「紆余曲折」の意味とは?類語「試行錯誤」との違いや使い方も解説

「紆余曲折」という言葉に2つの意味があることを知っていますか。今回は「紆余曲折」の意味や語源、使い方や言い換えに使える類語「試行錯誤」との違い・対義語などについて解説します。「紆余曲折」を使った例文や、間違いやすい「迂曲曲折」についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。

「紆余曲折」の意味と語源

「紆余曲折」とは事情により物事が上手く進まないこと

「紆余曲折」は「うよきょくせつ」と読みます。「紆余曲折」とは「多くの事情によって物事がスムーズに進まない」というものです。

この意味での「紆余曲折」は、主に人生や仕事などに使われますが、いずれの場合も「何かを終えたとき」に用いられます。これまでの道のりを振り返って「大変なことがさまざまありましたが何とか終えました」というニュアンスで使われます。

単に道が曲がりくねっていることも「紆余曲折」

「紆余曲折」は人生や仕事にあてて使われることが多い言葉ですが、単純に「曲がりくねった複雑な経路」という意味でも使うことができます。

山道や工事中の道などを「紆余曲折の道」と表すこともあるので、人生や仕事を例えている「紆余曲折」なのが、物理的に障害のある道という意味での「紆余曲折」なのか判断して理解する必要があります。

「紆余曲折」の語源は「紆余」と「曲折」

「紆余曲折」という言葉は2つの熟語を組み合わせて作られています。「紆余」と「曲折」という異なる言葉を合わせることで、お互いの意味を強めています。

まず「紆余」とは「曲がりくねる・うねる」という意味です。「この先紆余」など、実際の道路などについて使います。

「曲折」とは「折れ曲がる・事情が込み入る」という意味です。物理的に折れ曲がっているものを表すこともありますし、複雑な事情を抱えている状態を表すこともあります。

「紆余曲折」の使い方と例文

「紆余曲折の人生」とは多くの波乱がある人生

「紆余曲折」という言葉は、人生についてよく使われます。中でも「紆余曲折の人生でした」は、人を送るときや送られるときの決まり文句と言っても良いかもしれません。

  • 「父は紆余曲折の人生でしたが、最期まで自分らしく毎日を楽しんでいました」
  • 「これまで本当に紆余曲折の会社人生でしたが、定年を機に気楽な日々を楽しもうと思います」

「紆余曲折を経て」「紆余曲折の末」で結末を表す

「紆余曲折」という言葉はある程度困難が通り過ぎてから使われる言葉です。そのため何らかの結末を迎えたときに「紆余曲折を経て」「紆余曲折の末」などと表すことがあります。

  • 「今回のプロジェクトは発足当初からいろいろとありましたが、紆余曲折を経て何とか成功することができました」
  • 「彼は紆余曲折の末に、すばらしいアイデアと実績を生み出した」

「紆余曲折のある○○」はアクシデントのある道のり

「紆余曲折の人生」「紆余曲折を経て」など以外にも「紆余曲折」を会話や文章の中で使うことはできます。特に「紆余曲折の○○」とすれば、それがいかに困難で苦労の多い道のりだったか、ということが伝わりやすいでしょう。

  • 「今回の取引先は遠方で、かつ紆余曲折の道のりだからくれぐれも運転には気を付けて」
  • 「私の時代はただでさえ就活氷河期で、これといった取り柄のない私には紆余曲折の就活となりました」

「紆余曲折」の類義語・対義語

類語「試行錯誤」との違いは自ら選ばないこと

「紆余曲折」の類語に「試行錯誤(しこうさくご)」があります。「試行錯誤」とは問題や困難を乗り越えるために、さまざまな思考を凝らすことです。

「紆余曲折」と「試行錯誤」の大きな違いは「自主性があるかどうか」ということです。「試行錯誤」は自主性があり、自分で何とかしようという気持ちで行動を起こすことを指します。

一方「紆余曲折」は簡単に言えば「大変だった」という、ある意味物事を客観的に説明する言葉です。

  • 「私は取引先からのクレームをおさめるために試行錯誤して、新しい提案を思いついた」
  • 「取引先からのクレームなど紆余曲折あったが、何とか成し遂げることができた」

類語「二転三転」との違いは目的の変更

「紆余曲折」の類語には「二転三転(にてんさんてん)」もあります。「二転三転」とは物事が予定した通りに進まず、状況や事情に応じてさまざまな変更が生じることです。

「二転三転」と「紆余曲折」の違いは「目的」が変わるかどうかということです。「紆余曲折」はさまざまな困難や事情がありながらも、目指すところ(状態)は当初と変わりません。一方「二転三転」は状況や事情に応じて、都度目的とするところ(状態)が変わります。

  • 「当初彼は退職したいと言っていたが、その後気持ちが二転三転し結局は休職ということになった」
  • 「彼は紆余曲折あったが、最終的には希望する部署に異動することになった」

「紆余曲折」の反対語は「順風満帆」

「紆余曲折」を「物事がスムーズに運ばない」という意味で使う場合、反対語は「物事がすべて順調に進む」という意味になります。

「紆余曲折」の対義語は「順風満帆(じゅんぷうまんぱん)」です。「順風満帆」とは、物事がすべて順調で、遮るものがなく追い風を受けてスムーズに進む様子を表します。

  • 「彼は自分の思い描く人生を、何の障害もなく歩んでいる、まさに順風満帆だ」
  • 「私は順風満帆な社会人生活を思い描いてここまで頑張ってきました」

なお、「順風満帆」の読み方は「じゅんぷうまんぽ」ではありません。最後の「帆」はこの場合「ぱん」と読むことに注意しましょう。

「迂曲曲折」という言葉はない

「紆余曲折」という言葉と字面が似ているものに「迂曲曲折」があります。「迂曲(うきょく)」とは「曲がりくねる・遠回り」という意味を持つ熟語です。

しかし「迂曲曲折」という四字熟語はありません。「迂曲曲折」の多くは「紆余曲折」の間違い、もしくは造語と考えられます。

「紆余曲折」の英語表現

「紆余曲折」は英語で「turn and twist」

英語には四字熟語という概念がないため、「紆余曲折」を英語で表現する場合は「紆余曲折」の意味を説明する英文にすしなくては伝わりません。

  • 「She lived a life full of ups and downs, and turns and twists.」

「紆余曲折」は「turn and twist」と表します。「turn」は「曲がる」、「twist」は「ねじれる」という意味です。「曲がってねじれたような道のり」という意味で「turn and twist」です。

まとめ

「紆余曲折」には2つの意味があり、物理的な道路の状態を表したり、比喩表現として人生や仕事の状態などを表すこともできます。特に比喩表現としての「紆余曲折」はそれまでの道のりがいかに困難であったかを一言で表せる四字熟語です。

この機会に自分がこれまで歩んだ道のりを振り返ってみて、「紆余曲折」という言葉で表してみましょう。