「ノスタルジック」の意味は?類語・対義語やレトロとの違いも解説

「ノスタルジックな夏」や「ノスタルジックな風景」など、昔を懐かしんだり、故郷に哀愁を抱く時に使われる言葉に「ノスタルジック」があります。普段は意識せず口にしているものの、正しい意味を理解している人は意外に少ないのではないでしょうか?

今回はカタカナ語「ノスタルジック」の焦点を当て、意味や使い方、レトロとの違い、また類語や対義語を中心にまとめています。

「ノスタルジック」とは?

「ノスタルジック」の意味は「故郷や家族を懐かしむ気持ち」

「ノスタルジック」の意味は、故郷や家族、古いものや思い出を懐かしみ、深く思いを抱くこと”です。長年離れている生まれ故郷や、昔慣れ親しんだものや人々などに思いを寄せ「家に帰りたい…」と切望する気持ちを表す言葉です。

また、過去に流行したビデオデッキやラジカセ、車内に付属された携帯電話、湯たんぽや暖炉など、かつて自分が使っていたものや、昔懐かしい映画やマンガの第一作目(ロングランしている作品の初期のもの)など、ごく自然に「懐かしい」と感じる気持ちも「ノスタルジック」と表現します。

「ノスタルジック」は英語で”nostalgic”

「ノスタルジック」とは英語の“nostalgic”のことです。英語圏では「get nostalgic(望郷の念に駆られる)」や、名詞的な用法で「nostalgia(ノスタルジア)」という意味で一般的に使われている言葉です。

「ノスタルジック」は良い意味でも悪い意味でもある

「ノスタルジック」は”故郷や故郷に住む家族や友達を懐かしみ、古き思い出やかつて馴染みのあったものに対し、郷愁を抱く気持ち”ですが、時としてネガティブなフィーリングを招き寄せることがあります。現在の自分の状況や立場、心境などと照らし合わせ、「あの頃は良かった」「昔に帰りたい」という気持ちを引き起こす引き金になってしまうからです。

しかし、幼いころに経験した家族のぬくもりや、時間を気にせず無邪気に友達と遊んだこと、また喧嘩をしても翌日はスッキリ何事もなかったかのように振る舞えた「良きあの頃」を懐かしんでみて下さい。意外にも、現在直面しているトラブルや問題に対して上手に対処できる、良き「心の置き所」となるかもしれません。

「ノスタルジック」を使う時の注意点と例文とは?

「ノスタルジック」の意味を把握したところで、使い方についての注意点と例文を挙げてみます。

「ノスタルジック」と「レトロ」の違いを理解する

「レトロな洋服」や「レトロな車」など、日常生活でよく用いられるカタカナ語に「レトロ」があります。「ノスタルジック」と似たような意味を持ちますが、意味や使い方で混同してしまうこともあるでしょう。しかし、この二つには多少の意味の違いが存在するため、使い方にも注意が必要です。

「レトロ(retro)」とは、ファッションや髪形を中心とする「スタイル」や「かたち」に対して、「復古調の」という意味を持って使われる言葉です。「昔風」や「懐かしい印象や雰囲気のある」という意味で使われるため、「ノスタルジック」の「家族や昔を懐かしむ気持ちや望郷の念に駆られること」とはやや意味が異なります。

「ノスタルジック」を使った例文

「ノスタルジック」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 「ノスタルジック」な雰囲気を持つ絵画に心を奪われた。
  • 仕事に追われストレスが増大。この頃は「ノスタルジック」な気持ちに浸ることが多い。
  • 「ノスタルジック」な思いが募り、来週、一週間だけ故郷に帰ることを決めた。
  • このキャラクターにこのストーリー。昔読んだ漫画は「ノスタルジック」な雰囲気で溢れている。

「ノスタルジック」の類語と対義語とは?

「ノスタルジック」の類語と対義語について見てみましょう。文脈や話の雰囲気などに合わせて、適宜言い換えできる言葉を選んでみてください。

「ノスタルジック」の類語は”遠い目”や”郷愁”など

「ノスタルジック」の類語には、「望郷」や「懐古的」の他に、昔を懐かしく思う様子を意味する「遠い目」や「郷愁」などがあります。

また、「子供の頃を思い出す」や「どこか懐かしい」などの表現も、「ノスタルジック」と言い換えができる類語として使えるでしょう。

「ノスタルジック」の対義語は”未来的”や”future”など

「ノスタルジック」が過去や昔に対して思いを抱くことであることなら、対義語は現在を飛び越えて「未来」や「将来」を指す言葉になると考えらえられます。そうすると、「未来的」や「future」などになるでしょう。

カタカナ語は日々数を増していますが、中でも「未来派的」なという意味の「futuristic(フュ‐チャリスティック」は、ビジネスや広告シーンで度々見聞きするようになりました。こちらも「ノスタルジック」の対義語として覚えておきましょう。

「ノスタルジック」になるきっかけとは?

「ノスタルジック」になるきっかけは”風景・写真”が多い

「昔を懐かしむ」きっかけとなるのは、過去の情景や思い出を誘導する「風景」や「写真」、「イラスト」などの画像でしょう。そのため、「ノスタルジック」に続く名詞で多いのは、やはり「風景」や「写真」などの画像が多いと言えます。

「ノスタルジックな雰囲気」のある画像を見ていると、誰しも故郷に帰りたくなるものです。パソコンの壁紙に、故郷の風景や学生時代の友達の写真などを張っている人も多いことでしょう。

まとめ

「ノスタルジック」は英語の「nostalgic」のことで、意味は「昔のことや家族を懐かしく思う気持ち」「古いものに懐かしみを抱くこと」で、「故郷に帰りたい」「昔に戻りたい」という望郷的な気持ちに浸ることを指す言葉となります。

仕事で上手く行かない時やものごとの歯車が合わないこともあると思いますが、そんな時、ふと脳裏を掠めるのが「故郷に住む家族や友達」だったりしませんか?「あの頃は良かった」と、現在の状況と比較してガッカリと落ち込んでしまわず、過去の大切な思い出をばねにして、立ちはだかるトラブルに一つずつ対処していきましょう。

もちろん、休暇には故郷を訪れ、ノスタルジックな感情を一気に吐き出すのも良いアイデアです。以上、今回は「ノスタルジック」を紹介しました。