「サマリー」の意味とは?医療など分野別の解説に書き方のポイント

「サマリー」とは会議などで使われる機会の多い言葉のひとつですが、業界やシーンによって意味が違うことをご存知でしょうか。

今回は「サマリー」の意味を、ビジネス、金融・証券業界、医療・看護、IT業界別に解説。例文もあわせて使い方もわかりやすく説明します。またサマリーの書き方のポイントも紹介します。

「サマリー」とは?

「サマリー」の意味は”要約・概要”

「サマリー」の意味は、“要約・概要”です。英語の「summary」が語源で、英語でも同じ意味で使われています。

ただし日本ではビジネス、医療、IT分野などの各分野によって「サマリー」の意味や使い方が変わります。

「サマリー」の分野別の意味とは?

ビジネスでは「要約」と「合計」の意味

ビジネスシーンでは「サマリー」は「要約」の意味で使われていることが多い言葉です。資料や記事、論文などの要約や重要事項の抜粋、または会議内容まとめた要約を「サマリー」と呼びます。

また商品の売り上げをまとめた表などの「データの合計」や「総計」という意味でも使われているので、広い意味で「サマリー」をとらえるといいでしょう。

金融や証券業界では「市場の動向」の意味

為替や株式などの金融・証券業界では、「サマリー」は「為替や株式の動向」や「市場概況の指標」という意味があります。さらに「金融・証券市場に関するニュース」という意味もあり、幅広く使われています。

「マーケットサマリー」とは、市場の状況を簡潔にまとめた概況報告という意味で、金融記事を取り扱う新聞や証券会社のウェブサイトなどでよく使われています。

事業計画書のはじめには「エグゼクティブ・サマリー」という項目が設けられていることもあります。「エグゼクティブ・サマリー」は事業内容の要約がまとめられているので、投資家に事業説明をするときに役立ちます。

医療・看護では「患者の病歴・治療の全記録」の意味

医療や看護の現場では、「サマリー」は「患者の病歴や検査記録、治療の履歴をまとめた文書」のことです。患者についての総合的な医療情報をまとめたもので、転院や退院後に別施設に移動するときに役立てられます。

「カルテ」は医師によって患者の病状を記録した書面ですが、「サマリー」には病状やその経過内容にとどまらず、検査結果や看護や介護の記録も記載されます。

IT分野では「検索結果の要約文」の意味

IT分野では、「サマリー」は「大規模なデータや長い文章の要約」という意味の他に、「サーチエンジンの検索結果に表示されるサイトの要約文」という意味もあります。インターネットのサーチエンジンで検索結果のページに、タイトルやウェブページのリンクに続いて表示される掲載文面の一部の文章をサマリーと呼びます。

「サマリー」には「サイト訪問者の記録分析」という意味もあります。サイトの運営者が訪問者の記録であるアクセスログを分析して、グラフや指標などにまとめたものをサマリーと呼びます。

さらに「サマリー」にはプログラミング言語として「合計」や「総計」という意味もありますので、文脈や状況に応じて意味をとらえるようにしましょう。

「サマリー」の正しい使い方と例文とは?

「サマリーをつける」で要約を追加する

資料などに要約文を追加するという意味合いで、「サマリーをつける」という言い方をします。「サマリー」は読み手に資料の内容をわかりやすく伝える目的がありますから、重要な部分を中心に、短時間で読めるようにまとめます。

「サマリーを説明する」で概要を説明する

「サマリーを説明する」とは「概要を説明する」という意味です。起こった出来事を時系列に説明することもあれば、事業プランのサマリーなら事業の内容を簡潔にまとめて説明します。

「サマリー」を使った例文

「サマリー」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 「次のミーティングまでにサマリーは読んでおいてください」
  • 「至急、新プランの概要を知りたいのでサマリーを送ってください」
  • 「会議はこれで終了です。サマリーは後ほどお送りします」
  • 「こちらは先月の売り上げのサマリーになります」

短くして「サマる」という言い方も

サマリーをまとめるという意味で「サマる」と短くした使い方もあります。聞き慣れないとわかりにくい表現なので、知っておくと便利でしょう。

例文:

  • 「さっきの会議をサマっておいて」
  • 「データをサマっておいて」

「サマリー」と似ているビジネス用語との違いとは?

「レジュメ」は「サマリー」の類語

「レジュメ」は「サマリー」と同じく「要約」や「概要」の意味です。語源がフランス語の「résumé」という点で違いますが、意味は「サマリー」と同じです。

「レジュメ」は会議や講演などの内容をまとめた書類で、資料として配布されることがあります。また企業によっては、履歴書や職務履歴書もレジュメと呼びます。

「アウトライン」とは「概略」のこと

「アウトライン」は「概略」の意味で、物事の大要やあらすじのことを指します。ビジネスシーンでは「枠組み」や「骨子」などの意味で使われます。

サマリーはアウトラインの一要素と分類されて、アウトラインの内訳にサマリーや見出し、章立てなどがあります。

「アジェンダ」は「計画」や「議案」の意味

「アジェンダ」とは「計画」や「議案」の意味ですが、議会の議案内容と日程をまとめた「議事日程」の意味もあります。ビジネスシーンではプロジェクトや会議を始める前のやることをまとめた事前資料のことを指します。

「サマリー」と「アジェンダ」は混合されやすいのですが、「サマリー」が「要約」という意味に対して「アジェンダ」は「議題」という意味ですので、意味も使い方も違います。

サマリーの書き方とは?

内容をわかりやすく書くことがポイント

サマリーを書くときのポイントは、読み手にたくさんある資料の内容をわかりやすく書くことです。また短い時間で読めるようにまとめることも大切です。

要点、問題点、結論などの主旨を1ページにまとめて、それに続くページを読まなくても内容が把握できる程度にまでまとめるのが理想的なサマリーです。美辞麗句や感嘆詞などは省き、簡潔な言葉遣いを意識して書いてみましょう。

まとめ

「サマリー」とは英語の「summery」が語源で、「要約」や「概要」という意味です。ただし、ビジネスや金融・証券、医療・看護など分野ごとに意味に違いがあり、またシーンによっても意味が異なりますので、状況や文脈から正しい意味を理解するようにしましょう。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。