「定量的」の意味と使い方とは?対義語「定性的」との違いや類語も

ビジネスにおいて見聞きすることも多い「定量的」とは、「ものごとを数字ではかること」を意味しています。今回は「定量的」について、言葉の意味とビジネスにおける使い方を詳しく紹介。「定量的」の対義語となる「定性的」についても解説します。また類語と英語での表現もお伝えします。

「定量的」とは?

「定量的」の意味は”ものごとを数値や数量で捉えること”

「定量的」の意味は、“ものごとを数値や数量で捉えること”です。「定量的」は、元々理科や理系の分野において、使われてきた言葉でしたが、現在ビジネスにおいても使われています。とりわけ、マーケティングリサーチなどの分野においては「定量的」な評価は欠かすことのできない要素となります。

「定量的」はわかりやすいことがメリット

「定量的」は、ものごとを数値や数量で捉えるため、わかりやすいことがメリットと言うことができます。また、数値や数量などのデータそのものは個人の意見や感覚によって左右されるものではないため、人によって捉え方が変わるということもありません。

「定量的」の対義語は”定性的”

「定量的」が”ものごとを数値や数量で捉えること”の意味であるのに対し、「定性的」とは”ものごとを数値や数量以外で捉えること”の意味となります。「定量的」「定性的」は表現としては似た言葉ですが、反対の意味を持った対義語です。

「定量的」の使い方と例文とは?

「定量的」を使った例文

「定量的」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 短期的な視点においては定量的な評価が重要となるが、長期的な視点においては定性的な評価も欠かすことができない。
  • 個人の意見だけを述べるのではなく、まずは定量的な説明をすることが大切だ。

ビジネスにおける「定量的」とは?

ビジネスにおける「定量的」な目標の例

ビジネスにおいては物事を漠然と進めていくのではなく、目標やゴールを決めておくことが必要。より具体的に「定量的」な目標を立てることが大切と言えます。

例えば、新商品を発売する場合には、定量的な目標がさまざまに考えられます。旧商品に比べての売上金額の増加割合、業界におけるシェアの割合などの数値を、定量的な目標としてかかげます。

ビジネスにおける「定量分析」「定量評価」の例

定量的に評価や分析を行う場合は、数字によって結果を判断します。例えば5段階によるお客様の満足度や、ホームページの閲覧数、新規会員の登録数などは、数字そのものを結果と見なします。

報告は「定量的」であることが大切

上司や先輩に依頼された作業の進捗状況や結果は、「定量的」に報告を行うようにしましょう。進んでいますだけを伝えるのではなく、何割進んでいるのかを具体的に伝えることにより、相手は状況を正確に把握することができます。

「定量的」「定性的」の両方が必要な場合もある

ビジネスにおいて、「定量的」だけでなく、「定量的」と「定性的」のどちらも必要な場合があります。「定量的」に悪い結果であっても、「定性的」に良い結果の場合もあるためです。

たとえば、テレビCMを見たユーザーへのアンケート結果における評価を考えてみましょう。テレビCMを見たことによりユーザーの商品の認知や購入意向がどう変わったかは、アンケートの数値から「定量的」な評価を行うことができます。また、「定性的」な評価を行う場合には、アンケートの自由解答欄に書かれたユーザーの意見や感想を見て判断します。

この場合「定量的」には悪い結果であっても、「定性的」には良い結果の場合もあるでしょう。また「定量的」には良い結果であるにも関わらず、「定性的」には悪い結果となる逆の場合も考えられるであるということも。このように「定量的」「定性的」の両面から見ることで、より状況を正確に把握し、次のアクションへとつなげることができます。

「定量的」を使ったビジネス用語とは?

「定量的リスク分析」

「定量的リスク分析」とは、プロジェクトにおいてリスクが与える影響を分析すること。プロジェクトマネジメントにおいて、有効なスキルです。なお、リスク分析には「定量的リスク分析」だけでなく、「定性的リスク分析」もあります。「定性的リスク分析」は、後から分析を行うためにリスクの優先順位づけを行うものです。

「定量的プロジェクト管理ツール」

「定量的プロジェクト管理ツール」とは、プロジェクトのリスクを「可視化」するツールです。プロジェクトの進捗状況や、トラブルの数など定量的なデータをもとにして、分析を行います。

「定量的」の類語とは?

定量的の類語①「量的」の意味は”ものごとを数量で捉える”

「量的」(りょうてき)は、「ものごとを数量で捉えること」を意味する言葉です。したがって、「ものごとを数値や数量で捉える」という意味を持つ「定量的」の類語と言えます。

定量的の類語②「客観的」は”特定の立場に立たずにものごとを見る”

「客観的」(きゃっかんてき)とは、「特定の立場に立たずに、ものごとを見たり考えたりする」ことを意味する言葉です。「定量的」な評価は、何かの立場に立って評価を行うのでなく「数量」や「数値」から捉えるので、「客観的」な評価とも言えます。

定量的の類語③「具体的」の意味は”形がはっきりしていること”

「具体的」(ぐたいてき)とは、「形や内容がはっきりしていること」を意味する言葉です。「定量的」においては数字で示すため、「具体的」のうちのひとつであると言えます。

「定量的」の英語表現とは?

「定量的」は英語では”quantiative”

英語で「定量的」を表現する場合は、“quantiative”を使うのが適しています。「quantiative detection」「quantiative analysis」は、どちらも「定量的な分析」の意味です。

まとめ

「定量的」とは、「ものごとを数値や数量で捉えること」の意味を持ち、分析や評価を行う際や目標をたてる際に使用します。一方「定性的」とは「ものごとを数字以外で捉えること」を意味する言葉です。「定量的」「定性的」の両面から見ることで、ものごとの結果や状況をより正確に捉えることができます。