「やるせない」はときどき耳にする言葉ですが、正しい意味を知っていますか?なんとなく聞き流してしまいがちですが、実は自分の気持ちを表現するのにとても便利な言葉です。今回は「やるせない」の意味や例文を紹介します。ぜひコミュニケーションに使ってみましょう。
「やるせない」の意味とは?
「やるせない」の意味は、気持ちのやり場がない
「やるせない」とは、「気持ちのやり場がないことや、切ない、つらいなどの暗い気持ち」という意味です。物事がうまくいかず、どうすることもできない状況で使われることが多い表現です。
例えば「恋人に自分の気持ちが伝わらず、やるせない。」というのは、恋人に自分の気持ちを伝えようと一生懸命考えたり行動をしているけれど伝わらない状況で、つらく感じているということです。
つらい気持ちがあるけれど、その気持ちをどう言葉や行動に表していいのかわからない、もしくは表すことができないという状況を同時に表現しています。
「やるせない」の類語とは?
「やるせない」の類語1「やりきれない」
「やりきれない」は、最後までやり遂げることができないことや、我慢できないことを表しています。やり遂げることができないという意味に伴って、やり遂げることができない状況でつらいという気持ちを表すこともあります。つらいなどの暗い気持ちを表すという点で、「やるせない」と似ている言葉です。
「やるせない」の類語2「やり場がない」
「やり場がない」は、主に感情に対して使う言葉で、感情をぶつける相手がいないことや、感情を持っていく場所がないことを表します。感情を持っていく場所がなくてつらいという暗い気持ちを表すことが多く、「気持ちのやり場がなくてつらい」や「やり場のない怒り」などのように使います。
暗い気持ちを表す言葉であり、さらに感情をどうすることもできない状況で使われることから、「やるせない」と似ている言葉です。
「やるせない」の例文
「やるせない」は使う場面に特徴のある言葉です。暗い気持ちを表す言葉ですが、場面によって気持ちも変わってきます。「やるせない」を使った例文を確認してそれぞれの使い方をイメージしましょう。
やるせない思いや気持ちの例文
- 幼い子どもの事故の話を聞くと、やるせない気持ちになる。
- 多くのものを犠牲にして努力してきたが、結果につながらず、やるせない。
- ずっと楽しみにしていた旅行が台風で中止になり、やるせない。
- 好きな人に恋人ができてしまって、やるせない。
「やるせない」の語源・古語とは?
「やるせない」は「遣る瀬無い」が語源
「やるせない」は、漢字で書くと「遣る瀬無い」です。「遣る」「瀬」「無い」の3つにわけられます。古語の「遣る」は、もともとは「行かせる」という意味でしたが、「気を晴らす」という意味にもなりました。「瀬」は、海や川の浅いところ、つまり浅瀬のことを表していましたが、のちに「場所」という意味を持つようになりました。
つまり古語の「遣る瀬無い」は、「気を晴らす場所がない」という意味で、物事がうまくいかず、どうすることもできない状況でつらいという現代語と同じような意味になります。
「やるせない」を外国語で表現すると?
「やるせない」は英語で「downhearted」
「downhearted」は「落胆している」や「心が痛い」という意味です。がんばったけれどうまくいかず、やるせない気持ちになったことを英語で表現すると「I tried my best but it did not work, I was downhearted.」になります。直訳すると、「ベストを尽くしたけれどうまくいかず、落胆している。」となります。意訳すると「ベストを尽くしたがうまくいかずやるせない。」です。
「downhearted」の他にも、ショックを受けることを表す「crush」を使うこともあります。例えば「I was crushed that my efforts were not rewarded.」は、直訳すると「努力が報われなかったことにショックを受けた。」となりますが、意訳すると「努力が報われずにやるせない気持ちになった」となります。
「やるせない」を中文にすると「无奈」
「无奈」は、「なんとも仕方がない」や「やむを得ない」という意味の言葉です。「我感到无奈」を直訳すると、「私がやむを得ない気持ちを感じている」となりますが、意訳すると「やるせない気持ちを感じている」となります。
やるせないときはどうしたらよい?
リラックスと気分転換がおすすめ
日常で「やるせない」気持ちになることもあります。一生懸命努力を続けたけれど成果がでなかったり、自分でどうすることもできない状況になったなど、つらい気持ちで落ち込むこともあるでしょう。
その場合には、リラックスや気分転換がおすすめです。すでにどうすることもできない状況だからこそ、やるせない気持ちになっています。無理に何かしらの行動を起こすよりも、一度つらい気持ちを癒やしたり、気分転換をして視点を変えてみるとよいでしょう。
まとめ
「やるせない」は、物事がうまくいかず、どうすることもできない状況でつらい気持ちを、たったの五文字で伝えられる表現です。会話の相手がやるせない気持ちの場合には、本当にどうすることもできない状況なのか確認してサポートできるかもしれませんし、気分転換を進めることもできます。「やるせない」を上手に使えられればコミュニケーションが深まるかもしれません。ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。