読みをする」は「過ぎる」のニュアンスが含まれている点が異なります。

「行間を読む」の英語表現とは?

「行間を読む」の英語は”read between the lines”

英語で「行間を読む」の意味を持つ言葉は、“read between the lines”を使うのが適しています。慣用句「行間を読む」と同じ「隠された意図を汲み取る」の意味を持ちます.

「read between the lines」の語源は暗号の解読方法

「read between the lines」は、「文章にない隠された意図を汲み取る」の意味を持つ英語表現ですが、暗号を解析するときに1行ずつを飛ばしながら読んだことが由来となるフレーズです。

「行間を読む」ことのメリット・デメリットとは?

数学においては「行間を読む」ことが応用力をつける

数学などの参考書や教科書などにおいても「行間を読む」ことが大切と言えるでしょう。書かれていることの意味だけを理解し実践していると、応用力がつかないこととなります。今、自分が行なっていることの真の意味や目的を、行間から読み取ることができれば、次につなげることができるでしょう。

「真の意味」を読み取ることの大切さは、小説や数学だけには限らず、仕事やその他の物事においても「隠された真の意味」を読み取ることで、その場の理解だけでなく次のアクションへとつながっていきます。

男女の恋愛などでは「行間を読む」ことも円満の秘訣

「行間を読む」力があると、コミュニケーションをより円滑に行う手助けとなります。全ての人が、自分の思っていることを的確に伝えられるわけではありません。また、言わなくても相手は自分の気持ちを理解してくれるはずと思う人もいれば、言いたくても遠慮をして言い出せない人もいるかもしれません。

「行間を読む」ことには注意も必要

「行間を読む」ことは、メリットばかりだけではありません。会話において相手の意図を間違って汲み取ってしまうと、後からトラブルになることやコミュニケーションが滞ることも起こりかねないでしょう。また「行間を読む」ことばかり意識していると、人との会話に疲弊してしまい兼ねません。疑問と感じたこと重要と感じたことについては、「行間を読む」だけではなく、言葉にして相手に尋ねることがよいでしょう。

まとめ

「行間を読む」とは、文章や会話における「隠された意図」を汲み取ることを意味する言葉。文章そのままをより理解しようとしても、「行間を読む」のは難しいことです。相手や物事に対する先入観や思い込みを取り除いて見ることで、うまく「行間を読む」ことができるのではないでしょうか。