「ましてや」の意味と使い方とは?敬語表現や類語も例文で解説

「ましてや」とは「さらに」と前に続く事柄を受けて後に続く事柄を強調する言葉ですが、どんな文脈に使われるのかがわかりにくい言葉です。「ましてや」の意味や使い方を例文とともに解説しますので、「ましてや」の使い方を覚えてみましょう。また類語や英語表現も併せて紹介します。

「ましてや」の意味とは?

「ましてや」の意味は「さらに」

「ましてや」とは「さらに」や「なおのこと」という意味の副詞で、副詞「まして」を強めた表現です。「ましてや」の「や」は間投助詞で、意味を強め、感情的な高ぶりを相手に伝える働きをしています。

「ましてや」は、「まして」と同様に、ある事柄の状態がそうだったのだから、その後に続く事柄の状態はもちろんそうなるという気持ちを表しているのですが、後に続く事柄が「もちろんそうなる」という部分を強調した言い方です。また前におこる事柄と後に続く事柄が違っていても同じでも構いません。

「ましてや」を使った例文

  • 「5階からでも眺めがいいのだから、ましてや10階まで行けばもっと眺めがいいだろう」
  • 「辛さ2倍のカレーでも十分辛いのに、ましてや5倍となったら辛くて食べられないんじゃないか」
  • 「0.5カラットのダイヤでもきれいだけれど、ましてや1カラットとなったらその美しさは格別だ」

漢字では「況してや」か「増してや」

「ましてや」は漢字で「況してや」か「増してや」と書き表し、どちらも正しい表記です。ただ「増してや」の「増す」という漢字の意味から「さらに」という意味が連想されやすく、漢字表記では「増してや」がよく使われます。

「ましてや」の使い方と実用例文

「ましてや」は接続詞ではなく副詞

「ましてや」は前後の文をつなぐ役割をしているような使われ方をしますし、「ましてや」が使われるとき句点「、」が一緒に使われる例が多いため、「ましてや」は接続詞のように見えます。しかし「ましてや」は接続詞ではなく副詞です。

副詞は体言や用言を修飾する言葉のことを指しますが、「ましてや」も次に続く言葉を修飾しているので副詞になります。

否定的や消極的な文脈でも使われる

「ましてや」は肯定的な意味合いの文章だけではなく、否定的か消極的な文章でも使われます。「Aができないのだから、Bもできない」という文脈で接続助詞である「だから」の部分を強調したい場合に、「ましてや」を使います。

敬語表現のなかで使う「ましてや」

「ましてや」という副詞の敬語はありませんが、敬語表現の文中に「ましてや」を使うことはできます。しかし控えめな言い方にするように心がけましょう。

「ましてや」は間投助詞「や」の働きで相手の気持ちをひきつけようとするうえに、相手に伝えようとする気持ちが強まった表現です。自分の感情の高ぶりを押し付けるようになっては、相手に対して失礼です。したがって感情を強く高めることのない言い方をするようにします。

言い方に気をつけるのが難しいのであれば、「ましてや」の代わりに「まして」を使うことで控えめな表現になります。

「ましてや」を使った実用例文

  • 「大人もできないのだから、ましてや子供にはできない」
  • 「泳ぐのでさえ苦手なのに、ましてやスキューバーダイビングなんてできっこない」
  • 「実の親が知らなかったことを、ましてや他人の私が知るはずがない」
  • 「ご本人が事実だとおっしゃっているのですから、ましてやその場に居なかった私が違うとは申し上げられません。真実の解明は警察にまかせましょう」
  • 「ましてや○○さんに置かれましては、かなり難しい状況と考えられます。そのため、次のような対応策を取られてはいかがでしょうか」

「ましてや」の類語

「なおさら」の意味は「前にもまして」

漢字で「尚更」とも書く「なおさら」は、「前にもまして」や「ますます」といった意味の副詞で、前の事柄の状態よりもさらに状態が高まるときに使われます。そのため「ましてや」のように、必ず二つの事例を比べる必要はありません。一つのものの状態が変化した場合にも「なおさら」は使われます。

例文:
「大人がしてはいけないのだから、なおさら子供はしてはいけない」
「パーティにお目当ての○○さんが来られると聞いて、なおさら嬉しくなってきました」

「当然」は「あたりまえである」という意味

「当然」は名詞や形容動詞として使われますが、副詞として使われて「当たり前である」という意味になります。前の事柄を受けて、後に続く事柄をするべきだという状況で使われます。

「ましてや」には「当然」のように後に続く事柄を「するべきだ」というほど強く主張しません。

例文:「当然行くべきである」

「もちろん」は「言うまでもない」という意味

「もちろん」は「論じるまでもなく、はっきりしているさま」という意味の副詞で、事の成り行きとして後の事柄が行われたりすることは避けられないという状況で使われます。

「もちろん」の方が「ましてや」よりも、確実に後の事柄が行われるという確信があります。

「ましてや」の英語表現

肯定的な内容なら「much more」

肯定的な内容の文章で「ましてや」を使うのならば、英語では「much more」です。一方、否定的な内容なら「much less」です。

否定的な内容というのは、単に文中に「not」や「never」などの否定語が使われているというわけではなく、文意がネガティブであれば「much less」が使われます。

例文:
“He can speak English, much more French.”
「彼は英語がわかるし、ましてやフランス語もだ」
“She understands very little English, much less French.”
「彼女はろくに英語が分からないし、ましてやフランス語もだ」

まとめ

「ましてや」は「さらに」や「なおのこと」という意味で、前にある事柄と後に続く事柄を繋いで、前の事柄と同じ状態に後の事柄もなることを示しています。「ましてや」を強調するあまりに相手にとって不快に思われることもありますから適度に使うようにしましょう。