「会社都合退職」とは?メリットやデメリット・失業保険について

「会社都合退職」でありながら「自己都合退職」にして欲しいと言われたら、あなたはどう思うでしょうか?会社を辞める時は転職や休養などさまざまな理由が考えられますが、できる限り自分にとって損をしない「退職」の仕方をしたいものです。

今回は「会社都合退職」について知っておくべき点を挙げながら、「自己都合退職」との違い、失業保険受給の早さと期間、退職金などについて解説しています。次の就職での影響を含め、ぜひ理解を深めておきましょう。



「会社都合退職」とは?知っておきたい5つの範囲

そもそも「会社都合退職」とはどのようなものなのでしょうか?7つある定義から説明したいと思います。

倒産・大量の人事削減(リストラ)の場合

企業が経営困難に陥り倒産した場合、また悪化した経営状態から改善を見込み、大量の人事削減を行った場合です。

正当な理由で解雇になった場合

自己責任に帰し、会社に対し大きな損害を与えたり、トラブルを引き起こしたことによる正当な解雇の場合です。会社の資産を悪質に流用したり、顧客に多大な迷惑をかけたなど、会社に対して汚名をきせた場合や顧客損失などを含みます。

残業代や賃金未払い、また勤務条件が契約と著しく異なる場合

賃金が未払いが続いたり、労働場所、職種、賃金などの労働条件が、契約提携時と大幅に異なっていた場合です。たとえば、営業職で契約を締結したにも関わらず、人事に配属された場合、また残業代が何年も未払いになっているなどのケースに当てはまります。

会社から退職奨励を受けた場合

早期退職優遇制度をのぞき、会社からむやみに退職をするように勧められたり、またそのような状況を促すケースです。自分の意思とは異なり、無理やり退職奨励を受けた場合に該当します。

上司や同僚からいじめやパワハラなどを受けた場合

職場の上司や同僚などからいじめや、パワハラなどのハラスメントを受けた場合、周囲の嫌がらせなどにより心身的な理由で退職を余儀なくされた場合です。

「会社都合退職」と「自己都合退職」との大きな違いは?

次に「会社都合退職」と対置関係にある「自己都合退職」について解説します。自分がどのような立場で会社を去るのかで、退職のカタチが変わってきます。

「自己都合退職」は自己が希望して退職に至る場合

「自己都合退職」とは言葉通り、自分の意思で、自分が希望して会社を退職するケースを指します。一般的に多いのは自己都合退職で、主な理由としては結婚や転居、また両親の介護や自己の病気療養などがあります。

現在、日本では働き方改革が大々的に推進されていますが、育児休暇の取得が実際的に難しい場合もあるでしょう。企業風土や企業の人事的な特徴なども、育児休暇の取得を難しくしてしまう理由の一つですが、一旦、キャリアに区切りをつけ、出産や育児に専念するかたちで退職するケースもあります。このような場合も「自己都合退職」になる場合がほとんどとなりますが、育児や家庭内の状況が落ち着いてきたら、既存のスキルややる気を発揮して、再び社会に復帰する女性も多くいます。

「転職」は自己都合退職の大きな理由の一つ

現在努める企業に対し、全ての社員が万場一致で「満足している」ことはごく稀です。たとえば、アサインされた業務内容、休暇取得の実現、給料面や福利厚生などの待遇面に納得がいかず「もっと良い企業があるはず」と、転職への感触をつかみ始めている人もいることでしょう。

「転職」は「自己都合退職」の大きな理由の一つです。自分で未来につながる企業を見つけ、夢を実現するために「働く場所を変える」という決断は自己責任となるため、おのずと「自己都合退職」というカタチとなります。

「会社都合退職」のメリットとデメリットとは?

それでは「会社都合退職」でのメリットとデメリットについてまとめてみます。会社に「会社都合退社ではなく、自己都合退職にしてもらえないか?」と言われた時も、焦らず対応できるよう、意味や仕組みを理解しておきましょう。

「会社都合退職」のメリットは「失業保険の支給の素早さの期間の長さ」

「会社都合退職」のメリットとして社員が好意的に受け止めたい点は、退職した後に受給する「失業保険」の支給が早いということ、また期間が長いということです。

一般的には自己都合で退職した場合、失業保険が下りるまで「3か月」という制限がありますが、一方で、会社都合退職の場合は制限を設けておらず、ハローワークで適切な申請を行えば、向こう7日間という短い待機期間のみで、失業保険を受給することができます。また給付日数も長く、会社都合退職が最大で150日であるのに対し、自己都合退職の場合は最大で330日の保険を受給することも可能です。

退職後にさまざまな理由で費用がかかることもあるでしょう。今まで給料をコンスタントにもらっていた生活から、一転して「ゼロ」になってしまうという不安も抱える必要がありません。お金が全てではありませんが、子供がいたり、自宅や車などの大型ローンを組んでいる人なら、なおさら実際的な問題として失業保険が支給されるスピードは見逃せません。

「会社都合退職」のデメリットは「面接での質問が一気に増える」

それでは「会社都合退職」のデメリットとは一体何でしょうか?「会社都合退職」のデメリットは、転職活動や復帰時の就職活動で、面接官とのインタビューの際に「会社都合退職」が真っ先に目に留まってしまうことでしょう。その際「会社都合退職」の理由や、そうなった背景を正直に面接官に説明しなければなりません。

会社都合退職にはさまざまな理由があります。たとえば「会社倒産」や「会社合併」、また「経営悪化による人員削減」など、会社に非がある場合はそれほど根掘り葉掘り聞かれることはありませんが、「解雇」の場合は前社でのトラブルの有無や内容を聞かれることが大方予想されます。

会社都合退職をした方が、失業保険がいち早くもらえることもあり、会社に直談判をして何とか「会社都合退職」にしてもらえないか、と交渉するケースもあるようです。しかし、目先に転がる良し悪しよりも、今後の仕事での影響を考えれば、そのような行動は控えたほうが無難だと言えるでしょう。「会社退職」の文字は履歴書の中で永遠に消えるものでもありません。

企業側のデメリット「自己都合退職」でない場合「助成金」がもらえなくなる

もう一つ、企業側のデメリットとして「自己都合退職」でない場合は、「助成金」がもらえなくなってしまう点が挙げられます。

「会社都合退職」でありながら「自己都合退職にしてもらえないか?」と言われる例を考えてみましょう。社員にとっては「なぜ?」と思う瞬間であり「何か裏にあるのでは」と疑心暗鬼になる時ではないでしょうか?

退職をする際に、会社都合退職でありながら、会社側から「自己退職にしたほうが経歴に傷がつかない」「転職時の面接で色々聞かれる」という理由で「会社都合退職」を促される場合ばなきにしもあらずです。しかし、実際は「会社都合退職」にあたる場合、厚生労働省から入る「助成金」が企業側に入らなくなってしまうため、企業としては懸念材料となってしまうのが実情でしょう。

まとめ

「会社都合退職」には倒産やリストラを筆頭に大きく分けて5つの範囲があり、そのどれかに該当する場合にのみ当てはまる退職のカタチとなります。対極にある「自己都合地職」とはメリット・デメリット共に異なりますが、今後の就職活動や失業保険の支給スピードに影響してくることを理解しておくことが大切です。

また「会社都合退職」でありながら「自都合退職」を勧められ場合もパニックにならないようにすべきです。自分にとって正当な選択をしっかりするようにして心を強く持つようにして下さい。

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某私立大経営学部卒、大手旅行会社、商社を経て、豪州へ移住。米国PCメーカーのカスタマー部に勤務後、カンガルーやエミューのいるNSW州の片田舎で生活を開始。田舎暮らしをきっかけにフリーランス(ライター・翻訳)に転身し現在に至る。趣味はゴルフ、料理、ローカルとのゴシップ、キャンプ。