「バックボーン」の意味とは?ビジネスやIT業界での使い方と類語

「バックボーン」は本来は「背骨」という意味ですが、ビジネスシーンやIT業界では別の意味で使われています。

今回は「バックボーン」の元々の意味と使い方の解説に続き、ビジネスシーンやIT業界での「バックボーン」の意味と使い方を例文とあわせて説明します。加えて類語や英語表現も紹介しますので、異なる分野での「バックボーン」の意味や使い方を覚えてみてはいかかですか。

「バックボーン」の意味とは?

「バックボーン」の意味は”基幹としての考え方”

「バックボーン」の意味は、“基幹としての考え方”です。「バックボーンとはそもそも「背骨」という意味で、英語で背骨を指す「backbone」を語源にしたカタカナ語です。

英語の「backbone」の「中心的な支え」や「基幹」という意味から派生して、人の生き方や信条、思想において「バックボーン」は「思考を成り立たせるための中心にある考え方」や「基幹としての考え方」という意味もあります。「精神的支柱」または「思想的支柱」とも言い換えることができます。

また「バックボーン」には考え方や信条などが生まれた背後にある「思想的背景」という意味もあります。英語の「backbone」にはない独特な意味で、文脈から「基幹としての考え方」か「背景」のどちらの意味で使われているかを判断します。

「バックボーン」の使い方と例文とは?

ビジネスシーンでは「基本的な考え方」という意味で使われる

ビジネスシーンで「バックボーン」はよく使われますが、「バックボーン」は「物事の基本的な考え方」という意味で使われます。個人の成功体験や挫折などのさまざまな経験を通して、バックボーンを形成されます。

またビジネスにおいては「仕事に対する自信の背後にあるもの」という意味で使われることもあります。

ビジネスシーンでは「企業理念」という意味でも使われる

企業に関して「バックボーン」と使う時は、企業の基幹となる考え方である「企業理念」のことを指します。企業理念は組織運営のスタンスとなり方向づけをすることにもなるため、企業にはなくてはならないものといえるでしょう。

「バックボーン」を使った一般的な例文

「バックボーン」を使った一般的な例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 「彼の演奏する音楽には、子供のころに経験したつらい経験がバックボーンにある」
  • 「成功者のバックボーンには、その人を支える大切な家族がいるようだ」
  • 「仏教や神道の教えが、日本文化のバックボーンとなる」
  • 「柔道をバックボーンに持ち、他にもさまざまな武道を試みた」
  • 「○○さんの思想のバックボーンとなるのは、個人的な実体験である」
  • 「中国経済の躍進には、思想的バックボーンが影響しているのでしょうか」

「バックボーン」の使ったビジネス例文

「バックボーン」を使ったビジネス例文をご紹介しましょう。

  • 「バックボーンである経営学の知識を使って、彼は新しい企業を立ち上げた」
  • 「○○君にはIT企業で働いていたバックボーンがあり、IT関連企業とのコネクションがある」
  • 「環境保護の姿勢が、わが社のバックボーンとなる」

IT用語の「バックボーン」とは?

IT用語の「バックボーン」とは”ネットワーク同士をつなぐ基幹回線”

IT用語として使われる「バックボーン」とは「バックボーンネットワーク」とも呼ばれていて、個人や事業などを結ぶ主要の通信回線のことです。

規模の小さなものなら同じビルのフロア間をつなぐLANがあります。本社と支社など拠点間を結ぶ通信網、インターネットサービスプロバインダ(ISP)間を結ぶ通信網に、携帯電話の基地局間を結ぶ通信網など、必要とされるバックボーンネットワークによって種類や規模が違います。

通信速度は「太い」か「細い」で表現される

バックボーンの通信速度が早く送信できるデータ量が多い時には「バックボーン回線が太い」と表現します。「太いバックボーンでインターネットに接続している」と言えば、通信速度は速く、送ることのデータ量も多いという意味になります。

一方、通信速度が遅く、遅れるデータ量も少ない場合には「バックボーン回線が細い」や「細いバックボーン」のように言い表します。

「バックボーン」の類語とは?

「背骨」の類語は「脊椎」「脊梁」

「背骨」という意味の「バックボーン」の類語は「脊椎」(せきつい)や「脊梁」(せきりょう)です。「脊椎」と「脊梁」のどちらも背骨の意味ですが、医療用語としても使われる難しい言葉のひとつです。

「基幹」の意味の類語は「拠り所」「屋台骨」

基幹という意味でバックボーンが使われるときの類語は、「拠り所」、「主柱」や「大黒柱」、「屋台骨」などたくさんの言葉があります。

「拠り所」は「頼みとするところ」や「支えてくれるもの」、「主柱」や「大黒柱」は「家や団体を支える中心的なもの」という意味があります。また「屋台骨」には「家屋の柱」という意味以外に「一家を支えるもの」という意味があります。

「バックボーン」の英語表現とは?

「バックボーン」は英語で”basic way of thinking”

「基幹となる考え方」という意味の「バックボーン」を英訳すると“basic way of thinking”となるでしょう。「基本的な」という意味の「basic」に考え方を意味する「way of thinking」を続けた表現です。

例文:
“His basic way of thinking comes from his personal experiences.”
「彼のバックボーンは個人的な経験にある」

「backbone」は”背骨”と”中心的な支え”の意味

「バックボーン」の語源である英語の「backbone」には、「背骨」という意味の他に「基幹」や「中心的な支え」という意味があります。人の特徴として「芯が強い」という意味でも使われます。

例文:“He has a backbone” 「彼にはバックボーンがある」

まとめ

「バックボーン」は背骨という意味の英単語が語源のカタカナ語で、「背骨」という意味もあれば、ビジネスシーンでは「基本的な考え方」またIT業界では「バックボーンネットワーク」の意味で使われています。分野によって異なった意味で使われていますので、広い意味でとらえておきましょう。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。