「二者択一」という言葉の意味を深く考えたことはありますか。今回は「二者択一」の意味や使い方、類語や反対語について解説します。「二者択一」とはどんな基準で選ぶものなのか、選ぶ対象が2つ以上ある場合は何と言えば良いのか、類語の「取捨選択」とはどこが違うのか、などについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

「二者択一」の意味とは?

「二者択一」の意味は「どちらかを選ぶ」
「二者択一」の読み方は「にしゃたくいつ」です。意味は「2つの内のどちらかを選ぶ」ということを表しています。
「二者択一」には「者」という、人を表す文字が使われていますが、選ぶ対象は人でなくても問題ありません。たとえば「仕事か恋人か、二者択一だ」といった言い回しでも使うことができます。
「二者択一」で選ぶのは「必要と感じる方・良いと思う方」
「二者択一」で選ぶものには、特に制限はありません。自分が良いと思う方、自分に必要と感じる方を選ぶことが「二者択一」です。
どちらが良い、または必要という基準で考えず、ランダムにどちらかを選ぶことも「二者択一」という言葉で表すこともできます。その場合は「どちらでも良いので一つ選んで」など他の言い方が用いられることが多いかもしれません。
「二者択一」の使い方と例文

「二者択一を迫る」で一方的な状況を表す
相手から2つの選択肢を提示して、どちらかを選ぶように伝えることを「二者択一を迫る」と言います。「二者択一」という「2つに1つ」という意味と、「迫る」という強い姿勢を表す言葉がひとつになっているため、「断らせない状況」「否が応でもどちらかを選ばせる」という一方的な印象を出すことができます。
また、立場が逆の場合は「二者択一を迫られる」と表現します。相手から「二者択一」するように迫られる状況です。
- 「今回の失態で、取引先から値引きか契約の解消かの二者択一を迫られた」
- 「先方にはA案とB案の二者択一を迫ろうと思っています」
「二者択一の状況」で選択肢が少ないことを表す
「二者択一の状況」と言われると、「選択肢が2つしかない」という緊張感を出すこともできます。
- 「二者択一の状況とは…あまり立場が良くないことがわかるな」
- 「先方も待ちきれない様子で、いよいよ二者択一の状況となりました」
仕事や診断の質問で、希望する方を選ぶ場合に使う
「二者択一」はさまざまな場面で使われる言葉です。特にビジネスシーンや自己診断などでは「二者択一」を目にする機会が多いでしょう。
- 「このまま営業でスキルを磨いても良いし、企画部で新しく挑戦してもいい、二者択一だ」
- 「ご自身の考え方に近いものを二者択一で選んでください」
タロットやルーンなどの占いでも使われる
「二者択一」という言葉は、タロットカードやルーン占いなどでも使われます。カードや石を選ぶ場面で「AとBのどちらかを選んでください」というニュアンスで、選んだ内容により結果が導き出されます。
- 「2つのカードの山から二者択一でどちらかを選んでください」
- 「どちらかの石を二者択一してください」
「二者択一」の類語

「二者択一」の類語は「取捨選択」
「二者択一」と似た意味を持つ言葉はいくつかあります。その中でも、比較的使いやすく頻繁に使われるのは「取捨選択」です。「取捨選択」とは「不要なものを捨てて、必要なものを取る」という意味です。
「取捨選択」との違いは「選ぶ対象が2つか、複数か」
「二者択一」との違いは、対象が2つとは限らないことと、要らないものを捨てるというところまで含んでいる、という点です。選ぶ対象が複数ある場合は「取捨選択」、2つの内1つを選ぶ場合は「二者択一」と使い分けると良いでしょう。
「二者択一」の反対語は?
「二者択一」の反対語は「選択の余地がない」
「二者択一」と反対の意味は「選べない」というものです。「選べない」という状況は「選択の余地がない」という言葉で表すことができます。
「選択」とは、対象が2つ以上であれば問題なく使える言葉です。「余地」とは、考えるゆとりを表します。つまり「選択の余地」とは「選ぶゆとり」であり、「選択の余地がない」とは「選ぶだけのゆとりがない状態=選べない」となります。
「二者択一」の英語表現

「二者択一」は英語で「alternative」
「二者択一」という言葉と似た意味を持つ単語は「alternative(オルタナティブ)」です。「alternative」とは「選択肢」という意味で、「二者択一」が持つ「選ぶ」というニュアンスを持っています。
- 「Its alternative plans.(二者択一の案)」
まとめ
「二者択一」という言葉は、何となくニュアンスで理解している人が多く、意味自体を考える機会はあまりないかもしれません。しかし、「二者択一」の意味は「2つのうちのどちらかを選ぶ」と理解しておくと、「二者択一」を使うべきか、それとも「取捨選択」など他の言葉を使うべきかがわかるようになります。
ぜひこの機会に「二者択一」という言葉の意味を、使い方と一緒に覚えておきましょう。